イスラム金融とはリバー(利子)を得ることを禁じた聖典コーランの教えに基づく金融手法。
イスラム銀行は、その教え(シャリーア:イスラム法)に 基づいて、利子を取らない、または請求しない金融商品を提供する銀行です。
しかし利子を否定すると銀行は成り立たない。そこで利子を取らずに資金を融通する試行錯誤が20世紀半ばから検討されてきました。
そこで銀行は借り手と共同事業を行い、成功すれば利益を折半し元金に上乗せして回収する。
あるいは銀行が資材を買ってリースし手数料を取る。方法は様々だが銀行も事業リスクをとり、失敗すれば損失を被る。貸手も責任を負うのが特徴です。
取引先にも厳格な規定があります。酒、賭博、ブタ肉など戒律に触れる資金提供はしない。利益の過半が金利収入という企業もダメ。つまりサラ金やマネーゲームにはカネを提供しない。 などがあります。
要するに「融資と利子はいけません。投資と利潤(もうけ)はいいです。」という発想に立っています。
リバーとはアラビア語で「自己増殖する」という意味の言葉から派生しました。持っているだけで、何もしなくても儲けるのはおかしいいう発想です。
では投資はいいのか。融資と投資の違いは次の話でわかります。
シェイクスピアの『ベニスの商人』では、商船に投資した富豪(アントーニオ)が、船が沈没したため一夜にして巨額の債務者に転落します。これが投資です。
そして、そのアントーニオに融資をした高利貸しのシャイロックが「担保」として「お前の肉1ポンドをよこせ」と要求します。
これは、投資と融資のギャップをめぐる話です。投資の方にはリスクがあり、儲かるかも知れませんが(つまり配当です)、大損するかもしれません。対して融資は、かならず見返りがあります(これが利子です)。
預金者や投資者には配当の形で分配。融資や個人ローンでは顧客が購入したい商品・設備などを銀行・金融機関が購入し、商業取引として購入価格に利子に相当する額を加えて顧客に販売する形式をとります。いわば投資信託、リース、割賦販売におきかえることで利子のない金融取引を行っています。
つまり、極端に言うとモノで貸します。 モノだから、ただ置いておいても自己増殖して増えたりしない。
きちんとモノを使って労働して、それで利益が出るわけです。
イスラム銀行や投資会社は巨額のオイルマネーをかかえ、イスラム圏のみならず世界中に広まっています。
無利子を標榜している銀行や投資会社は全世界40カ国余で200以上あり、イスラム金融の市場規模は2500億ドル(約27兆円/英HSBC推定)、伸び率は年15%に達しています。
日本でも三菱東京UFJ銀行がマレーシア投資銀行最大手のCIMBと業務提携し、一般の投資銀行業務に加えてイスラム債の発行などのイスラム金融業務に進出するというものもあります。(日経新聞朝刊 金融面 2006年10月4日付)これから拡大するのは時間の問題でしょう。
ちなみに日本のベンチャーキャピタルはインキュベートを謳っていますが、2つの点で違います。
・元本保証なり投資した株の買取条項を出資契約書に入れていること
・経営のノウハウがないため、小手先の経営管理でのチェックしかサポートできないこと。
2番目だからこそ1番目の条項が重要なのでしょうが。。
また、利子収入ではないですがデイトレーダーはどういう扱いになるのか、気になるところですね。
とにかくみなさんで勉強いたしましょう!
(情報交換にご利用ください)
具体的に「イスラム金融って何?」っていう質問に関しては
http://
講演会の内容が分かりやすいです。
------------------------------------------
代表的なスキーム
★信用金融(ムダラバ) Mudaraba
★出資金融(ムシャラカ) Musyaraka
★商品売買契約(ムラバハ) Murabaha
★リース(イジャーラ) Ijara
----------------------------------------------
なお既に今から25年前の1984年6月19日 NHK教育にて「NHK教養セミナーアジアの目・世界の目「無利子銀行スタート」−イスラム化すすむイラン−」にてイスラム金融については報道されています。
「イランは84年3月無利子銀行をスタートさせた。この銀行の仕組みと、この措置に対する国内の反応などを通してイスラム社会建設をめざすイランの現状をさぐる。」
アーカイブ資料として参考まで。
http://
■自己紹介トピ
http://
■雑誌掲載記事紹介
http://
日本での採用事例集
■http://