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両神山・秩父・西上州の山コミュの両神山、前東岳西尾根と西岳新道の記録

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記録がようやく書けたので、載せておきますね。
とっても長ーーーーーいです。

***
■両神山、前東岳西尾根と西岳新道 2006.10.21/曇

AM4:00起床、予定どおり西所沢5:09発の電車に乗って西武秩父へ。そこから御花畑駅まで歩いて秩父鉄道で三峰口駅へ。
例によって7:05発の中津川行きの西武の路線バスに乗り込みます。
バスは最初R140をいき、建設中の滝沢ダムの堰堤の前にある巨大なループ橋「雷電廿六木橋」を登っていきます。いつみてもカッコいい橋だなあ。
そして堰堤の上に出るのですが、驚いたね。もう水がかなり貯まってます。完成したってことですか?
それにしても美しい湖面、朝日に照らされキラキラと輝いてます。何もなかったころを知っているだけに感慨深いなー。
人間の力を侮ってはいけない。人間というのはスゴイやつだ、こんなに大きくて長ーい湖を作ってしまう。
大自然の力に打ち勝って、自分たちの手だけで新たな大自然を作り上げてしまう。
「人工の自然」で人々を感動させることができるなんて、こんなに美しいことはありません。俺は人間の力、とくに大自然のなかで発揮する影響力を心の底から尊敬しています。

バスは8:00前に出合バス停に到着。
ここからは例によって登山口の落合橋まで長ーい林道歩き。
もう何回歩いただろうか、何から何まで覚えてしまいました。あと何分歩けば何個めのトンネルで…、そこから何回カーブがあって、何分でどこどこに着いて…。
最初は神流川沿いの深くて暗い峡谷の中を行きます。両側に迫りくる岩壁が美しい。紅葉はもう2週間くらいあとがちょうどいいかもしれないですね。
短いトンネルを4つくぐると、ニッチツの鉱山。そして左に林道上野大滝線を分け、金山志賀坂林道を先へと進みます。
長ーいトンネルは雁掛トンネル。このトンネル、初めて通ったころは怖かったものです。いまは立派な照明もつけられ、素掘りだった壁も滑らかになりました。
それでもこの長くて暗いトンネルを独りで歩くのは心細いものです。
雁掛トンネルを抜けると、小倉沢地区に入ります。目の前には廃墟と化したニッチツの鉱山施設が建ち並んでいます。
巨大な工場を右奥に見ながら、郵便局や交通安全事務所や労働組合・TV視聴所などを通り過ぎます。奥の工場はまだ細々と稼働してるみたいですね。
廃校となった小倉沢小・中学校の前にやったくると、ようやく赤岩の大岩壁が姿を現します。紅葉がかなりキテルようにも見えます。
共同浴場・住宅地・売店と廃墟群の中を行くと、赤岩の撮影ポイント。赤岩の手前にお化け屋敷のような廃墟住宅を入れると、なんともいえない山奥感あふれる写真が撮れます。
公民館の手前で右に折れ、ここからは少し登りの急な林道歩きが始まります。
東側には狩倉岳がひときわ高くそびえ、南の谷の奥を振り返ると南天山が険しくそびえています。
数分ほど行くと、八丁尾根の稜線が見えるようになります。最初は西岳-東岳間あたりが見え、先へ進むにつれて右側稜線が見えるようになってきます。そのあいだも南東には終始堂々たる狩倉岳を見ることができます。
東岳〜剣ガ峰がさえぎるものなく見えるようになると、落合橋はもうすぐです。
東岳の右にはオムスビのような前東岳と、その下には同じくオムスビのような1389mピーク。あの尾根で何が待ちかまえているのか…考えただけでもドキドキです。
落合橋からは梵天尾根の大笹付近と狩倉尾根の1683m峰を見ることができます。また、北東方向には西岳らしきも見えます。
ここ落合橋でしばし休憩です。
ちなみに出合バス停からここまでは約1時間半の林道歩きです。

落合橋を渡るとすぐに右側に登山口。「この先危険なため通行止め」のロープがはられたところがそうです。
ちなみに、ここから100m弱進んで上落合橋を渡った先には八丁峠登山口があります。
落合橋登山口のロープを越えて1分ほど進んだところ、道は正面の山腹をトラバース気味につけられていますが、左の登りの踏跡に入って尾根に乗ってしまいましょう。でないとあとでちょっと苦労します、どちらにしても5分ほどで合流しますが。
明るくて岩っぽい潅木の尾根上を少し行くと、樹林帯の登りとなります。このあたり、展望はまったくありませんが、木々の紅葉がスバラシイんです。赤や黄のトンネルの中を行くのはとっても心地がいい。
後ろを振り返ると、木立の隙間から非対称な山容の赤岩尾根が黄色に染まっていて、なんとも美しい。
やがて、正面に木の根が張りめぐらされた顕著なピークが現れ、これを登ると1339Pの頂上部におどり出ます。
平坦なヤセ尾根をさらに1分ほど行くと1389M標高点の小ピークが現れ、これを登って小休止となりました。ちなみに落合橋からここまで25分ほどかかりました。
1389Pからはわずかに下って、しばらくは東へ平坦な尾根上を行きます。
このあたり、なんだか不思議な地形をしています。赤岩尾根・八丁尾根・狩倉尾根と周囲を山に囲まれていて、そのなかに平らでまっすぐな廊下が伸びているといったかんじ。
いい意味で独特の雰囲気が漂っていて、個人的には大好きなところです。

わずかに登り返すと、尾根は突然登りとなり、登山道はそれを避けて右の山腹をトラバースしています。
1389Pが平坦な地形をしているので、ここが尾根の末端(始まり)のように見えます。
さあ、ここが「前東岳西尾根」の入口です!
これからは登山道を外れて未知の領域に入ります。この尾根をひたすら稜線まで登りつめていきます。
正面から入ると少しヤブがちなので、数十メートルほど登山道を進んだところから尾根に乗りました。
うん、尾根に乗ってみたかんじ行かれそうだ。
最初はとっても登りやすい平坦な尾根、大きなきは株になっているのでヤブもなし。人が入ってるみたいだ。
やがて株はなくなり踏跡もなくなるが、尾根というのは「天然の遊歩道」なのです。快適快適!
尾根入りして10分弱登り、標高は1450mに達しようかというところで、正面に岩場が現れました。
見えている部分だけで判断すると、それほどたいしたものでもなく簡単に登れそうだなー。
でも登れるかどうかわからない岩場を登るのは非常に気が進まないのです。どうしよう。
岩の左に入り込んでみると、あ!よさそう。ということで、左から巻くことに。ここで本日最初のマーキング。白のビニールテープを木の幹に巻きつけます。
そして左の斜面をしばらくトラバースしたのですが、奥も岩がちになっていてなかなか尾根に乗れそうなところがない!進めば進むほど尾根との標高差は広がっていくばかり。
仕方ないので、幾分よさそうなところを弱点を突きながら登ることに。尾根上まで戻るのはちょっと面倒だったんですよ。
かなーり微妙な登り…そしてまた微妙な登り……ようやく尾根に乗ることができました。岩場にぶつかってからちょうど10分。
でも、いま登ってきたところは僕はゼッタイに下れないです。かなり微妙でした。
ただ、尾根上から下方を見てみると、それほど悪くもなさそう。これはおそらくフツウに正面の岩場登ってこれたと思います。ということでここは問題なしです。

この岩場の上、1475mくらいで尾根は再び平坦になります。
ここからはところどころ、要所要所に白テープでマーキングしながら行きます。
それにしても、なんて登りやすい尾根なんだー。ヤブは全くなく、大木も疎ら。なだらかで直線的にドンドン登っていけるので、疲れを感じることなくハイスピードで高度を稼ぐことができます。
左側には木立の向こうに西岳と行蔵坊の双子ピークが見えています。
標高1500mにさしかかるころ、右側に顕著な尾根が現れます。地形図のマンマだな、ほんと。
さらに登ると、その尾根との合流点ピークが見えてきます。少し急になるので尾根の右斜面を登り、合流点。標高は1550mくらいかな?
下りのときもたいして注意は要らないでしょう。あまりにも尾根筋がクッキリハッキリと二分されているので、その正面(右)のほうを下ればいいだけのことです。
平坦なヤセ尾根をしばらく進み、少し登ると尾根幅が突然広がります。
一個所、木も疎らでかなり広いところがありました。うーん、これはスンナリ行きすぎだなあ…。
広場を過ぎると、平べったい岩が瓦礫のように積み重なっているポイント。ここも全く問題なく通過できました。
岩塊ポイントから数分も行くと、ほとんど尾根とはいえないほどコンモリとした地形。標高はたぶん1620mくらい。
すでに前東岳ピーク部の西斜面に達していることを悟ったので、東岳南のコルを目指して左斜面のトラバース作業に入ります。
ここからは数十メートルおきにマーキングしながら、緩斜面をトラバースしていきます。
このあたり、疎林の緩斜面が一面に広がっていて平和な雰囲気です。八丁尾根の西側ってこんなに平和なんですねー、東側とは天地の差。
やがて、稜線とおぼしき平らなスカイラインが目の前に現れました。
喜びのあまり、最後は走って登りました。ガサガサ…ガサガサ…
そして八丁尾根の縦走路へと踊り出たのでした。立派な登山道が走っていますね。
さあここはどこでしょう…、八丁尾根は飽きるほど回数歩いているので見た瞬間にわかります。
ここはまさに目指していたポイント、東岳南のコルに寸分違わず出ることができたのでした。
下降点の木の幹には太いテーピングを巻きつけましたが…ちょっと目立ちすぎているので、今日か明日のうちには誰かにはがされることでしょうね。

前東岳西尾根。地形図で見て「これはいける!」ということで歩いてみたのですが、予想以上に快適でした。
危険個所は皆無、尾根筋は終始明瞭。
急な登りやヤブも全くなく、整備された登山道よりも歩きやすいと言っても過言ではありません。
いちばん驚いたのは所要時間で、今回はマーキングなどの作業をしながら歩いたにもかかわらず、1389Pからわずか50分で東岳に立つことができました。もしフツウに歩いていたらおそらく40分もかからないと思います。
この尾根を使えば、1389Pから金山沢右俣沿いの登山道をそのまま剣ガ峰まで登るよりも早く稜線に立つことができるのです。
下りも全く問題ないと思います。迷うようなところもなく、なだらかなので駆け足で下ることもできるでしょう。となると何分で下れるでしょうね、楽しみだなあ。
下りでも問題なく、所要タイムが格段に短いということは、エスケープとしての利用も可能です。たぶん最強のエスケープだろうね、下降点の位置も絶妙。
この尾根は今後も活躍してくれそうですね。
なんだか秘密の宝箱を発見したみたいな気分です。とってもうれしいです!

コルからは左に縦走路を数分で東岳に到着。
せっかくのスバラシイ紅葉もこの天気では見ることができません、残念。
天気よくないし、いまさら山頂に行っても意味ないよね。ということで、山頂のある剣ガ峰はパス。単独だとこれができるからいいね。
東岳でゆっくりランチタイムとなりました。
かなーりノンビリして、東にそびえる大岩峰「大キギ」を見ながら「次はあいつに登ってやる!」と決心したのでした。
東岳から西岳までは八丁尾根の一般縦走路を行きます。
ほんとならここから西岳・赤岩尾根方面の赤と黄色の大展望が期待できるのですが…今日はホントに残念です。
東岳の下りはクサリの連続、これがけっこう疲れるんです。尾ノ内道を右に分ける竜頭神社奥宮ピークで小休止。
奥宮からクサリで下りきると風穴キレット。このキレットはなかなか立派なV字で、かなり遠くの山からもハッキリと判別することができます。
ここからは西岳まで急な登り返しになります。息を切らしながら、ようやく西岳に到着です。
ここでかなりゆっくりしましたね、13:30までいました。

さあいよいよ本日の核心である西岳新道の下りがはじまります。2年前に散々な目にあわされた西岳新道、今回は何が待ち受けているのでしょうか?
西岳新道の入口は西岳の北端にあります。とても入口とは言えるようなところではありませんが。
暗くて怖ろしげで目がくらみそうなほど急な木立の中へと突っ込んでいきます!
しかし、前はここまでヤブじゃなかったぞ。シャクナゲのヤブ、暗くってオッカナイ。
2年前に木に打ちつけられていた「このコースは当会で作りました??安全について責任を持ちま??」(判読難しい)のプレートはなくなっていた…
西岳からは当分のあいだ急下降がひたすら続きます。これは?というところが何箇所かあり、心配になってきました。引き返そうかな?
引き返したいという恐怖心をおさえて、ドンドン下っていきます。
5分ほどで、行く手を阻む巨岩が出現。
正面を登るのかな…と思っていると、左の谷の入口に赤テープ。そっか左から巻くんだっけか、と下ってみるが。
あれ?こんなんだっけ?谷をずっと下まで下れそうだけど明らかに違うなあ。仕方なく岩の前まで戻ります。かなり下ってしまったので疲れましたよまったく。
それで正面の岩を登ってみたけど、先行かれそうにないねーと思いながらも進んでみるとわずかに踏跡らしきがあるではないか。こんなところよく下らせるよな、常識では考えられない。
あーさっきの赤テープ付けた人、そのまま行ってどっかでムリヤリ合流したんでしょ。そしたらもう一回テープを外しに来なさい!
このピーク上からは正面に舟ガババのピークが見えました。なんと怖ろしそうな岩峰だろう、でもかなり近づいてきてるねー。
巨岩ピークからシャクナゲの急下降を5分ほどで舟ガババ・コルに到着してしまいました。なんという速さだろう、といっても俺が速いわけじゃなくて尾根がとんでもなく急だからなのですが。
舟ガババからは正面の巨大な岩壁を登ります。
左手にクサリが垂れ下がっているのですが、クサリの真下に行くためには、岩壁から離れてもたれかかっている倒木を足場に数メートルのトラバースをしなければいけません。
2年前も同じ方法を使ったのですが、この倒木いまにも折れそうなんです。それに、下は谷底まで何もありませんからホントに怖いです。
ようやくクサリを掴んでガムシャラに登ります。かなり長くて細いクサリで、支点は一本の木の幹です。いつ切れてもおかしくないです。
登りついたピークは舟ガババのピーク西峰で、わずかながら西側の展望が期待できます。背後には西岳がものすごい角度でそびえていました。
ここから東へわずか行くと舟ガババのピーク本峰の岩壁にぶち当たり、これを右から巻く踏跡をたどります。
巻きの踏跡に入ったところで、南側の斜面を少し下って木立の少ないところに移動しました。
さあ、実はここが両神山塊でも屈指の絶景スポットなのです。槍のように鋭く尖った東岳と大キギを仰ぐことができるのですが、あいにくの天気で何も見えませんねー。でもこれを見るために西岳新道に来たんだから、見れるまで待つことにしましょう。
そして待つこと10分…ガスの切れ目から東岳が姿を現しました!これは荘厳というか神秘的というか…あまりの神々しさに絶句してしまいました。
再びガスが濃くなって何も見えなくなり、そしてまたガスの切れ間から姿を現す、これのくり返し。両神山ってスバラシイ。
感動のあまり時間を忘れて25分間もボーっと眺めてました。もう14:10です、バスの時間がヤバイかも!

舟ガババのピーク本峰の西側岩壁を避けて、南側から捲き登ります。必要ないことなのですが、舟ガババのピークの頂にも立ちました。
舟ガババのピークって、八丁尾根上とか周辺んお山々から見るとかなり立派な岩峰なのですが、実際歩いてみると案外小さいんです。
さあここからが本日の核心部です、舟ガババのピークの下り。
北北東に伸びる尾根を下らなければいけないのですが、ピークの北東斜面を下ろうとすると真下に岩壁が出現、これは無理だ。
で、ピークから北に伸びる尾根が下れそうに見えたので、岩壁をトラバースしようと乗り出して数メートルは行ったのですが、あとの五十センチくらいがどうしても行かれない、もうすこしなのに。足場が狭すぎる。勇気を出してポンポンッ!とやれば行かれるかもしれないけど、もしミスったらあの世が待っています。
あきらめてピークの東側に戻ってきました。2年前とまったく一緒だ。
ここからは東へ伸びる尾根を下りながら、左斜面で下れそうなところをさがします。
だめだー下れそうなところ全くありません。メチャクチャ急で下も見えないような泥斜面ばかり。
いちばん悪いのは、下るべき尾根が見えないこと。上部は急すぎてわからないし、下のほうは真っ暗で見えないんですよ。
それでついつい東尾根をドンドン下ってしまい、これ以上行くとヤバイと思いました。ちなみにこの尾根を下ると尾ノ内沢道の地獄穴とかシメハリ場のあたりに下りられそうなんです、地形図見ると。いつかやってやります。
これ以上下ってしまうと下部で北北西尾根に復帰するのも難しくなりそうなので、尾根上を戻ることに。もちろん右側に下れそうなところをさがしながら。
しかし、いくらさがしても見つかりません。いったいどこをどう下れというのだ。意味がわからん!
しかも時計みると…これはかなりヤバイかも。こういうときってホント時の流れが速くなんだよね、それで焦ってパニックになって…悪循環。焦っちゃダメだ。
もうしかたないのでガムシャラに下ることにしました。結局2年前と一緒です。弱点を突きながらの泥壁の急下降。
はっきりいってありえませんな。フツウならここは懸垂下降で下ります。
すぐ下にある足場に移動するのに何分もかかって…プルプル震えながら冷や汗ビッショリ心臓バックンバックン鳴らしながらバランスを崩さないように恐る恐る足を下ろしていきます。それのくり返し。
途中からは細引きロープを出して、よさそうな根っこに引っ掛けてグリップだけの簡易懸垂下降をくり返す。全身に緊張が走ります。なんとしても落ちないようにだけはしないと。
普段は独り言など言わない俺ですが、「こーれはヤバイって!」の連発でした。何回言ったかわからない。
一段下っては気持ちを休め、また一段…これをくり返していると、数十メートルほど下方に安全地帯の発見。なんとしてもあそこまでたどり着かないと。
そうして、ようやく平坦な広場に下り立つことができたのでした。もう精神も肉体も疲れ果ててしまい、地面にへたり込んでしばらくは放心状態でしたよ。もう西岳新道はコリゴリ。
ここはおそらく舟ガババのピークの東北東側。基部まで下りてきたってことでしょうね、たぶん。
2年前には、全く同じような広場に下りてきて、しばらく左(北)へトラバースすると尾根上に小鹿野山岳会のプレートがあってヘタリ込んだような…。
同じように今回も左へトラバースします。しばらく行くとようやく西岳尾根と思しき顕著な尾根が見えてきました。
大きな谷を横断して尾根に乗ると……、もうビックリしたねこれは。目の前に小鹿野山岳会のプレートがぽつねんと置かれています。1メートルも違いません。
なんと!俺は2年前と全く同じところを歩いたというのか…。ということはさっきの広場もそのときと同じ広場…。
てことはピークからの下りも、全く同じところを下っていたということになります。信じられない、これだけ広い山のなかでまさかまさか…
もう不思議で不思議で、だまされているような気分でした。いまだに信じられません。
人間というのは怖い…、無意識のうちにとんでもないことをやらかしている。俺は無意識のうちに2年前の再現を行っていたわけです。
というより、同じ人間が考えることはいつでも一緒ってことかな?成長してないってことかも…。

以下は2年半前に書いた舟ガババの下りの記録のコピペです。参考にしてみてください。
++++++++++
テープのあるほう(北側)へ少し下ってみますが、白い岩壁があり下れるようには見えませんでした。
仕方ないので東側へと進みます。すると踏み跡らしきものがありました。
しかしそれは岩峰から東へ派生するなだらかな尾根を下っています。
これでいいのか?と思いながらもかなり東へ下ってしまいました。このままでは尾の内沢へ下ってしまいます。
これはやばい雰囲気だと察知したので、北西へ山腹をひたすらトラバースし方向修正です。
もういいだろうというくらいトラバースすると、トラバース不能なところに着きました。
あとは下るしかありません。が、そこは恐ろしく急な斜面です。上から見るとほぼ垂直です。
50メートルほど下に落ち葉で覆われた平らなところがあります。怖いですがとにかくそこまで下るしかありません。
本当にすごい傾斜の泥壁下りでした。結局ここを下るんならさっきの白い岩壁を下ればよかった・・・。
斜面に体をつけながら棚のようになっているように見えなくもない部分に恐る恐る足を乗せていきます。
木にしがみつきますが腐っていて八割がた折れます。そのたびに心臓が止まりそうになります。
K君が倒した木が俺の肩に!痛かったよー。にしてもなんであんなにどの木も腐ってるの?
そしてようやく平らなところに到着。長かった。ここは平和だなー。K君よくがんばった!
再び北西へトラバース。本当に生きて帰ることができるのだろうか?などと考えていると・・・。
遠くの尾根上に白い物が落ちています。もしや!と思いさらにトラバースしてその場所に向かいます。
やっぱりな!それはルートを示す小鹿野山岳会のプレートでした。助かった・・・。
++++++++++
どうです?今回とまったく同じでしょう?

さあ、ここからはなだらかで快適な尾根下りとなります。
背後を振り返るとものすごい角度の斜面が覆いかぶさってくるようです。ここで少し登ってみて上部への踏跡をさがすべきなのでしょうが、そんな体力残ってませんでした。
プレートから尾根上を数分下ると尖塔状のツツジ岩。標高1350mくらいだと思います。
クドイほどのマーキングに導かれていくつかの小ピークこ越えながらのなだらかな尾根下りがひたすら続きます。ツツジ岩から5分くらい行ったところの尾根上に巨岩があったような気がする。
ツツジ岩から15分ほどで1266m標高店ピークを右から巻き気味に通過すると、あたり一面には広大な緩斜面が広がります。
左には細い尾根が走り、右もコンモリした尾根のようになっていて、二重山稜みたいな地形をしています。右の尾根のさらに右には一段下に広大な緩斜面が広がっていて、とっても不思議なところです。
ただし迷いやすいので注意が必要です。
正面奥はすり鉢状になっていてかなり広いのでテントも張れそうですね。その左にはかなり顕著なピーク。2.5万図で1266Pの北の緩斜面の北端にあるコブがそれです。
このコブに登って急な斜面を下ったのち尾根上を5分ほど行くと、突然諏訪山方面の展望がひらけます。
岩場を慎重に下ると鉄塔跡の広場に降り立ちました。鉄塔やら架線やらなにやらの残骸が転がっています。金山鉱山の鉱石運搬ケーブルの跡だそうな。
ここからはひたすら歩きやすい尾根を駆け足で進んでいきます。
鉄塔跡から10分ほどで尾根の右斜面を行くようになり、巨大なガレの上部を横ぎります。ここからは背後に両神山八丁尾根の険悪なスカイラインを望むことができました。東側には天理岳がよく見えます。
再びヤセ尾根上に戻るとすぐに鉄塔の残骸。ここが夢見台というところでしょうか。ここから見た逆光の両神山はなんとも怖ろしげでスバラシイですねー。
目の前のピークには登らず、山頂直下で左斜面のトラバースとなります。数分で右側にロボット雨量計の小屋跡が現れます。
この先で展望がひらけ、明るい植林の大斜面が広がります。正面には二子山、左手には諏訪山とその山腹を走る金山志賀坂林道を望むことができます。
この気持ちのいい尾根を直進し、1074Pに達すると尾根は突然右に折れます。
尾根上を右に曲がってから5分くらいはほとんどまっ平らなのですが、その先の架線の残骸のあたりから突然の急下降となります。かなり急なので要注意です。
急下降の末、送電鉄塔(安曇幹線2号線242号)の真下をくぐります。
鉄塔の先で右の尾根に入り、再びの急下降となります。尾根の左手は明るい潅木帯、右側は真っ暗な杉林です。
鉄塔から5分ほどで、右後方の山腹に「鉄塔243号」への巡視道を分けます。
さらに1分ほど尾根上を行くと展望がひらけ、「く」の字型の巨大な廃墟小屋にたどり着きます。これは「停車場」という鉱石運搬ケーブルの方向転換用の小屋の残骸だそうな。
この「停車場」のなかを恐る恐る通り抜け、あとは暗い杉林の尾根を駆け足で下ります。
5分強で、鉄塔244号への巡視道を右後方山腹に分けるところ。
実はここが橋詰への下降点で、左へ下る踏跡に入っていきます。ゴールは目前です!
落ち葉のジグザグを5分ほどやると右へと下るネットが現れ、これを走って下ると…ついにR299に降り立ちました!16:30バスの15分前ギリギリセーフ。
ここから橋詰のバス停までは下方(東)へ歩いて1分ほど。
ちなみに西岳新道の入口の目印は、「鳥獣保護区」の赤い標識と「安曇幹線2号243〜245号に至る」の巡視道入口の黄色い標柱です。

いやー、やっと下山できました。よかったよかったー。
西岳新道やばいっすね。ドンドンひどくなってます。舟ガババの下りは、ちょっとムリがあるでしょう。
「西岳新道」って名前もいいかげんやめたほうがいいと思います。フツウに尾根の名前とって「西岳尾根ルート」と言えばいいと思います。
もう廃道どころか痕跡すらありません。安易に下るのはやめたほうがいいでしょうね。もし行くなら登りにとったほうがいい。
このルートが「埼玉県の山」に載っているなんて信じられません。即刻はずしたほうがいいと思います。
久々にオッカナイ思いをさせていただきましたよ、いい経験になったなあ。

前半は「前東岳西尾根」、後半は「西岳新道」と2つのバリエーションルートを予定どおり歩きとおすことができ、とても充実した山行となりました。
舟ガババからのあの神秘的な光景は忘れられません。
両神山よ、今回も感動をありがとう!またよろしく!
***

コメント(6)

長くてすみません…
写真は今回撮ったもので、
?西岳新道の舟ガババのピークから(山は大キギ・東岳・前東岳)
?上に同じ
?八丁尾根西岳から行蔵坊の紅葉
です。
コメント遅くなってしまってすみません。
GODさんの記録を地図を眺めながら読ませて戴きました。
「ふむぅ。」とか「ぬぅ〜。」とか、
一人であれこれ想像しながら拝見しました。
これを読ませて戴いて、いざ山行に臨んでロストしたら、
なんかとっても恥ずかしい事なんじゃないかと思います。
これだけ詳細に至って書いてくださる方は滅多にいませんよ!
ツァイさん
読んでいただいたみたいで、どうもありがとうございます。
西岳新道はかなりヤバカッタです。
そのあともう一回両神に行ったのですが、記録はまだ書けてません…
両神も西上州もホント楽しいトコロですよね!
GODさん
昨日、会社帰りにもう一度携帯から読み直してみようとしたら、
携帯のキャパを超えました(笑)

近場でここまで攻められる場所があると
ホームグランドのありがたさがよく分かります。

もちろんたまには遠出したいですが(汗)

読ませて戴いている間は脳内登山ですよ。
完全にあちら(どちら?)へ逝ってしまっています。
ツァイさん
ほんとにどうもありがとうございます。
両神山はまだまだ遊べますよ。僕もまだまだドンドン入っていきたいです。

このあとにもう一回、両神山行ったので、近いうちにそれの記録も書いて載せますねー。また長くなりそう…
GODさん
長いの大歓迎ですよ。
いつも詳細にわたっていて、読み応えがあって。
楽しみにしてます!

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