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麻布ゴルフ倶楽部コミュのゴルフスイングは幹と枝葉の区別を

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ゴルフスイングは幹と枝葉の区別を

世界的な名コーチ、デビッド・レットベターが主宰する「デビット・レットベターゴルフアカデミー」を卒業後、フリーのティーチングプロへ。自ら売り込んで田島創志プロと高橋竜彦プロのコーチに就任し、2人を優勝へと導く。プロのコーチを務めながら自らのゴルフ理論を磨き上げ、2006年8月に著書「今、最も旬の敏腕コーチ堀尾研仁のゴルフがたちまち上手くなる本」(PHP研究所)を出版した。勝利を呼び込むスイング理論やコーチ術、そして、自身が経験したメジャー大会について聞いた。

◇   ◇   ◇

ゴルフスイングで最も大切なのは、背骨を中心とした上半身の「回転」と、その回転に対して手が「同調」することです。これがゴルフスイングの「幹」にあたる部分です。

多くのアマチュアが「テークバックを真っ直ぐ引く」「トップのポジションは……」などとカタチを気にしていますが、これは実は「枝葉」の問題。まず基本の「回転」と「同調」を身につけることを忘れないでほしいですね。

もし僕が初心者にゴルフを教えるとすれば、まずパッティングからスタートします。パッティングはまさに背骨を中心に回転する。手も固定しているから同調します。パッティングを少し大きくしたものがアプローチやハーフショットであり、一番大きくクラブを動かすと、それがフルショットになります。まずパッティングで基本動作と感覚、つまりスイングの「幹」をマスターすべきです。

その後、振り幅を大きくしていく過程でどうしても手を動かす必要がある。そのときに初めて、テークバックなどの細かい「枝葉」を考えればよいのです。練習場でいきなりフルショットし、しかも最も長いドライバーから始めると、いつまでたっても「幹」を習得できないのです。

◇   ◇   ◇

プロのスイングに個性があるのは「球筋を作る」から

プロはスイングの基本を身につけた上で、それぞれの個性を出しています。それはプロが「球筋を作る」からです。

ゴルフは実際のラウンドで同じ球を2度続けて打つことは少ない。例えばタイガー・ウッズ選手の練習を見ていると、同じ球を2度続けて打ちません。1打毎に左右に曲げたり、高低を変えたりして打ちます。それが「ゴルフ」なのです。

アマチュアは練習場でもストレートを打ちます。ラウンドでもストレートだけで攻める。だからスイングも1つなのです。

テレビの試合中継などを見ていると、バンカーショットやアプローチなどを実に簡単に打っていますよね。あれは簡単なところから打っているからです。プロは最悪の場合を考えたうえで、ショットの落としどころや球筋を決めます。最悪の場合でも難しい場所に行かないように、コースマネジメントしている結果なのです。そのために、豊富な種類のショットを自分のものにすることが要求されるのです。

◇   ◇   ◇

コーチ稼業の難しさ

コーチ稼業は師弟関係とは違います。命令するものではありません。だから僕のほうから「ここを修正したほうがいい」などと積極的に働き掛けることはありません。選手が自主的にアドバイスを求めてくるまで、待ちます。

もちろんプロは1戦ごとに勝負です。賞金を稼がなければ生活できないので、「半年かけてスイング改造を……」などと悠長なことを言っていられません。そんなときは選手が自発的に修正したほうがいいと思わせるように、関係者などに根回しをしながら環境を作っていきます。

違う言い方をすれば、選手は“監督”でもあるのです。コーチは監督の希望を実現できる手段を提供するのが仕事ですから、オーダーが来るまで待つ。そのためには、監督である選手が自らオーダーを出してくるような環境をいかにして作るか、そこがポイントとなります。そして最終的には結果を出さなければならない。これがコーチ稼業の難しいところだと思います。

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コーチ稼業の現実と理想の狭間で

コーチ業は結果を求められるので、契約選手が勝てないと僕も苦しいですよ。契約選手が勝てないと「自分が悪いのかな」と悩みます。もし契約選手が誰も勝てなくなったら、僕も転職を考えないといけない。そういう意味では、自分がプレーしているのと同じくらい緊張感があります。

マラソンの高橋尚子選手のコーチだった小出監督の著書を読んだら、その中に「最高の結果を出そうと思ったら最高の選手と知り合うしかない」と書かれていました。コーチの仕事はビジネスであると割り切って考えるのなら、僕も強い選手と契約しなければならないのでしょう。でも、すでに出来上がった選手と契約するのは「おこぼれ頂戴」のような感じで達成感がない。

最初に契約した田島創志、高橋竜彦プロは2人とも、当時はまだ予選会選手でした。「一緒に階段を駆け上がりたい」と思って契約して、ラッキーなことに2人は勝つことができ、シード権も獲得しました。理想をいえば、2人が日本の大きな大会に勝って、世界のメジャーで一緒に戦ってほしいと思っています。それを見たほかの若手の選手が「堀尾さんと一緒にやりたい」と契約を結んでくれれば。まあ、現実はそう甘くはありませんけど。

◇   ◇   ◇

日本人メジャーチャンプ誕生に必要なもの

コーチ契約している高橋竜彦プロが2006年、日本ゴルフツアー選手権で優勝しました。そして世界選手権(ブリヂストン招待)に参加したときのことです。

パー5のホール。高橋プロはグリーン手前に池があり届く距離ではなかったので、6番アイアンで刻みました。同組だった米国の選手、デービス・ラブ・3世が手に取ったクラブも同じ6番アイアンでしたが、楽々と2オンしたのを見て高橋プロは驚いたそうです。つまりパワーがケタ違いなのです。パワーがあるから、ミドルアイアンでも止まるボールが打てるわけです。もちろんドライバーショットも60ヤードほど差があると思います。世界レベルの選手と日本人選手を比べると、ヘビー級とフライ級ほどの差があるというのが僕の実感です。

ただ、これは日本人がメジャー大会に勝つのは無理だという意味ではありません。世界に通用するパワーと運動センスを持っている人はたくさんいます。問題は、そうした人がゴルフをしていないことなのです。ヤンキースの松井選手や、マリナーズのイチロー選手のような人材がゴルフをすれば、日本人メジャーチャンプも可能だと思います。

結局、日本はゴルフのすそ野がまだまだ狭いのです。日本に必要なのは、幼いころからキャッチボールと同じくらい簡単にゴルフができる環境を作ることだと思います。

また、プロになってからの練習そのものも違います。米国では、タイガー・ウッズなどの強い選手と戦うのに必要なパワーをつけるため、筋力トレーニングなどをするのが一般的です。しかし日本では、まだそうしたトレーニングをする選手はまれです。なぜなら、日本のトーナメントコースがそこまで要求されるものではないからです。

日本人のメジャーチャンピオンをどうやって誕生させるか。これはゴルフ界全体の問題だと思いますね。


著者紹介
堀尾研仁(ほりお・けんじ)
ティーチングプロ

略歴
1971年4月16日生まれ。
岐阜県多治見市出身。
語学留学したオーストラリアでプロゴルファーを目指すものの25歳で断念。
しかしゴルフへの夢はあきらめず、
「デビット・レットベターゴルフアカデミー」に入って指導者への道を進む。
卒業後、予選会選手にとどまっていた田島創志、高橋竜彦プロと契約して優勝に導き、注目を集めた。

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