戦前、水田の草取り虫と言われていたカブトエビをご存知ですか? 学研の付録や、トリオップス飼育キットでその姿を目にした人も多いでしょう。
実はこのカブトエビ、農薬を全く使わずに水田の雑草を防除してくれるのです。雑食性なので雑草の芽を食べたり、産卵や摂食行動の時に水田の土を巻き上げ、水を濁らせて雑草の光合成を阻害してくれるのです。
東京農業大学昆虫機能開発研究室では、このカブトエビを利用した新しい水稲栽培(以後、カブトエビ農法)を研究しております。
これまでの研究成果は以下の通りです。
●どんなに過酷な環境下でも生き抜く耐久卵を生む
●耐久卵が水田に存在している限り、環境が整えば
半永久的に孵化を繰り返す
●一度発生してしまえば、翌年からは卵や生体を入れる
必要が無い
●ミジンコが生存できるレベルの農薬でも死滅する
●化学肥料に対しても敏感な感受性を示す
●水田土壌のEh(酸化還元電位)と孵化に相関関係がある
●有機肥料(牛ふんや魚かす)を投入すると、長生きする
簡単にまとめると、農薬・化学肥料に弱く、有機農法水田で発生しやすいという特徴を持ち合わせています。つまり、完全無農薬有機栽培が可能な農法なのです。
有機農法に比べ孵化数は若干劣りますが、一部の化学肥料を用いることも可能です。
現在、埼玉県秩父市下吉田の水田にて、地元の農家と協力してカブトエビ農法の実践を行っています。埼玉県内の方々はもちろんのこと、他県の方でも興味がありましたらぜひとも一声お願いいたします。