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一般的に人気のあるマリオ・デル・モナコ、フランコ・コレルリ、ディ・ステーファノのような派手さはないけど、柔らかく・強く・ダイヤをちりばめたような輝きのある響きが魅力的です。

モナコらが黄金のテノールと呼ばれるなら、白銀のような存在なのかもしれません。タイトルロールも素晴しいけど、個人的にはプリマの存在を際立たせれるプリモテノールというのが魅力的です。

同種なテノールとして、ニコライ・ゲッダなども上がるけど、ピッチよく安定感という点を見ると、ベルゴンツィには及ばない。【ちなみに管理人の父はニコライ・ゲッダの熱烈的ファンだった。】

伝説の名テノールGiacomo Lauri Volpiも、晩年、コレルリ、ベルゴンツィ、アルフレード・クラウス、マリオ・デル・モナコについて、「素晴しい」と絶賛していたらしい。

コメント(3)

カルロ・ベルゴンツィ/オペラティック・リサイタル
                      レコード番号:英DECCA SXL2048

ヴェルディ:『アイーダ』〜清きアイーダ
ヴェルディ:『ルイーザ・ミラー』〜夜が静まったとき
ヴェルディ:『運命の力』〜おお、天使のようなレオノーラ
ヴェルディ:『トロヴァトーレ』〜いとしの君よ
ヴェルディ:『仮面舞踏会』〜永久に君を失えば
マイアベーア:『アフリカの女』〜おお、パラダイス
ジョルダーノ:『アンドレア・シェニエ』〜5月の晴れた日のように
チレーア:『アドリアナ・ルクヴルール』〜あなたの中に母のやさしさとほほえみを
チレーア:『アドリアナ・ルクヴルール』〜心は疲労し
プッチーニ:『トスカ』〜妙なる調和
プッチーニ:『トスカ』〜星は輝き
プッチーニ:『マノン・レスコー』〜何とすばらしい美人

カルロ・ベルゴンツィ(T)
ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
指揮:ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ
録音:1957年6月、7月、フィレンツェ

このレコードをオークションで見つけた時は、なぜか胸が高鳴った。
見れば、若きベルゴンツィの横顔の向こうに見えるのは、あのプッチーニの名作オペラ「トスカ」の舞台ともなったローマのサンタンジェロ城ではないか。
首尾良くこのレコードを手に入れ、SN比の高い夜に再三にわたって聞いてみた。

「清きアイーダ」でのなんという輝かしいトランペット。そしてオペラハウスに突如として次元移動してしまったかのような空気感。
第一曲からオーディオルームがオペラハウスと化したような物々しさは何ごとだろう。

部屋に響き渡るベルゴンツィの高音も、格調高く果てしなく伸びきることだろうか。
魂を鷲づかみにされて、天上まで放り投げられるような興奮を喚起させられずにはおかない。

マンリーコの死を覚悟した悲劇の暗示と、悲惨とも思える婚礼のアリアも素晴らしいの一語に尽きる。
また、悲痛に満ちあふれた仮面舞踏会(ヴェルディ)のリッカルドも、オケともども涙が出そうなくらい感動的で胸をかきむしられるような思いだ。

……………………………
そしてプッチーニの名作「トスカ」から「妙なる調和」と「星は輝き」の名曲アリア。
なんと美しい歌唱とイタリア語のディクション、そして力のある高音の素晴らしさ。
見慣れた新国立劇場の舞台に、もしこの歌が響き渡ったら、…おそらくブラボーの嵐と鳴りやまぬ拍手に身をさらされ、聴衆の一人として感動を一生涯胸に焼き付けることだろう。

このアルバムは幸いにもCD化されて、一般のオペラ・ファンにも楽しめるのがよい。
それほどまでに素晴らしいアルバムである。
私は自分一人だけで、この素晴らしい演唱を独り占めしたいとは思わない。

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