Ad Reinhardt(1913−1969)
最初から抽象的な表現を目指し、1937年にはアメリカ抽象美術家(AAA)に加入。
1940年代に入ると、どんどん商業化されていくアメリカの前衛美術界を横目にしながら、ラインハートは
「芸術は親しい交わり(コミューニオン)であって伝達(コミュニケーション)ではない」
と主張し、純粋な創造活動の為にアーティストが自衛することを説き決して媚びない姿勢を貫く。
そして、ラインハートの代表作である、一辺が5フィートの正方形を縦横に3等分した格子状の「黒色絵画」シリーズが生まれた。
正方形は形態として、黒は色彩として、
ともに最も基本なものであり、もうこれ以上きり詰めようのないものである。
これこそがラインハートの確立した「絶対的絵画」であった。
「芸術のための芸術」
ラインハートは芸術作品が現実的な目的や価値によって左右される事を嫌った。(芸術至上主義)
そうした実用的でない絵画を目指し、最終的にたどり着いたのは、具体的なものは何も表さない絵画だった。
これが黒だけで描かれた「抽象絵画」のシリーズである。
よく見れば黒一色でなく画面を縦横格子のように分割して紺系統の色を、ある規則に従って数種類も塗り込められていて微妙なトーンを生み出す細かい作業が行われているが、
写真では再現できず、実際の作品を目の前にしても細かいところまでは読み取ることができない。
絵筆の動きも感じ取れず、奥行きも広がりも感じられない。
静止した世界。
作品の奥にまで入り込む事ができないところに、ラインハートのオリジナリティがある。
※トピ立てはご自由にどうぞ。
オススメゲーム
メンバーの参加コミュニティ
人気コミュニティランキング
困ったときには