ポーランドの女性作家マググレーナ・アバカノヴィッチ(1930〜 )のコミュニティーです。
彼女は1960年代初期にファイバー(織)の作家として頭角を現わし、70年代には人体をモチーフにした一連の群像によって、世界的な注目を集める現代作家となった。近年は人間や動物の頭部を形どった彫刻のシリーズや、巨大な木の幹と鉄による立体作品のシリーズなど、次々と新しい表現を試みている。彼女は自己の記憶や体験に深い考察を加え、作品に凝縮させているが、その作品は人間の存在の意味を問いかけるものであり、作家個人、あるいはポーランドという国家の枠を越え、より普遍性のあるものとなっている。
アバカノヴィッチの表現の特質は個々の作品の力強さとともに、それらを総合的に展示し、空間としてより強い印象を観る者に与えることにある。
マグダレーナ・アバカノヴィッチ
Magdalena ABAKANOWICZ
1930年ポーランド、ワルシャワ生まれ。50-55年ワルシャワ美術学院で学ぶ。61年から織物を始め、66-67年「アバカン」シリーズを制作。伝統的なタペストリーにとらわれない独創的な作品で頭角を表わした。植物の生成への関心から、70年代以降は、紐や縄、布などさまざまな植物繊維を用い、人体をモチーフに手や頭などの断片化された身体や背中に特徴のある一連の立像や座像を制作している。