≪をかし≫という言葉を一度でも耳にした、口にしたものは是非とも入ってほしい。
ここでは古典文学を語るもよし、古典を教えてくれた師をたたえるもよし、そう、自らが「をかし」だというものも集まってほしい。
をかし(オカシ)【形シク】
[[組成>>動詞『招(を)く』に対応する形容詞。また、こっけいの意を「をこ」の形容詞形とも]]
?おもしろい。趣がある。風情がある。
?賞すべきである。すぐれている。みごとだ。
?かわいらしい。愛らしい。
?こっけいだ。笑いたくなる。
《解説》
【文学理念】
起源から考えると、自分のもとに招き寄せておきたいと感じられるような対象に対して「心ひかれる」という賞賛を表す語であると解釈できる。
「あはれ」とともに平安時代の文学作品における基本的美的理念を表す語。
「万葉集」の中には例が見えず、平安時代になると、まれに和歌の中でも使われたが、おもに散文の中で美的理念を表す語として使われた。
「あはれ」が対象に同感し心動かされた状態になることをいうのに対し、「をかし」は客観的・理知的に観察する態度が根本にあり、「趣がある・おもしろい・興味がある」などの意味になり、さらに滑稽を感じて「面白い」の意味で使うようになる。この滑稽ということから「をこ(滑稽であって、笑い出したくなるような対象)」から派生した語とする説もあるが、むしろ、共に笑うという気持から使われたものではないか。
長くなったが、最後にある「共に笑う気持から使われた」【をかし】をこよなく愛していこう