ナラティヴ・セラピーの情報や事例を共有したり、
ナラティヴ・セラピーについて議論を展開していったりするコミュニティです。
ナラティヴ・セラピー勉強会も開催していますので、
そのご案内もさせて頂きます。
【ナラティヴ・セラピーとは?】
ナラティブ・セラピーは、
実際には偶然の積み重ねかもしれない物事を、
時間軸・空間軸に沿って配列し語る傾向を、
人が持っていることを前提とします。
この配列の仕方を変えることで、
出来事の語り方、そして、その出来事になかにいた自分自身についての
語り方を変容させていきます。
過去の自分についての語り方の変容が、
それを語っている現在の自分自身の語り方の変容も引き起こします。
そうすることによって、セラピー効果をもたらすものです。
1. ナラティブセラピーの理論背景
・社会構成主義
バーガー&ルックマン『現実の社会的構成』を源流としています。
基本的主張は、
「現実は社会的に構成される」というものです。
わたしたちが生きている現実というのは、
私たちのお互いの交流を通じて構成されると考えます。
わたしたちの思い、他者との交流の外に客観的現実が存在するのではなく
わたしたちの相互交流という共同作業によって、
現実が立ち現れてくるという考え方です。
2.社会構成主義に基づく心理療法
この社会構成主義に基づく心理療法のひとつに、
「ナラティヴ・セラピー」というものがあります。
そのなかで有名なものとして以下の3つがあります。
・ホワイト&エプストン
→ナラティブ・モデル
人は物語的な存在であるという前提から出発します。
つまり、社会構成主義のところで述べたように、
自己というものが客観的に存在するのではなく、
他者や自己との語りのなかで立ち現れてくると考えるのです。
この前提から出発したうえで、
人を苦しめ支配している語り方(ドミナント・ストーリー)から、
別の生きやすい語り方(オルタナティヴ・ストーリー)に変容させていくのが、
ナラティヴ・モデルです。
・グーリシャン&アンダーソン
→コラボレイティヴ・モデル
前提はホワイト&エプストンと同じです。
ただし、関わり方が異なります。
グーリシャンらは、
「無知の姿勢」というものを提唱します。
人が相手のことをもっと知りたい、私は相手の事に関してまだまだ知らないことがたくさんあるという立場から、関わり続けることを指します。
この関わり方では、相手に教えてもらうという立場で、
相手が自由に語れるような場を創ることが重要であるとします。