ロバート・フランク(Robert Frank):1923年スイスのチューリヒに生まれる。 1947年にアメリカに移民、アレクサンダー・ブロドビッチに雇われ「ハーパース・バザー」誌で主に商品の写真を撮影している。 1953年以降は、ファッション写真をやめフリーのフォトジャーナリスト として「ライフ」、「フォーチュン」、「ニューヨークタイムズ」などに写真を提供する。1955年から1956年にかけて外国人としては初めてグッゲンハイム財団の奨学金を得て、アメリカ各地を旅行し、市民の現実の生活を撮影し、その作品が伝説の写真集「アメリカ人」として刊行される。(「The Americans」は1998年に再出版)
スイスからの移民者の目で、ありのままの現実のアメリカを撮影した一連のイメージはアメリカ人が抱いていた国のイメージとかけ離れていた。このため、 発表時は「反アメリカ的」と酷評された。 Amazon.co.jp ウィジェット 当時は、社会や人間の現実の描写を重要視するフォト・ジャーナリスト的写真が主流で、 その中で個人の主観的な視点で表現したフランクの写真は画期的で、その後の写真家に大きな影響を与えることとなった。
1980年代頃からポラロイド写真の作品も手掛ける。コム・デ・ギャルソンの雑誌「SIX」、 ロメオ・ジリなども手掛けている。 1990年にワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アートに全てのネガを寄贈、1994年には同館で回顧展が開催されている。