トヨダヒトシ
1963年ニューヨーク生まれ。東京で育つ。1993年以来、ニューヨークを拠点にし、ブロードウェイ沿いの駐車場やチャイナタウンの公園、教会、劇場といったパブリックスペースにおいて映写機を自ら操作して上映するライヴ・スライドショーという形式での長・短編の映像日記作品を発表し始める。2000年より日本でも東京都現代美術館、世田谷美術館、横須賀美術館、タカ・イシイギャラリー、photographers’ galleryなどでの上映のほかに、山奥の廃校になった小学校の校庭、あるいは米国各地の映画祭などにおいても一貫してライヴ形式による作品上映を続けている。
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作品
「黒い月」 (2010/80mins./35mm film/silent)
初夏の日本/孤独感、疎外感による事件が矢継ぎばやに起った時期だった/7月の川/いつもの道/争いに勝った者の意見が正しいのか/鎌倉/「私にはなにもない」、と/花/午後/丘の上は思ったよりも風が強かった/いくつもの野/どんな風景も完結はせず、ただ光があり、時間があった。闇があった。/暮らし/夜 /約束/秋
「白い月」(2010年 / 60 mins. / 35 mm film / silent)
ある4月の朝/この町に住みはじめて何年になるのだろう/台所の窓/エリー湖/
寄せては返すもの/波のない日は底に沈んでいるものが見えた/友人との食卓/
蚊柱/きのう、イラクの町で62人が亡くなった/なんでもない会話/いつも
そこにいた/無差別の死/北の寺へ/寄せては返すもの/静かな光/冬へ
「Spoonfulriver」 (2006-2007年/80分/サイレント)
005年春先の、ニューヨークの平凡な道から始まる/このありふれた日/いくつかの旅をした/出雲崎/コペンハーゲン/グラーツ/残された言葉/今も/一枚の写真に出会うこと/去っていく音/ひと匙の河
" NA.ZUNA" (2003-4/55分、65分/サイレント)
[ part 1 ]
9.11.01 / うろたえたNY / 11年振りの秋の東京へ / なつかしい道を何度も歩いた /
日本にもいるというアーミッシュの村を訪ねた / アフガニスタンへの空爆は続く /山奥の雪の閉ざされた寺へ/ 旅という名の野良犬 / 音もなく降る雪は、音のなさゆえ何かに似ていた /
[ part 2 ]
やがて来た春/眠るカタツムリ/言い訳もせず散ってゆく花 / 長くなる滞在/ 何でもない日常を見続ける / 二つの別れ /撮ったことと同じくらい、撮らなかったこと、撮れなかったことも大切に思う /見続けること / 今も / 戻れない時間 / 色 / この小さくてよく見えない星の上での出来事。
"The Wind's Path"( 2001 / 45分 / サイレント)
インド、バングラデッシュなどへの旅を終え八ヶ月ぶりに戻ってきた街、ニューヨーク。待っていた「見えなさ」。眺め続けた裏庭の眺め。降り続く雨に、ただ打たれている花、虫たち。初めに言葉があった・・のか。いくつかの小さな旅をした。日々は続いていく。陽のあたるところの美しさ、陽のあたらないところの美しさ
1211(2000/サイレント/45mins.)
前作で語られなかったある冬の終わりから夏へと向かう日々を3台のプロジェクターと2面のスクリーンで見せていく。花の静かさに救われていた。「忘れてもいい」と言った雨。「忘れてしまえ」と言った雨。
「An Elephant’s Tail ーゾウノシッポ」(1999 / 40 mins. / 35 mm film / silent)
1992年、ニューヨーク/窓からの眺め/冬から冬へ/エンパイア・ ステイト・ビル最上階で働いていた/迷い込んできた猫との生活/自分はここで一体何をしているのか/明け方の町/日常の力を教えてくれたガール・フレンド/川面の光/失ったものも/ブルックリン北端の町/風
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