徳富蘇峰(1863-1957)。ジャーナリスト、評論家、歴史家。雑誌『国民之友』、後に『国民新聞』を発刊。主著は『近世日本国民史』。
当初は平民主義の立場で論陣を張っていたが、日清戦争後の三国干渉に衝撃を受けて国家主義に転じる。太平洋戦争では天皇中心の国家主義的言説によって世論をリードしたが、そのために敗戦後は公職から追放された。
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吾人は必ずしも歐米人の偏見に對して、敵意を表するを欲せず。されど彼らの餘りに偏屈なる人種的、宗教的執着心に對しては、彼らの他の部分に於ける發達、教養と比例して、一種の反照を與ふるを無視する能はず。而して斯る偏見を以て、之を我が國民に嘗て篏むるを見て、痛くもなき腹を探らるる感なき能はず。若し文明共通、四海兄弟の人道主義を我が國民の行爲に頼りて、彼らに實物教育を與ふるを得ずは、吾人か活動も、亦た世界の進歩に向て、多少の貢獻なしと謂ふ可らざる也。是亦た我が日本國民の抱負の一端也。(徳富蘇峰「我が國民の抱負」)
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困ったときには