日本共産党はその創立以来日本の政治にとって大きな存在であり続けました。このような政党は十分に学問的研究の対象になり得ます。ところが日本共産党は、『日本共産党五〇年問題資料文献集』を発行しましたが、その他は『日本共産党の40年』『日本共産党の45年』『日本共産党の五〇年』『日本共産党の五十年 -- 増補版 --』『日本共産党の六十年』『日本共産党の六十年 党史年表』『日本共産党の六十五年』『日本共産党の七十年 上』『日本共産党の七十年 下』『日本共産党の七十年 党史年表』『日本共産党の八十年』とその時々の党指導部の公式見解を公表するだけで、党内外の研究者や活動家に党史資料を公表してきませんでした。
言うまでもなく、日本共産党の党史には大きな謎があります。いわゆる「五〇年問題」、1964年の4.17ゼネスト問題、1972年の新日和見主義事件、1978年の袴田里見除名、1982年の「上田・不破自己批判」、1978年以来の「ネオ・マル粛清」などです。これらは政治史・社会運動史にとってきわめて重要なものです。従って日本共産党は、これらの事件の資料を党内外の研究者や活動家に公表すべきです。