お話の国コミュの『世界の終わりの空の色（3）』

一体世界はどうなってしまったのか、いっぺんに変わってしまった世界
この世界の色が異様に捻じ曲がってしまってから、まだほんの少ししか時間はすすんでいない、でも事態は恐ろしいほど変わってしまった・・・

次第に落ち着いてきた私は母が気になりつつもじっとテレビを観ていた
最初はほとんどのテレビ局でそのまま番組が続いていたり、しばらく砂嵐か緊急時の画面になっていたけど、ほぼ同じように全部の局で緊急ニュースが流れていた

生放送のニュース、そしてニュースキャスターが青ざめた顔で放った第一声に私は耳を疑った

世界中の各地で起きている怪現象、一瞬のうちに空は光を失って、それと同時に人が消えたり飛行機が落ちたり電車が脱線したり横転したり、大事故が起こっているらしい

ニュースキャスターもせわしなく同じ原稿をめくっては戻し、動揺を隠せないというより、最早自分の言っておいて頭で整理できていない様子だった
怖さでも悲しさでも怒りでも同情でもない、私は言葉に出来ないような正体不明の感覚に体中を思い通りに出来なくされていたけど、頭はすっきりと冷静に、ニュースキャスターの言葉を頭の中で噛みしめていた

そしてニュースキャスターは次々に渡される原稿を読み続けた
私は心のどこかでわかっていたんだと思う、だからあんなに冷静に、受け止めるように聴き入っていたんだろう

嘘か本当か分からない、次々と飛び交っていく世界各地のニュース、その中で突然と、そしてアナウンサーは心の入っていない口調で発表した
世界各地で突然いなくなった人たちは全て男性で、全世界の発表で分かったこと、世界は一瞬にして半分の人間を失って、私たち、つまり女だけが残されたということ

悲しくは無かった
ただどんなに小さくても信じていた望みを、理不尽に、突然に、あっけなく壊されてしまった気持ちだった