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東海道より中山道コミュの藤村と中山道

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木曽谷を南下し、福島の関所跡や高瀬家に至って、私は藤村の匂いを感じました。
妻籠宿、馬籠峠を経て、馬籠宿に達するに及び、その匂いたるや、
当然ながらさらに濃くなり、新茶屋から、十曲峠、大井宿を経て中津川まで、
それは延々と続きました。
木曽路と島崎藤村は、切っても切れない関係にあります。

その代表作である「夜明け前」を、私は確か、高校時代に読んだような
気がするのですが、思い出せません。
そこで、木曽路を半分通過した頃から、これを読み始めました。

十五章、全四冊に及ぶ大巻であり、これを読み切るのは容易でないと、
読み始めた早々に思いました。
ちょうど、日本橋から歩き始めた時に、果たして京都まで辿り着けるかどうかと、
不安を覚えたのに似ています。

しかし、焦らず読み続けていると、さながら歩き旅が、着実に路程を刻んで行くように、
その既読ページが増えて行きます。
(減るということは、ありませんものね)
一ヶ月以上かかったでしょうか。
とうとう読了に至りました。

おかしなものです。
あれほど行き悩んだくせに、第十四章から、終章に至る頃になると、
さながら目的地が近い旅人のように、急ぎ足になっていました。
つまり、気持が先を求めて、この身を駆り立てるのです。

読み終わって、ついこの間終った木曽路の旅が、ぐーんと豊かになりました。
実際に歩いた道ですから、その距離感から、難儀のほど、そして沿道の風景などが、
手に取るように思い出されます。

大袈裟に言えば、主人公青山半蔵と、一緒に歩いているような、そんな気になるのです。
ああ、もっと早くに読めば良かったなと、思ったことです。
高校時代に読んだと思ったのは、間違いでした。
途中で放り出したくせに、読んだと思い込んでいたのでしょう。
きっと、思いたかったに違いありません。

木曾谷の人々の暮らしを、丹念に丹念に、それこそ落ち葉を一枚ずつ積むように描いて、
そこから、幕末から明治維新に至る、この国の歴史の本質へと迫った、他に類を見ない、
壮大な小説です。
日本の近代文学の、最高傑作と言われるのも当然だと思いました。

中山道を歩かれる皆様も、もしまだでしたら、お読みになることをお勧めします。
但し、かなりの時間と、相当な根気を要するとは思いますが・・・

私の旅の模様は、「馬籠の憂鬱」と題し、下記の紀行文にまとめてあります。

http://www.h4.dion.ne.jp/~patorush/a-513.htm

ご興味のある方は、お読みになって下さい。
その中で、当然ながら青山半蔵、つまり藤村の父のことにも、触れてあります。

尚私は、昨年東海道を歩き、今年は中山道を志し、現在美濃の赤坂にまで達しております。

コメント(1)

はじめまして
中山道 ところどころを 齧ってゐるだけですが 「木曽路は山の中」て 本当に馬篭の石畳みの急な路。
茅野の友人の案内で和田峠辺りもタクシーで 上諏訪〜下諏訪 今井邦子の実家の記念館等を…でもどこも坂道で和田峠から諏訪へ戻るとき トンネルを通し有料道路が出来ていますが 旧道はトラックが荷物を積んでうんうんと 上っているのに出くわしました。
遥かに八ヶ岳や アルプスの姿を見たりして あの場所を歩かれているのだと思いながら 懐かしくて
そんな事を思い出しながら 歩きの中仙道道中記は とても楽しみに読ませていただいております。
宜しくお願い致します。

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