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マルセロ・ビエルサ

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詳細 2021年5月19日 22:21更新

【マルセロ・ビエルサ】

[>悲劇の名監督、マルセロ・ビエルサを擁護する
 2002W杯、アルゼンチンはグループリーグで敗退した。フランスと並んで優勝候補と目されるほどの戦力を有していたにもかかわらず、十分にそれを発揮させることが出来なかったとして、敗戦の矛先は監督のビエルサに集中した。
 確かに結果を残せない場合の監督批判は、正当なものだ。だが、ビエルサのアルゼンチン代表は、結果のみを見て内容を全く検討しない形で終わらせてしまうには、あまりにも惜しいチームだ。
 そこで、今大会の失敗で不当に評価されることになってしまったビエルサに焦点を当てる形でアルゼンチン代表を検証していきたい。

[>ビエルサとアヤックススタイル

 ビエルサは、一言でいうと『サッカーおたく』だ。少年時代から自分でプレーするよりも、一歩引いた視点でサッカーを見ることに興味を持ち、趣味はサッカーのビデオを見ることという見事なおたくっぷりだ。このような部分からも窺えるように、組織サッカーを追求してきた人物で、具体的なスタイルとしては、アヤックス伝統の両ウイングを置いた3−4−3の攻撃的なシステムに強い影響を受けている。

 サッカーの究極目標の1つに「相手にボールを渡さないで攻撃する」というものがある。相手にボールを渡さなければ攻撃されることはない、100%安全といえる。このようなスタイルを『ポゼッションフットボール』というが、アヤックスが目指していたスタイルは、正にこの究極のサッカースタイルだ。
 アヤックスでは、ミケルス監督のもと『ボールポゼッション』を最大限に高める努力がなされてきた。伝統の3−4−3というフォーメーションは、ボールを持ったときに多角的にパスコースが出来ることによって、ボールを取られる確率を下げるために意図されたものだ。しかし、このスタイルには【スペースの不足】【単調なリズム】という2つの大きな欠点がある。
 ビエルサの評価に値するところは、アヤックススタイルの模倣に留まらず、その改善まで試みている点にある。次に、その改善点を検討していく。

[>アヤックススタイルからの改善点1

【スペースの不足】
 「3−4−3フォーメーションは、多角的なパスコースが出来るように意図されている」ということを書いたが、逆にいうと「スペースが埋まっている」ということでもある。特に遅攻時は、前線のスペース不足により攻撃の硬直化に悩まされることになる。
 アルゼンチンの試合を見ると、以下の2つの約束事を徹底させることにより改善されている。

・『攻め直し』に関するチームとしての約束事
・『前線のスペース使用』に関する約束事

 それぞれ説明すると、大体以下のようなこととなる。

 『攻め直し』
 攻撃が行き詰まった時、ボランチに戻すなど意識レヴェルがまず高い、またベロンがボランチの位置まで引いてトップ下のスペースを空け、3人のFWに楔を受けるスペースを作るなど、チームとして約束事がきちんと出来ていることなどから、攻撃に行き詰まったら戻し、そこからまた組み立てるという形がしっかり出来、高いボールポゼッションを可能にしている。

 『前線のスペース使用』
 守備時にオルテガが引いて、サネッティが中央ボランチの位置に入る(一時的に3−4−1−2になる)など状況に応じて流動的なフォーメーションを取ることと「前線のスペースは、CFWとボールサイドと逆側のFWが使う」という約束事が出来ていることから(あくまでこのフォーメーションのわりにはだが)スペースの目詰まりが軽減されている。

[>アヤックススタイルからの改善点2

【単調なリズム】
 スペースが埋まっていて、足元のパスが多くなるということは、パスコースも読まれやすくなる。そんな中で要求されることは、「パススピードの速さ」だ。オランダ代表を見てもそのパス回しのスピードは、目を見張るものがある。しかし、速くする以外選択肢がない状況で行っていることなので、逆にリズムが一定になってしまうという欠点がある。また、どんなに速いパス回しでも相手がそれに慣れてしまえばリズムが一定の分だけ防ぐことは難しくない。

 ビエルサは、オルテガを使ってこの問題の解決を図った。

 「リズムを変える」とは具体的には、1人1人がボールを持ちすぎる状況では、「ワンタッチで出す」、逆の場合は、「キープする」ということである。この場合、アルゼンチンはワンタッチでシンプルにパスを回すチームに該当するので、「キープする」ことが「リズムを変える」ことに当てはまる。

 ここで、「キープによるリズムチェンジ」を考える前に「ボールキープ」について特殊な定義をする。通常、「ボールキープ」とは「ボールを保持すること全般」を指すのだが、ここでは便宜上「ボールを保持したまま、相手を抜こうとする行為」である「ドリブル」以外、つまり「ボールを保持したままで、相手を抜こうしない行為」を指すことにする。ただし、ここで言う「ボールキープ」と「ドリブル」は「時間を稼ぐ」「リズムを変える」という働きを持っていることは同じである。

 話は戻るが、ビエルサはオルテガに「ドリブル」による「リズムチェンジ」という役目を期待した。中田やジダンが行うような「ボールキープ」も「リズムチェンジ」「時間を稼ぐ」という役割は期待出来るが、「ドリブル」はそれだけでなく、攻撃のスイッチャ−として、各選手の動き出しのシンクロが容易になるため、選手間の動きに連動性がある『動きのある攻撃』が可能になる。(これは、同時に先ほどの『前線のスペース不足』の解決にも繋がる)

[>ビエルサの失敗

 ビエルサは、「オルテガ」という「個」を組織戦術に組み入れたわけだが、「ドリブルなどの個人技を如何に組織戦術に組み入れるか」という今後のサッカー戦術の最重要課題に1つの答えを示したといえる。このような「ドリブル」などの個人技の組織戦術への活用は、レアルでのフィーゴの働きなどにも見られるように、決してビエルサの専売特許というわけではない。しかし、オルテガとフィーゴでは、決定的に違う部分がある。フィーゴは状況に応じてプレーを変えられるが、オルテガはプレーがドリブルに偏り過ぎるというようなプレーの選択に関する状況判断だ。極端な話、フィーゴはどのような監督のもとでプレーしても戦術面では特に問題ないが、オルテガはそうはいかない。全く戦術的に機能しないような状況も頻繁に起こり得る。

 このような特殊な選手であるオルテガを組織戦術の中で機能させることは、ビエルサの監督としての能力をあらわしているとも言えるが、たびたび見られるオルテガに対するこだわりは、使いづらい選手であるオルテガを見事「調理した」という自分の監督としての力量をあらわすシンボルとしてのものかもしれない。

 このオルテガに対するこだわりが、今大会で勝負を分けた。初戦はともかく、ヨーロッパチーム相手に戦った2戦は、オルテガは南米予選のように有効に機能しなかった。「オルテガを外す」という選択肢もあったはずだが、ビエルサは最後までオルテガにこだわり続けた。
 例えば、イングランド戦、イングランドのCBコンビに空中戦を完全に制され、オルテガはアシューリー・コールに完全に押さえられた。後半、状況判断に優れるアイマールを入れて、ショートパスで崩しにかかる判断自体はさすがだが、交代はベロンではなくオルテガが正解だったのではなかっただろうか。アイマールのショートパスというオプションが入っても、ベロンのロングフィードを捨ててしまえばプラスマイナスゼロだ。結局、後半も単調な攻撃に終始してしまった。
 私は、ビエルサのオルテガに対する論理的でないこだわりが綿密に組み立てられた歯車を少しずつずらしてしまったような気がしてならない。

(浅野賀一)

[>だそうです♪♪
 一度は日本に来て欲しいですね…。

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