サンパウロ人文科学研究所はブラジルの日本人移民史、日系人・日系社会に関する調査研究を行う団体です。
現在まで、研究所に所属する個人の研究のほか、日本・ブラジルの共同研究・委託研究に従事してきました。国内外からの研究者への協力等も行っております。
沿革
当研究所の沿革は、その起源を、戦後まもなく当時の日系社会の知識層を中心に発足した「土曜会」にさかのぼります。
1946年の「土曜会」の設立は、日本人の移住先国であるブラジルの社会的現実と、そのなかにおける日系社会の位置を確認し、そこから新しい生活と行動の理念を築き上げようという趣旨によるものでした。
発足時から15年あまり、この会を発展的に解消して、1965年3月に創立されたのが、今日の「サンパウロ人文科学研究所」です。
現在
当研究所の調査研究活動は、
(1)ブラジルの日本人移民史、及び(2)ブラジルの日系人に関する調査研究を中心としています。
共同研究
個人での研究成果に加えて、共同研究および外部からの委託による調査にも従事して参りました。そのうちの主なものを以下にご紹介。
1.『ブラジル社会に対する日系人の貢献と役割』
(JICA委託 1983年〜1984年)
2.『ドイツ系コロニアにおけるドイツ語教育に関する研究』
(JICA委託 1985年)
3.『ブラジルにおける日系人口調査』
(JICA委託 1988年〜1990年)
日本移民80周年記念事業の一環として、ブラジル全土にわたりサンプリングによる日系人口の調査を実施。それまで不明であったブラジル日系総人口数(128万人、当時)を明らかにするとともにに、日系人の社会的経済的状況の実態も明らかにしました。
4.『ブラジル日本移民八十年史』
(移民八十年史編纂委員会 1991年)
1988年の「日本移民80年祭」祭典記念事業の一環として、編纂。同史執筆の依頼を当研究所が受け、当所メンバーが中心になって共同執筆を行いました。
これまでの主な出版物
機関誌・年報『研究レポート』『人文研』
(当研究所では創立以来、機関誌を発行しております。『研究レポート』は1983年の第9巻まで発刊、1998年からは名称を『人文研』と改め、今日まで第6号が発行しております。)
半田知雄『移民の生活の歴史─日本移民の歩んだ道─』(日ポ両語、1970年)
人文研編『香山六郎回想録』(1976年)
人文研編『ブラジル日本移民・日系社会史年表─半田知雄編著改訂』(日ポ両語、1996年)
清谷益次『岩波菊治─短歌に辿る─移民の心の軌跡』(1993年)
ブラジル日本移民百周年記念「人文研研究叢書」の刊行
ブラジル日系移民は2008年に百周年を迎えます。
当研究所では、これを記念して「人文研研究叢書」の刊行に取り組んでいます。この叢書では、日本移民や日系人の歴史的な経験や営為を多様なテーマを切り口に掘り下げ、当研究所が行ってきたこれまでの研究の集大成を目指しています。2002年1月以降、現在までに刊行された叢書及び刊行予定は下記の通りです。
第1号:宮尾進『ボーダレスになる日系人』2002年
第2号:宮尾進『臣道聯盟』 2003年
第3号:小笠原公衛・高山直巳『消えた移住地を求めて』 2004年
第4号:清谷益次・栢野桂山『ブラジル日系コロニア文芸(上)』 2006年
第5号:西川大二郎『ある日本人農業移民が語る:ブラジルにおける日本農業移民像』2007年
第6号:鈴木正威『鈴木悌一:ブラジル日系社会に生きた鬼才の生涯』2007年
今後刊行予定の書籍
安良田済・大浦文雄・黒田貞徳『ブラジル日系コロニア文芸(下)』(2008年出版予定)
本山省三『日本移民史概観』
日本からも出版物はお求めになれます。詳しくは以下のサンパウロ人文科学研究所のリニューアルホームページから。
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サンパウロ人文科学研究所(Centro de Estudos Nipo-Brasileiros)
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ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市サンジョアキン街381番3階
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