- 詳細 2022年10月12日 15:26更新
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いま地球上には、約6億台のクルマがあふれています。それによる石油の使用量は莫大であり、それから排出される排気ガスには、一酸化炭素・炭化水素・チッソ酸化物など、多くの有害な物質が含まれています。またクルマによる事故で、日本だけでも年間87万人の人が負傷し、約1万5千人（厚生省統計）もの人が亡くなっています。
その他、クルマは騒音公害や振動公害などを生みだし、人びとが快適に生活することすらままならなくなっています。マイカーの普及によって公共交通は衰退し、農村部の過疎化と老人の孤独化に拍車がかかっていることも深刻な問題です。クルマがなければ生活できない農村部では一人一台のクルマという常識ではとても考えられない浪費が行われています。
また日本では、クルマ優先で道路整備がなされているため、歩道すらない危険な道路が非常に多く、「日本で一月生活すると気が狂う」（経済学者Paul Samuelsonの発言、宇沢弘文『自動車の社会的費用』に引用）とまで言われています。
「現代資本主義の発展様式とは、労働と生産現場における一切のムダの排除であり、消費＝生活現場におけるムダの制度化である」（いいだもも）といわれます。その消費＝生活現場におけるムダの制度化の中心が無駄な道路建設を含めたクルマ社会です。また一方で軍需生産も、現代資本主義を延命させるための莫大な浪費です。軍需生産物は、一般の市場に投入されず浪費されるため、労働者階級の生活水準上昇を防止し、その戦闘性を抑止することによって資本主義の延命に貢献してきました。
国連環境プログラムがまとめた報告書は、「先進工業国の資源消費を90%減らすことを目標にすべき」と提言しています。10%減ではなく、90%減らさないと、人類文明の存続が危うくなるというのです。
クルマと軍需生産という浪費を続けていかなければ存続できない資本主義のシステムは根本的に間違っています。自然と調和し、その恵みを分かち合う社会主義的な社会・経済システムへの転換を抜きに、地球環境の保護も人類の未来もありえません。
私たちは可能な限り自動車免許を持たず、公共交通を利用します。また政府に対して無料の公共交通の維持・復活とモーダルシフトを推進することを求めます。特に、トラック輸送（労働者がクルマ1台ごとに分断されているため、労働者の団結が困難）から、貨物鉄道やコンテナ船（労働者の団結を容易にする）への移行を要求します。
個人の生活の観点からみれば、自動車免許取得には大金がかかるのみならず、クルマの維持費もばかになりません。また、自動車免許を取得すると顔写真という重要な個人情報が警察に登録されてしまいます。一方で、クルマを持たなければ、生涯で家一軒建つくらいの貯金ができます。
また、公共交通の十分でない地域には、無料のバス・タクシーを国の責任で配置すべきです。特に都会ではタクシー業者・個人タクシーが過当競争に悲鳴を上げており、多すぎるタクシーを公共交通の十分でない地域に配置すれば、都会のタクシーは過当競争から解放され、公共交通の十分でない地域ではクルマの必要性から解放されるでしょう。また、公共交通の十分でない地域の住民を、無料で都市に集団移住させることも検討されるべきでしょう。
自動車に乗らなければ、渋滞でイライライすることもなく、駐車場探しの心配もなし。もちろん、交通事故の加害者になる恐れもなく、神経をすり減らす運転のストレスなどとも無縁です。
みなさん、無駄の制度化たるクルマ社会に断固たる拒否を突きつけ、トヨタなどの巨大ムダ企業と闘いましょう。自動車免許取得に厳格な審査を！無料の公共交通を！モーダルシフトの推進を！クルマ企業の無償国有化・没収を！軍需生産の廃絶を！
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