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】◎大引けのTOPIXは1,527.51ポイントの21.86ポイント安、日経平均は14,886円の285円安。米FOMCを前に日米とも株式市場は様子見姿勢を強め大幅安。日本ではブリヂストンの下方修正やエルピーダメモリの資金調達も悪材料視。道路特定財源の一般財源化の先送りで構造改革の停滞も警戒された。全面安だが公的完済方針のみずほは値上り。ノンバンクも少額で短期の貸付なら上限金利引下げの適用除外という意見も自民党内にはあるため、下げ渋る銘柄も。

■本文
・大引けのTOPIXは1,527.51ポイントの21.86ポイント安、日経平均は14,886円の285円安。東証1部の値上り銘柄数は212、値下り銘柄数は1,429。出来高は14億6,662万株、売買代金は2兆124億円。
 今日明日の米国FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて、日米とも株式市場は様子見姿勢が強まり、ずるずると下がる展開となりました。
 米国ではインフレ懸念から利上げ打ち止めになりにくく、次回8月のFOMCでも利上げが継続すると見られていることや、GMの首脳が6月、7月の自動車販売は厳しいものになるだろうと発言したことが嫌気され、NYダウは120ドル安の10,924ドルと売られました。
 東京市場でも米国株安に加えて、ブリヂストン(5108)が天然ゴムの価格上昇により業績下方修正を発表したことや、エルピーダメモリや牧野フライスの資金調達も株式需給を悪化させると警戒され、全体相場にも悪影響を及ぼしました。原材料価格の上昇は他の企業にも当てはまることなので、企業業績の悪化が懸念されたようです。
 
 また、道路特定財源の一般財源化法案が自民党内の反対で先送りされたため、小泉首相が退陣すると
守旧派が巻き返し、改革が停滞するといったことも失望されたようです。
 来年7月には与野党が逆転する可能性がある参議院選挙も控えているため、次期首相は地方に配慮した政策を打ち出さざるをえないという事情も、構造改革に対して揺り戻しが強まると警戒されています。

 ほぼ全面安の相場でしたが、国内自動車販売台数の見通しを下方修正した日産自動車(7201)が年初来安値を更新し、トヨタも月末に実施されるTOPIXの浮動株比率の反映で売りが出てくるという懸念も重なり売られました。米国の自動車販売の需要は低金利政策や減税などの影響で高原状態を維持してきただけに、今後のダウンサイドリスクは大きいと懸念され、トヨタや本田なども売られたようです。
 
 公募増資を発表したエルピーダメモリと牧野フライスも安く、第1四半期の業績が不振だったミニストップも売られました。
 一方、値上りした銘柄は乏しい状態でしたが、みずほフィナンシャルグループ(8411)は公的資金を7月4日に完済する方針と報じられ、経営の自由度を取り戻し、リテール戦略に積極的になれるという期待で小幅ですが持ち直しました。
 
 貸金業の上限金利引下げ問題でも、出資法の上限金利29.2%をいきなり利息制限法(15〜20%)に一本化すると中小の貸金業者に倒産が続出し、どこからも借りられない人が多発するという危惧から、少額で短期の貸し付けなら金利引下げの適用除外とする意見も自民党内ではあることから、武富士や三洋信販(8573)などPBRが1倍水準もしくはそれ以下に低下したノンバンクには下げ渋りを見せる銘柄も出ました。
 なお、ドイツ証券ではクレディセゾン(8253)はカードショッピングの比率も高く、貸付金利の平均も22%なので、上限金利が20%に引き下げられた場合の影響が他のノンバンクに比べて比較的小さいことから、投資判断は「Buy」と解説しています。

・日経ジャスダック平均は2,324円の8円安。これまでの下落率が大きかった分、東証マザーズ市場や日経ジャスダック平均の今日の下落率は東証1部市場よりは浅く済み、直近新規公開株中心に値上りする銘柄が見られました。アドウェイズやアストマックス、日本サードパーティが高くなり、既存の銘柄でもユニバーサルホームやホロン、新報国製鉄、アズジェントなどが買われました。
 東証マザーズ市場ではそーせいがスイスの医薬品会社に癌の疼痛治療薬として開発中の新薬を欧州での販売権を供与したことでロイヤリティ収入の増加期待から買われました。

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