画業だけで言えばルネサンスの三大巨匠をも凌ぐ、盛期ルネサンス期に最も活躍したヴェネツィア派の巨匠。
画歴は9歳にしてヴェネツィアのモザイク画家であったセバスティアーノ・ツッカートに弟子入りしたことから始まり、ジェンティーレの工房を経て、同画派の確立者ジョヴァンニ・ベッリーニの工房にて画業を学んだ。
そこで兄弟子であった(ヴェネツィア派の巨匠で盛期ルネサンス様式の創始者)ジョルジョーネと出会い、多大な影響を受け、ジョルジョーネの死後、ティツィアーノは自らの手で彼の未完作品を完成させている。1516年からヴェネツィア共和国の公認画家となり、フラーリ聖堂の祭壇画『聖母被昇天』を手がけるなど、画家として順調な業績を重ねていった。
また、この頃からフェラーラ、マントヴァ、ウルビーノなどの宮廷とも関係を築き、1530年以降は神聖ローマ帝国皇帝のカール5世から愛願を受け1548年、1550年と二度に渡りアウクスブルクに滞在し、カール5世の息子フェリペ2世からも絶大な信頼を得て、終生のパトロンを獲得するに至った。
その他にも教皇パウルス3世や、名門貴族であったファルネーゼ家からの依頼を受けるなど、88年というルネサンスに活躍した画家の中でも最も長い生涯を送ったティツィアーノの画業は、ヴェネツィア派最大の巨匠の名を残すに相応しい、華々しいものであった。
また、ティツィアーノの作風は生涯にわたり変化し続け、ヴェネツィア派最大の特徴である色彩の魅力を存分に発揮し、その鮮やかに彩色された色彩は≪色彩の錬金術 ≫とまで呼ばれることとなった。
ティツィアーノが手がけた作品は、真作数で約300点、工房作品も含めると500点を超える数を残している。
とんでもない巨匠のくせに、いまいち知名度が低いTiziano Vecellioが好きな方、お気軽にどうぞ。
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