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『T.I.E.』

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詳細 2017年7月28日 12:22更新

 T.I.E.は「Theatre in Education」の略で、1960年代以降にイギリスで始まった、もっと教育の中に演劇を取り入れていこうという考え方です。
日本では「教育の中の演劇」または「観客参加型演劇」と訳され、表現教育の一つとしてというより、国際教育など社会的な問題を扱う時に手法として用いる演劇です。
演劇は、見ている人にも演じている人にも疑似体験を誘うものなので、演劇という手法を取り入れれば、その問題について実感や感情を伴った、より深く自分自身の問題として考えられるということで始まりました。
つまり、環境教育とか人権問題、平和問題や開発教育などの諸問題は、ただ単にイスに座って先生の講義を聞くより実際に疑似体験したほうが、複雑な現状がイメージでき、当事者の気持ちも解るだろうということです。いくら質疑応答があっても講義を聴くだけでは基本的に一方通行で、知識は増えても、その問題について自分とは関係ない遠い世界の話のようにしか受け取れません。そこを解決するのがT.I.E.です。
 
 また上記の様な各問題は様々な事情や政治や立場が複雑に絡み合って論議を呼びながら存在しているのに、講義の内容によっては、ともするとその問題に関しての全体像ではなく一部の情報の伝達にとどまり、ある特定の方向に参加者を導いてしまう恐れもあります。しかし演劇的手法を使えば、必ずいろいろな立場の人を登場させて異なる立場や多様な意見の紹介によって対立点を明らかにしていくことができます。
 そして参加者が実際に当事者の立場に置かれるので、その問題をより身近に感じられ、その中で自ら解決策を考えていく機会を提供できるのです。


≪フォーラム・シアターやロール・プレイとの違い≫
 上記の様な諸問題を教育の現場で扱う時には、そもそもロール・プレイを使ったディスカッションやフォーラム・シアターなど、参加型、体験型学習という方法が取り入れられてきました。T.I.E.もその方法のひとつですが、従来のロール・プレイよりもっと踏み込んだ手法です。
従来のロール・プレイでは、参加者たちが、ある立場の人の意見を読み上げたり演じたりしますが、特に日本人の場合は恥ずかしさも手伝ってかロール(役)へのなりきり方が不十分で、各意見の紹介にはなりますが感情を伴った切実なディスカッションにはなかなか到達できません。
 またフォーラム・シアターでは、1回目の上演後に行われたディスカッションを基に2回目の上演中に参加者がアクターに代わって問題の解決策を即興で演じますが、同様に特に日本人の場合は、突然大勢の参加者の前で演じるにはとても勇気が要ります。人前で演じるということに抵抗感を覚え、参加をためらうこともあるでしょう。

 一方T.I.E.ではロールになりきったアクター達が登場して様々な立場や思惑から意見を言い合いながら(時には怒鳴ったり泣き叫んだりしながら)参加者にも「問題の当事者」というロールを与えて巻き込んでいくことによって、冷静な分析や知識からくる自分の意見だけでなく、感情もともないながらその問題について深く考えていくことを参加者に促すことができます。
 しかし同時に参加者がそのロールになって発言するのは、多くの場合少人数グループの中に於いてであり、演じるというより、与えられたフィクションの場で自分がどう思うか、考えるかを話します。つまり、照れや緊張を感じることなしに、当事者としてその問題を深く考えていくことができるのがT.I.E.という手法です。

 
もちろんフォーラム・シアターやロール・プレイにもそれぞれ良さがありますが、ここではT.I.E.という手法に関して、色々な情報交換をしながら考えていきたいと思います。

これまで、そうした手法をやった事のある方、巻き込まれた方、興味のある方…是非参加してみてください。


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開設日
2005年10月4日

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カテゴリ
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