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台湾独立と日台両国安全保障問題コミュの【論説】「中間選民」こそ迷惑

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著者:アンディ チャン

台湾旅行から戻ってきた。台湾で見たのは選挙の気運が民間で少しも盛り上がらないことだった。泛藍派にとっても泛緑派にとっても大事な選挙だというから双方の危機感は強い。しかし双方の打ち出す選挙策略が共に「中間選民」を目指す策略だけで、実際に人民の期待する政策や、国際観を持つ国策は見られない。

嘆かわしいのは双方の候補者が独裁傾向をもち、相手を意識して攻撃を繰り返す割に民衆の意見を無視して双方が選民を騙す策略しかやらないことである。例えば馬英九は蒋系中国人であるのに「台湾優先」を主張する、謝長廷は青緑色のジャケットを着て泛緑でも泛藍でもない「中間路線」を維持する。人民はバカではない、見え透いた選挙対策には乗らないが、狸と狐の化かしあいを見ているように泛緑泛藍の幼稚な対策をみれば嫌気がさす。民衆は馬英九と謝長廷のどちらも信じない、危機感と冷淡さ、つまり選挙に焦る選挙陣営のウソに飽きた民衆がどんどん離れていく。

●「中間選民」は台湾人である

中間選民とは泛緑か泛藍かに投票すると決めていない民衆のことである。2000年と2004年の状況を見ると、泛緑が35%で泛藍も35%、まだどちらにも決めていない民衆は30%である。35%の泛藍のうちわけは15%の蒋系中国人と、残りの20%が台湾人の国民党員である。だから中間選民と呼ぶ民衆はは殆どが台湾人である。国民党教育を受けた若い世代、中国に投資している商売人、馬英九はイケメンで謝長廷はガマグチだと好き嫌いで投票するのもいるし、金で買収される人も居る。

最近の調査結果を見ると謝長廷は支持率40%で馬英九が60%、つまり2000年と2004年の調査とあまり変らない。つまり国民党と民進党の中間路線が期待した効果を上げていないということだ。

中間選民が投票を決める要素とはなにか。これが今回の選挙で国民党と民進党の双方が模索し、策略を打ち出している焦点であるが、国民党も民進党も「本音を言わないこと」が中間選民の得票につながると思っているので、どうしても策略が曖昧になってしまう。蒋系中国人の泛藍陣が「台湾優先」を主張しても白々しい。同じように泛緑が和解共生を主張しても弱腰と罵られるだけで効果は薄い。

●選挙策略の焦点

最も民衆の関心を集める要素とは(1)統一と独立の「統独論争」、(2)台湾人と蒋系中国人の「種族問題」、(3)民生と中国投資の「経済問題」である。この三つの要素で国民党と民進党は違った主張を持っているのにどちらも真実の主張をしない。馬英九と謝長廷の両陣営はアイマイな主張が中間選民の得票につながると思っているらしい。

馬英九は中国人でありながら台湾人を名乗って中国人の台湾統一の目標を隠す。馬英九は台湾と中国は「二つの中国」であると主張して台湾人に取り入ろうとしている。謝長廷は独立意向を隠して「最終的に台湾建国を目指す」の条項を党綱領から削除すれば中間選民の票を得ると言う。私は中間選民は台湾人だから、台湾アイデンティティが得票につながると思うが、謝長廷は逆に台湾人アイデンティティを隠して、馬英九が前向きにしている。

中国人は中国人に投票するし、台湾人は台湾人に投票する、これが当たり前だが、謝長廷は独立を主張すれば得票できないという。

経済問題では双方とも中国投資を重視して、国交がない中国との経済交流を競争している。しかし中国製品が危ないと言われている現状で、世界各国が中国に警戒しているのに対中貿易を宣伝しても民衆は信じない。中国投資が台湾の空洞化を招くことを警戒しているのに中国投資が受けると思うのはおかしい。馬英九が人民は生活に苦しんでいると言えば、謝長廷は石油や物価の値上げに反対と政府に具申する。台湾の経済は中国投資によって悪化しているのが真実である。

●候補者と選民の乖離

最も大きな阻害となっているのが馬英九と謝長廷の人民に対する態度である。あたかも候補者は皇帝で人民には建言する権利がないように「民の声」を抑圧するのだ。批判は許されないし欠陥は改善されない。これで民衆が離反するのは当然の事である。双方の候補者は「中間選民」に留意して本来の支持層を忘れている。支持層は堅く決して離反しないと思うから耳を貸そうとしない。これがいわゆる「含涙投票」と「含涙不投票」の選民だが、両陣営とも批判を抑えるばかりである。

謝長廷は「駕籠に乗った者は駕籠を担ぐ者より偉い、俺が選挙をやるのだから俺の命令を聞け」と発言したが、傲慢もいいところで、こんな皇帝じみた独裁発言は絶対にするものでない。

選挙に負けたら台湾は中国に併呑される。中国が台湾を併呑して「駕籠に乗った殿様」が中間路線を採ったことで台湾人民を永久に地獄に落とした責任を問われる。たとえ負けても「駕籠を担いだ」人民の責任ではない。しかし謝長廷が当選すれば功績は彼ではなく彼に投票した民衆、「駕籠を担いだ人」にあることも忘れてはならない。私がこれを書くのは、万が一謝長廷が負けたら責任を人民のせいにするかもしれないので、今のうちに責任の帰属を明記するのだ。

●経済問題と社会問題について

台湾の経済は確実に良くなっている。社会福祉もアメリカよりはるかによい。人民は安価で効率のよい医療保険を享受しているし、老人は養老金を支給され交通費は半額である。学生や有閑マダムが朝も昼もコーヒーショップで談笑している情景はアメリカでは見られない。若い世代が安易に金や時間を消費できるのは台湾人の生活がアメリカの社会よりはるかに裕福であることの証拠である。

それなのに馬英九は「人民は生活に苦しんでいる(民不聊生)」と言って政府を攻撃し、中国投資の開放を主張する。謝長廷も同じように中国投資を勧める。これは大きな間違いで、台湾の経済が悪化したのは中国投資で空洞化が進んだからである。謝長廷は馬英九のウソに追従すべきではない。

台湾の社会経済は悪化しているのではなく、「格差が拡大している」ことである。格差の拡大は大都市の生活が良くなったのに比べて中国投資の台湾空洞化によって農村生活が悪化していること、政府が蒋系中国人を優遇しすぎ、台湾人との格差が広がっていくことだ。

何ら貢献のなかった退役軍人や定年を迎えた公務員の待遇が毎月支給される金額が、大学卒の平均月給の二倍以上である。蒋系中国人の眷属に対する生活保障費を支給して農民の生活は補助されない。経済問題の根源は蒋系中国人を優遇して台湾人民を無視する政策である。この不均衡を糾すのが民進党の打ち出すべき政策である。

●国家の位置づけについて

台湾の政治は統独問題を素通りにすることは出来ない。国民党は統一を主目的とし、民進党は独立を主目的としている。

ところが国民党は10月末の中央常任委員会で、来年の「中心任務」の文書から「九二共識」を削除すると発表して国民党内部では大混乱が起こった。

「九二共識」とは1992年に国民党と中国が会談を行ったあと、「中華民国と中華人民共和国が将来は統一する事を共通の目的をする」といった共通の認識があったと言う宣言で、台湾政府はこれを否定したが国民党は否定しなかった。

つまり国民党は92年以来台湾と中国の統一を目標としていることを中心任務文書に明記していたのである。それを削除すれば馬英九が統一宣言を取り消したことになるので、党内で拒絶反応が起こったのである。人民は削除してもしなくてもこれが国民党のウソ策略であることはわかっているが、中間路線を採る馬英九は中間選民の統一(併呑)に対する危惧を除こうとする詐術なのだ。

国民党側が統一を明確にしないように、民進党も「台湾国を建国する」条項を謝長廷が党綱領から削除した。民進党は独立を目標とすべきだが、謝長廷は「独立を党綱領に入れれば選挙に負ける」と恫喝したのだった。この条項の削除を巡って開かれた幹部会議で謝長廷は明記したものが悪いと責任を他人のせいにし、独立は選挙の妨げとなると言ったのである。党綱領から削除したのは謝長廷だが、それを他人の責任と言うのは呆れるばかりだ。

このように国民党も民進党も統独問題をアイマイにすれば中間選民の得票につながると思っているらしいが、狐と狸の化かしあい、誰が見てもわかる。選民をバカにしてはいけない。

●台湾名義の国連加盟

選挙のために経済政策も統独問題もアイマイにする国民党と民進党の選挙策略が民間のシラケの原因である。この冷淡さに対し両陣営の上層部は危機感に満ち、解決の道を模索しているのが現状だが、選民と指導者層の乖離が明らかになるだけだ。

そこで民進党は「台湾名義で国連加盟」と言う政策を打ち出し、陳水扁が主体となって国連加盟、台湾アイデンティティ路線を明確にした。国民党はこれに対抗するため、「中華民国の国連復帰」を打ち出しているがこれは始めからダメだとわかっているから民進党の嘲笑を買うだけとなっている。国連加盟を打ち出した陳水扁の策略は中間路線より効果が大きいのは否めないが、台湾名義で国連加盟するのは中華民国を台湾国に変更しない限り不可能である。台湾独立が先で加盟は後であり、台湾が国連に加盟したから独立できると思うのは他力本願、国連こそ迷惑である。

●中間選民こそ迷惑

迷惑と言えば、このような選挙はまったく中間選民をバカにした策略で、これでは人民が選挙に冷淡になるのは当然である。民進党は中間路線などを気にせず、真の国策を打ち出すべきである。真実を人民に告げない政治家がたとえ当選しても人民の信頼を得ることは出来ない。中間路線は愚民政策だが批判は許されない。批判すれば選挙に負けると恫喝する。これでは民衆が離反するだけだ。

政治家は選挙のために政治をやるべきでない。選挙のために目標をあいまいにし、人民を騙す言動をするべきではない。台湾を愛し、身を賭して強く正しい台湾国を創る決心を持つ政治家が出現しなければこの国はいずれ滅亡する。

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