麻布ゴルフ倶楽部コミュのゴルフクラブ選びの極意

　
ゴルフクラブ選びの極意

プロゴルファーの岩間建二郎さんは過去13年間で1500本を優に超えるクラブをテストした。その成果は13冊の『間違いだらけのゴルフクラブ選び』シリーズに示されている。エッセンスを『中古ゴルフクラブ選びの極意』（講談社、三推社刊）にまとめたゴルフクラブ選びの達人に、クラブ選びのポイントを教わった。

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スコアアップを狙うドライバー選び

ドライバー選びではシャフトの硬さとロフトの角度が重要です。シャフトの硬さとしては硬い方からＸ、Ｓ、ＳＲ、Ｒ、Ａ、Ｌなどがあり、中高年男性のほとんどがＳＲ、Ｒ、Ａを選んでいると思います。しかし、もしＳＲを使っているならＲを、Ｒを使っている人はＡを選びましょう。

なぜなら、「硬いから飛距離が伸びる」というのは誤解なのです。自分がこれまで使ってきた硬さよりもワンランク下げると、良い球筋が得やすいし、飛距離も伸びることが多いのです。ぜひ試してみてください。

さらに、日本のように湿気の多い地域では、ボールを高く飛ばすと飛距離が伸びます。ドライバーのロフト傾斜角度を、例えば今まで10.5度だったなら11.5度に上げるように、現在使用しているクラブよりも少し角度を大きくして、ボールを高く飛ばすことを心掛けましょう。

そして、最も重要なのがドライバーの重さです。重い方がより良いですね。実際に振ってみて、これ以上振り切れないくらいの重量のドライバーをおすすめします。自分が振れるギリギリの範囲内の重さを見つけること。これが飛距離アップの第１歩なのです。

ボールを打った瞬間の音も大切です。アマチュアの人はスイングにスピードがないので、打球音はさえない音がします。

軽快な音がすれば、気持ちも良いですし、ストレスの発散にもなります。それがゴルフライフを楽しくしてくれる一番の特効薬です。打ったときに、自分の気に入る良い音がするドライバーを選びましょう。


スコアアップを狙うアイアン選び

アイアン選びでも重さがポイントになります。せっかく新モデルのアイアンセットを、中古ショップで購入したのに、実際にコースで打ってみたら意図するような球筋が得られなかった、という人も多いのではないでしょうか。

それは、ドライバーの重さはスイングにピッタリ合っているのに、アイアンが軽すぎて振り回してしまうからです。つまり、ドライバーとアイアンのマッチングが悪いのです。

最近ではアイアンもシャフトバリエーションが豊富になってきています。軽いカーボンシャフトは自分には合わないと感じるなら、同じヘッドの軽量スチールシャフト装着モデル、あるいはちょっと重いスチールシャフト装着モデルを購入した方が良いかもしれません。

ＦＷ（フェアウェイウッド）、ＵＴ（ユーティリティークラブ）も重さと長さがポイントです。ドライバーの標準的な長さは45インチ。３番ウッドは43インチ程度が目安です。理想的な重量配分は、ドライバーが300グラムだとしたら、３番ウッドは25グラムから30グラムほど重いクラブを選びましょう。ドライバーと同じように振り切れるし、スイングを変えずに済みます。

ＵＴは、同じロフトでも長さが少し短い傾向にあります。ウッドよりも振りやすいのでミート率は上がるのですが、ウッドよりも重くしてスイングの統一感を出した方が良いですね。

注意したいのは番手表示です。ＵＴはまだまだ新しいジャンルで、同じ番手でもロフトの角度が違ったり、メーカーやモデルによって番手に差が出ます。このあたりも注意しましょう。


中古ゴルフクラブのメリット

ゴルフクラブは毎年性能がグンと上がるので、新しい物ほど良いですね。でも、発売当初は高価で、なかなか手が届きません。だからこそ中古のゴルフクラブを狙うのです。

「欲しいけれど、高い」と思って買い控えていたクラブも、同じメーカーから新商品が出れば「シーズン落ち」になりますから、価格がリーズナブルになります。その時を狙えば、人気ブランドのクラブが格安で手に入ります。そういう意味で中古クラブを購入するメリットは大きいですね。

でも、人気ブランドの品で評価が高いクラブだからといって、すぐに購入するのは禁物です。そのクラブが本当に自分の体型やスイングにフィットしたスペックなのかを見極めることが、優先されるべきでしょう。さらに、どんな球筋を打ちたいのか、練習量やラウンドの回数、手持ちのクラブとの相性なども考慮しながらクラブを選んでほしいと思います。

ただし、ドライバーに関して言えば2007年がターニングポイントでした。もし新品を買うなら、正に買い替えの年だったのです。なぜなら、2008年から反発係数規制（反発係数が0.830以上のドライバーは不適合とされる）が施行されるので、施行後は新品、中古を問わず、「適合モデル」のドライバーでなければプレーが認められません。

仲間同士で単にラウンドするだけなら別ですが、公式のゴルフコンペには参加できなくなる可能性があります。ですから、中古でドライバーを買うなら、2007年物が「シーズン落ち」する2008年以降に購入することをおすすめします。


中古ゴルフクラブを選ぶコツ

中古ドライバーを選ぶときは、まずグリップがきれいかどうかを見てください。なぜなら、現在のドライバーのシャフトは大多数がカーボン製で、カーボンシャフトに限って言えば、へたることがあまりないので、古くても性能は衰えません。グリップがきれいで取り替える必要がなければ、中古ドライバーも準新品と言えます。

中古ゴルフクラブを自分１人で探すのは、正直、難しいと思います。大抵のショップにはクラブに関する豊富な知識を持つスタッフがいるので、自分の現状を相談しながら候補のクラブを絞っていくことが肝心です。ショップによっては、スイング診断機が設置された試打席があるので、実際に打ってみることをおすすめします。

お目当てのゴルフクラブを見つけた場合、ヘッドに鉛が付いていたなら、一度すべての鉛を取り除いてから実際に振ってみましょう。鉛なしの状態で振ったときの感覚を感じながら、自分に合う重さになるように調整していってください。そうしてから、自分の技量をフルに発揮できるゴルフクラブへと、カスタマイズしていきましょう。


中古ショップを賢く利用

中古クラブを購入したものの、実際に使ってみたら期待していたほどは合わなかったという経験は珍しくありません。そんな時に頼りになる、１度売ったクラブを買い戻してくれる中古ショップが増えてきました。

ショップによって違いはありますが、購入から１週間以内なら販売価格の90パーセント、１ヶ月後なら50パーセントというように、結構良い値段で買い戻してくれます。買い戻しで手にした資金で、別の中古クラブを購入するというのも一つの方法です。

頻繁にクラブを換えるヘビーユーザーは、ショップ会員になることをおすすめします。顔見知りになると、１週間2000円程度でクラブをレンタル利用させてくれるショップもあります。

実際に打ってみて、そのクラブが自分に合っていると思えば、レンタル時に支払った金額を差し引いた値段で購入することができます。そういう形で中古クラブを購入するのが一番良いかもしれませんね。

ポイントカードを発行しているショップなら、そのポイントで値段がさらに安くなったり、ボールやグローブなどの小物購入に利用したりすることもできます。

中古ショップは多様なサービスを提供していますし、クラブに関する情報をいち早く得る努力もしています。おかげで、自分に合ったクラブを格安で手に入れやすくなってきています。中古ショップを賢く利用すれば、ゴルフがさらにうまくなると思いますよ。


著者紹介
岩間建二郎（いわま・けんじろう）
プロゴルファー
略歴
1950年生まれ。
78年プロテスト合格。
80、86年に、ＪＰＧＡ公認ドライビングコンテストでチャンピオンを獲得。
2000年から日本のシニアツアーに、2004年からは欧州のシニアツアーにも参戦。
テレビやラジオへの出演をはじめ、雑誌での連載も持つ。
著書に『間違いだらけのゴルフクラブ選び』シリーズ、『一夜漬けレッスン』『視力革命・ゴルフ革命』『ゴルフここだけ直せばうまくなる』など。