マヤ先住民の伝承コミュのマヤ・カレンダーについて

現在私達が使っているカレンダーは、16世紀のローマ法王が制定した「グレゴリオ暦」です。世界中の人の日常生活にすっかり溶け込んでいます｡しかし、この暦では「今日はキリストが誕生して何年目にあたり、何月何日である」ということしか知ることはできません。一方、何千年も前からマヤ先住民に伝わってきた17種類の伝統的なマヤ・カレンダーは、各々が太陽、月、星などの天体や宇宙、自然のサイクルに同調しています｡

このカレンダーを深く理解することで、大いなる宇宙のサイクルや自然界と、自身の肉体や精神との深い関係をより認識するようになります。そして、それらと調和し協調する生き方を思い出すきっかけになります。マヤ・カレンダーは、過去から未来へ直線的に数字が並んでいる平面の紙ではありません。個人的な暦でもありません。先祖代々丁寧に語り継がれてきた敬意をもって学ぶべき先祖の教えです。どれくらい長い時間を、どれくらい多くの人が関わってきたのかは、私達の想像を遥かに超えるのです。

二次元のカレンダーに、ありとあらゆる幾何学や数学が集約され表現されています。そしてそこから、三次元や多次元へ意識をを引き出すことが可能な古代の知恵、宇宙の知識です。終わりもなければ始まりもない「継続した無限∞の動き」、つまり、生きている宇宙のサイクルそのものなのです。

マヤ・カレンダーを語る上でも、まずはマヤの歴史に触れなければなりません。16世紀、マヤを植民地にしたスペイン人によってマヤの文化は壊滅状態におちいりました。中でも、聖地を破壊し、その上にキリスト教会を建てさせた、キリスト教司祭ディエゴ・デ・ランダ（左画像）を知る方もいらっしゃるでしょう。

彼はマヤの古文書を全て焼き払い、広い範囲で徹底的な破壊を指示した人物です。ランダは矛盾した側面を持つ人物でした。マヤ文化を破壊する一方で、魅力的なマヤ文化に次第に興味を抱き、自ら研究を始めます。マヤ人からマヤ語を習いアルファベットに照らし合わせます。そして、彼のキリスト教思想の独自の解釈で調査した資料を作って、本国とバチカンに報告しました。残念ながら、マヤの文化の担い手であった神官は全て殺されていたことと、マヤ人に狂人と思われていたことから、ランダに真実のマヤ文化を語る者はいませんでした。

その後、破壊によって放置され忘れ去られたマヤの聖地は、密林に覆われひっそりと約500年の時が流れます。20世紀になり、エリック・トンプソン（左画像）という西洋人の考古学者が本格的なマヤの研究を始めます。

しかし、マヤ文化に関する資料は、ランダが書いた文献以外なく、また当時のマヤ人達も過去の歴史から、トンプソンに真実を語ることはありませんでした。こうしてトンプソンは、ランダの資料を元に研究するしかありませんでした。そして現代においてもなお、マヤ文明に関する書籍を読むと、どれも西洋考古学者のトンプソンが研究した資料が基盤になっています。歴史を知ると、異文化を理解しない狭量な解釈によってゆがめられ、それが「マヤ文明」として現代にまで伝わってきているということがご理解いただけると思います。

もちろん現代に至っても、植民地の名残のまま制圧されたマヤの先住民達は、身の危険を感じて「私は何も知りません」と多くを語ろうとはしません。しかし、真実のマヤ文化や先住民の教えは、少数の家系に何世代にも渡って口承で守られてきていたのです。マヤ先住民のリーダー、長老フンバツ・メンは、マヤ・イッツァエ族の口承文化を守った家系に生まれそれを継承しました。彼は、本来ならば門外不出の伝統的な教えを「マヤの知恵が再びおとずれる光の時代に必要とされるであろう」という予言にのっとって、世界中の人々に向けて惜しみなく与えてきました。

「13の月の暦」を発表したホゼ・アグエイアス博士も、長老フンバツ・メンから先住民の情報を得ました。しかし、博士が創作した暦は、前述の考古学者エリック・トンプソンの情報や博士独自の研究材料も複合的に含まれているので、「マヤ・カレンダー」とは全く異なるものと言えます。例として、2012年の終末論説は、トンプソンの解釈による情報です。マヤ先住民の伝承には「終末論」という思想すら存在しないので、これを全面的に否定してきました。

1997年3月、長老フンバツ・メンによってマヤン・カレンダー・チャート（左画像）が世界に向けて発表されました。マヤのカレンダー・サイクルに準じて、260年間使用することが可能です。

私達は、その発表に先駆けて、1996年9月に長老のオフィスに一週間通い続け、教えを受けました。しかし基本的には、このカレンダー・チャートの使い方をみっちりと習っただけでした。なぜなら、現代の思考では、このカレンダーの使い方を知るのが先決だと考えられたのでしょう。「とにかく、シンプルなものです。毎日使ってください。そうすれば、全てを理解できるでしょう。　そして、人類を助けることにもなります」と教えられました。

私達は意味もよく分からずに、素直に使い始めます。そして、毎年少しずつカレンダーのさらなる教えを受け続けてきました。しかし毎回教えてもらう主な内容は、もう十分理解しているチャートの見方でした。こちらの要求は、「もっと、もっと。次を、次を」と先走りますが、常に復習と基本を大切にする先住民や祖先の教えを尊重し、じっくりとゆっくりと、自らの理解のプロセスを大切にしてきました。

使い始めて10年が経ち、マヤ・カレンダーがどのような意図を持つものなのかを理解し始め、その偉大さに驚きを感じながらこのカレンダーに接する日々を送っています。自らを整え、宇宙や自然界との調和とバランスをもった真実の生き方を思い出すことができ、人類を助け、導くことができる大いなる知恵に触れることができ、深く感謝しています。是非、多くの方に、「気づき」という自然なプロセスを楽しみながら、このマヤ・カレンダーに触れていただきたいと、心から願います。一人一人が人生を整えることによって、世界が向かう方向が定まってゆくことでしょう。

このカレンダーは、古代人から現代人への大変貴重な贈り物であり、地球に住む誰もが必要とする、とてつもない叡智が込められているものなのです。

イン・ラケ’ッチ！（私はあなたあなたは私）