ベルトランをごらん、そこには全てがある
...ステファヌ・マラルメ
ベルトラン(Bertrand, Aloysius)
[生] 1807.4.20. イタリア,チェバ
[没] 1841.4.29. パリ
フランスの詩人。本名Louis Jacques Napoleon Bertrand。
ディジョンに住んで地方新聞を主宰していたが、パリに出て、中世のディジョンを夢幻的に描いた散文詩『夜のガスパール』Gaspard de nuitを書いた。
作者の死後サント=ブーブによって出版(1842)されたこの作品は、フランスで最初の散文詩の試みで、絵画的喚起力に富む韻律的な散文により、ボードレール、マラルメらの高い評価を受け、さらに20世紀のシュルレアリストによる再評価を経て、今日ではロマン主義を越える傑作とみなされている。
生前は貧困と病に苦しみ、孤独のうちに結核で死亡。
『夜のガスパール』(Gaspard de nuit, fantaisies a la maniere de Rembrandt et de Callot)
フランスの詩人アロイジウス・ベルトラン唯一の詩集。1842年刊。
副題「レンブラントおよびカロ風幻想詩」。散文詩52編と「断章」13を収める。
主として中世に題材を求めたロマン派的趣味を、特異な文体と絵画的イメージで描く。
ボードレールによって認められ、今日では散文詩のジャンルを創始したものとして、また象徴派からシュルレアリズムにいたる近代詩の先駆をなすものとして評価が高い。
困ったときには