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Klaus Schulzeコミュの時の風〜ワーグナーの正統な後継者

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目標は全曲解説ですが、今のペースではいつになることやら(笑)。──というわけで、タイムウインド。

これを最初に聞いたのは、NHK-FMでした。たしか1975年頃だったと思いますが、当時月曜から金曜夜7時15分から45分間、特集番組が組まれていました。毎週テーマを決めて曲を紹介するもので、その時、シンセサイザー音楽特集というのがありました。この時、富田の「月の光」「火の鳥」ときて、シュルツのタイムウインド(バイロイトへの回帰)が紹介されました。聞いた時は、繰り返しが多くてタイクツだなあ、早く盛り上がらないかなあと思っていました。それが突然ゴーシュ〜という感じで終わったのでびっくらこいたものです。レコードを買って聞いた時は、やはりこのラストが怖かったのです。終わりごろになると、さあアレが来るぞ来るぞ来るぞ、キターーーー、という感じ(笑)。何回聞いても心臓に悪く、いまだに警戒心を怠りません。いずれにせよ、初期作品の中で最も完成度が高い、一つの頂点に達したアルバムです。これが、ミハエル(マヌエルだったかな?)・ヘーニヒとのユニットだったというのは後で知ったことです。

なぜ「バイロイトへの回帰」か、ですが、この頃シュルツは「ワーグナーを受け継ぐ者」とか評されていたらしいのです。どこがワーグナーやねん、と思いますが、おそらくは晩年の作品である聖祭典劇「パルジファル」の持つ、宗教的神秘的内面的な精神性を、ドイツ人はシュルツの音楽に見出したのであろうと推察しました。ちなみにワーグナーは、パルジファルの次の作品として「勝利者」と題した仏陀をテーマにすることを構想していたといいます。そう考えると、たしかにシュルツはどこか東洋神秘的です(それが古賀政男ですか←しつこい)。いずれにせよ、この曲はびょうびょうと吹き渡る時の風に乗って、またまたジャケットで示された異界の“バイロイト”へ導かれていくようです。しかし、最後に羽を失った天使のごとく、落下するのは何を意味しているのでしょうか。クラシックの没落?

つづく「幻視1883年」は、ちょっとタイクツです(笑)。ちなみに1883年はワーグナーの没年ですので、一種の偲ぶ歌なのでしょうか。さまざまな風景が同時に立ち上がっているような、幻視的な音風景が見えてきます。ジャケットにはこの曲の手書きの楽譜が記載されていて貴重です。それを見ると、ちゃんと「d-minor(ニ短調)」と記されていて、ちょっとクラシック派です。当時影響されて、自分もこんな書き方で曲を作ろうとしていました(笑)。

ワーグナーを知らなくてもこの曲を楽しめますが、映画「地獄の黙示録」でヘリが迫ってくるシーンに使用され、以降パロディ化もされましたが、その音楽がワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」の「ヴァルキューレ」に出てくるモチーフです。ヴァルキューレとは、ヴァルキリーとは直接関係ありませんが(笑)、三人の水の精の乙女で、楽劇全編通じての主要な人物です。この楽劇は、全四夜に亘って上演されるもので、序夜「ラインの黄金」、第一夜「ヴァルキューレ」第ニ夜「ジークフリート」第三夜「神々の黄昏」という構成。トールキンの「指輪物語」はこれとつながっているのでしょうか。バイロイトというところで、ほぼ隔年で上演されます。その都度演出が違いますが、ある年はまるでスターウォーズでした。もちろん、ルークもレイアもダースベイダーもクローン兵士も登場します(笑)。またある年は、ライン川を泳ぐヴァルキュ−レたちが、ほんとうに水中でしかも全裸で泳いだので、観衆の度肝を抜きました。とんでもない演出をドイツ人はやります。

序夜以外は、上演時間が6時間以上に及びます。演奏者は並みの体力ではないですが、そこはやはりジャガイモとソーセージ&ビールの力です。米パワーの日本人では到底無理です(笑)。…きりがないのでこれくらいにしておきますが、ワーグナー自身は小柄な男性だったといいます(でも精力は強かったらしい)。シュルツがその後継者といって、ジャガイモとビール力で、この曲をリリースした当時の面影もない体型になったのはいかがなものか、ですが(笑)。

コメント(15)

思い出しました。その週は、マイク・オールドフィールドの「オマドーン」、ミヒャエル・ヘーニヒ「四次元の飛翔」がオンエアされてました。初めてバイロイトの回帰を聞いた時、何て長い曲の印象だけ。
や、覚えている方がいたとはウレシイです。オマドーンや四次元もあったのですねー、そのあたりは覚えていないのですが。オマドーンはCDで、四次元は当時アルバム(気球が飛んでいるやつ)買いました。CDも出ているようですが、見つけていません。たしかに当時バイロイトは長い!の一言でしたが、いまでは「Are You Sequenced?」くらいがあたりまえで、「トランスファー」や「ドリーム」は「短すぎる!コストパフォーマンスが悪い!!」と思うようになりました(笑)。
わたしも、今でもアナログ盤オマドーン、四次元の飛翔を持ってます。
シュルツのは、ボディラブまではまだアナログ盤を持っています。MOは、チューブラとインカーネーションをアナログで持っています。でもレコードプレーヤがないのでほったらかし。もう黴が生えているかも(苦笑)。
> えいゆうさん

Timewind の LP は、もしかして国内盤の最初のやつでしょうか。昔にライナーを読んだことがあるのですが、読み返したいですねー。よく覚えていないのですが、なかなか読ませるライナーでした(笑)。確かチューブラーベルズと同じ人です。(一部では有名な方のようですが、名前を思い出せない)
>青い山彦さん

レコードを引っ張り出してきました(笑)。ええと、帯には「完全予約盤」第二期ヴァージン・オリジナル・シリーズ9とあります。といっても普通に店頭で購入しましたが。価格は2000円なので、かなりお買い得だったと思います。

ライナーは複数の人が書いています。鈴木久夫という人が冒頭を飾り、演出家の安井武、演劇評論家の大笹吉雄とあります。鈴木氏の文には、チューブラとフェードラが自分をヴァージン熱中症に陥れたと書いてあります。
>えいゆうさん
「完全予約盤」第二期ヴァージン・オリジナル・シリーズ9とあります。価格は2000円なので、かなりお買い得だったと思います。

私もそれ持ってます。第一期、二期合せて20枚あります。あとミラージュのLP、タンジェリン・ドリームのドイツのオールレーベルからの4枚のLPエロクトロニック・メディテェイション、アルファ・ケンタウリ、ツァイト、アテムを持ってます。今は、聞くことなくなってしまったけど。
LP のタイムウィンドを買った時、このバイロイト・リターンを
聴いて、とても気に入りました。心の中の情景を表してくれるようで。

超高額なシンセ(当時)をふんだんに使用してオルタネートの
(繰り返し)のフレーズが心にしみていきました。
これは、今のテクノハウスにも通ずる心的なフレーズだと思います。

当時の国内版のライナーノーツに、こんなに永い曲はコストパフォーマンスが
悪いとかかれていました。学生だった自分は、こんなバカにライナーを
書かせるなよと本気で怒ったものです。

オジサンになった今では、お酒で酩酊したときにこの曲を聴き
マインド・トリップをしています(笑)
> 6 えいゆうさん

おお、ご報告ありがとうございます。自分が読んだのは確実にそれより古いやつです。Timewind の国内盤のレコード会社は忘れてしまいましたが、チューブラーベルズは日本コロムビアから出ている奴です(笑)。

ライナーの筆者は間章さんだったような。Timewind を形容して危険な音楽と書いていたと記憶しています。確かにその通りではないかと。
間章氏のライナーでしたね。引っ張り出してスキャンしてみました。
ミクシィの画像表示だと読みにくいけど、落として拡大すれば何とかなるかも。

間章は、革新的なジャズ評論で登場したライターだったと思いますが、当時の先鋭的なロックに関しても、積極的に論じていました。音楽評論家ってのが大旨、単なるデータ屋か感想文屋でしかなかったあの時代に(それは今も同じかな?)、本当に色々と考えさせられる良い文章を書く人でしたが、その斬新さ故に、毀誉褒貶も多かったような気もします。惜しくも1978年に、32歳の若さで亡くなりました。
へー、こんなライナーがあったんですね!自分の買ったレコードはいわゆる“再版”ものだったのかな。総じてライナーの文章って独特な世界で、浅学非才の自分ではとても書けないなといつもため息です。

なるほど、危険な音楽…たしかに。でも最も危険でバッドなのがイルリヒトですね(笑)。

コストパフォーマンスですが、ボディラブ以降、ばったりとシュルツのレコードが日本で発売されなくなった(少なくとも当地では)のは、こういう考えが日本の音楽業界のスタンダードになったからでしょうか。シュルツと再会したのは、86年の「バベル」でした。ボディラブからバベルですからねえ(笑)。しかしほんとに十何年ぶりに聞いた時、あいかわらずのヘヴィさ(切れ目なしの70分!)に感心したものでした。以降、空白を埋めるべく、輸入CDを買い漁ったのはいうまでもありません。
> ★ポンさん
おー、ありがとうございます。このライナーです。実は中味はよめていないのですが、今度読めない箇所は想像力で補って呼んでみます。
国内発売に関して、「バベル」の前に、「オーデンティティー」がニューエイジミュージック関連のレーベル・シリーズから1枚ものの編集盤になってでていました。ジャケットとか全然違うお洒落〜な感じに変えられてました。

あと、この頃はコストパフォーマンスに関係なく、プログレ冬の時代だったし、(かろうじてタンジェリン・ドリーム クラスの)メジャーな人以外の国内盤はでてなかったように憶えて居ます。みんなの目も、今の新譜より、過去の発掘に力が入っていた時期じゃなかったかと。

「バベル」は、時代が一回りして”ニューウェイヴ”の嵐も過去のものになり、メディアシフトがひと段落ついて、コンテンツ不足から、何でも出るよ状態の“CDバブル”の時期に時代がああった時期と合致したので国内発売ができたんじゃないかな。

その後は、音楽に各世代ごちゃまぜになって、音楽の同時代性が意味を薄くして、なんでもありの状況が続いていますが。
80年代というのは「軽薄短小」の時代で、シュルツですら、「Transfer」や「DriveINN」のように、ライトミュージックになりましたよね。タンジェリンはいち早くメロウ路線に転換したので、今でもメジャーでいられました。

「バベル」のライナーには、商業主義に媚びないうんぬんと書かれていて納得したものです。

最近のトランスやアンビエントには、シュルツが作った音をサンプリングしたような断片がよく聞かれます。ミレーヌ・ファルメールにもそれが聞かれます。トランスには、時々70年代風なサウンドもあって、それもまあよしかなと(笑)。
どんどん出るシュルツェのリマスター + ボーナストラックでの再発ですが、Timewind の再発を買いました!

実は本編はまだきいていないので、旧盤との音質の差は申し上げられないのですが(笑)、ボーナスが凄いです。ボーナス曲ならぬボーナス CD で Timewind のライブ演奏がまるまる1枚にわたり入っています。

自分はこの再発のライナーを読んで初めて知ったのですが、この作品のレコーディング自体はライブ演奏であり、多重録音を駆使しているわけではないとのこと。改めて当時のシュルツェの天才ぶりに感服です・・・

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