ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

お話作ってみませんかい?コミュの【卑猥?】俺のドラえもん

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 ドラえもんを見ていた。三十路を過ぎてドラえもんとは幼稚に思われるかもしれないが、俺は違う。ドラえもんに会いたくて見ているのだ。
 部屋にはもちろん誰もいない。34歳独身男。とある大企業に勤める俺は、なんでか親に見放され、寂しい生活を送っている。マンションのためペットも飼えず、子も妻もいないこの毎日で、唯一の楽しみがドラえもんだった。
 ペットでも人でもない、ロボットという存在の友達。素敵だ。これなら、俺の寂しい独り身ライフを賑わしてくれるかもしれない。
 そんなことを思いながらテレビを付けた今日、いつものようにのび太が間抜けっぷりを披露していた。俺ならこんなにドラえもんを困らせたりはしない。ふと、ライバル心が牙を覗かせる。俺なら宿題はサボらない。ジャイアンはこてんぱんにしてやれるし、しずかちゃんへの猛烈アタックはお手のものだ。スネ夫を釣る方法だって、簡単に思いつくだろう。絶対に楽にしてやれる。その自信は十分ある。
 しかし、どんなにドラえもんを思ってみたところで、所詮ドラえもんはのび太のものだ。俺がのび太ヘアーを目指そうが、黄色いTシャツに紺の短パンを死守しようが、昼寝をモットーに会社に改革を巻き起こそうが関係ない。俺のデスクから、ある日突然青い狸が現れることは、まず無い話だ。
 俺はドラえもんが現れたら頼みたいことが1つあった。どこでもドアを貸して欲しい。これがあれば、俺の最大の難点、遅刻という分野を克服出来るであろう。もし、1度に付き金を払えと言われたら、破産しない値である限り払う。そのくらい、俺にとって遅刻という項目は、避けるに避けられない、直すに直せないものだった。

 ドラえもんが終わり、俺がテレビを消すと、いつも通り部屋はシンとなった。隣は外出しているのだろうか、いつもの怪しい会話が聞こえない。隣の女は、毎日のように男を連れ込んでは朝まで楽しんでいた。俺にとっては不愉快な話しだ。隣にいる俺を差し置いて不埒な子作りに励むなど、世の中が許す訳がない。俺はこう見えてもなかなかの美形だ。合コンに出れば乱闘が起こるほどで、一度参加したメンバーからのお誘いは全く来なくなる。ちょっとした有名人だった。
 俺は、別に隣の女が好きな訳ではない。むしろ嫌いだ。あいつは俺の好みではない。だいたい、毎晩のようにどこの馬の骨だか分からん奴を相手にするなど、パブのねぇちゃんでも許せねぇ。
 俺は、怒りを小声でぶちまけると、風呂に入った。
 湯気の上がる体をタオルで包み、ビールを片手にパンツを探す。素敵な夜だ。パンツがない。
 フルチン堂々でベッドに横たわると、俺はやっぱりテレビを付けた。ドラえもんが来ない今、寂しさを紛らわしてくれるのはテレビだけだ。画面には新人だったニュースキャスターが、慣れた口調でコメントしている。俺のフルチンを前に。
 恥ずかしく無いかと言われれば嘘だ。チラチラと目線が時折浴びせられる。彼女の目には、スタッフのカンペが見えているのであろうが、そんなこと俺には関係ない。彼女の目線が俺の部屋のどこに注がれているか、それが重要なのだ。俺はお風呂を覗かれたしずかちゃんの気分だった。しずかちゃんは覗かれるであろうことを知っているのだろうと、俺は考える。一時期のび太は頻繁に覗いていた。「今日も覗いてくるかしら?」と、ウキウキしながらお風呂に入っては、期待通りの展開に喜んでいたに違いない。「きゃー!」と言いながらも、頬の赤らみは嬉しさの象徴だったのだ。俺はそんなしずかちゃんが嫌いだったが、今し方好きになった。これは恋ではない。仲間意識だ。
 俺は恥ずかしさに耐えきれず、画面を変えた。「きゃー!」と叫んで犯人を認識し、「のび太さん!!」と水をかけるしずかちゃんの冷静さと勇気に感服した。きっと、だからしずかちゃんなんだろう。冷静沈着に物事を成し遂げる子なのだ。

 かちゃかちゃとチャンネルを変えていくと、青いものが写った。ドラえもんだ。先ほど終わったのにまたやっているとは驚いたが、俺はかまわず見ることにした。俺はドラえもんが好きだ。それ以外に見る理由はいらないだろう。
 ドラえもんが突然机の中に消えた。なんでも、のび太君の20年後に会いに行くという。20年後というと、のび太も三十路の境目を彷徨っている頃だ。俺は親近感を覚えつつも、のび太がホームレスとなって見捨てられていることを願った。のび太のもとを離れる。それはつまり、俺のもとに現れるかもしれないということだ。
 俺は待った。次の展開を心待ちにし、同時にビールをもう一本開けた。シュボッっと爽やかな音が響き、爽快な苦さが俺の喉と心を潤す。準備万端だ。
 さぁ、来い!ドラえもん!!
 心の叫びが口から漏れ、俺の部屋に響いた。

 ゴトッ
 暗がりから音がする。俺は一気に現実へと引き戻された。危険な香りがする。泥棒だ。
 「ど・・・どちらさん・・・ですか?」
 俺の低い声がやけに響く。俺は何も身につけぬまま、ベッドの上から首だけをそちらに向けていた。ここまで無防備だと襲う気もしないだろうと何故か安心する自分に、誇らしさを感じる。もし襲われたら、一緒にビールを飲み明かそう。そして、共にドラえもんを待とう。
 俺は、向こうの出る幕を待った。何章まで続く人生なのかは知らないが、今は彼の番だ。彼女かもしれない。彼女なら恥ずかしいから、俺はどうしても彼にしたかった。彼で決定だ。もう、彼以外に考えられない。
 それにしても静かだ。諦めたのであろうか。それとも様子を見ているのであろうか。物音はそれっきり聞こえない。俺は首を戻すと、またドラえもんへと集中した。気のせいだったという選択肢に気がつき、また寂しさを紛らわす世界へと戻っていく。
 こんな抵抗力の無い男の前に現れる泥棒なんかそうはいない。どうせなら、少しは騒いでくれる女の方が、何かとやりがいがあるだろう。
 誰も相手にしてくれない寂しさを取り戻した俺は、画面上にドラえもんがいないことに気がついた。あれから全く出ていないのだろうか。泥棒にも見捨てられ、ドラえもんにも見捨てられ、俺は路頭に迷った。ついに、袋小路にまで追いつめられた。
 俺と時を共にしようという奴はいないのか。もう、このさい蟻でもいい。ミミズでもいい。蜘蛛だって、蝿だって、蚊だって、蜂だ・・・。いや、蜂はやめておこう。仲良くしすぎて刺されたら、俺の命が危ない。
 それにしても、ドラえもんは何処に行ったのだろう。さっきからのび太くんのワンマンショーが続いている。つまらない。彼には才能がないと思われる。俺はチャンネルを変えようと、リモコンのボタンに手を伸ばした。押してみる。しかし、変わらない。のび太くんから一向に離れられない。リモコンの電池を開けた。くるくると回してみる。電池切れだろうか。

 「のび太くぅん〜?」
 突然、間延びした声が聞こえた。画面に目を向ける。しかし、のび太のワンマンショーが終わった気配はない。
 「誰だ!」とかっこよく振り向こうとしたが、俺は声が出なかった。意外と臆病者なのか、この口め!と、俺は心の中で罵った。俺のせいではないのだ。俺は言おうとした。口が勝手に拒否しただけなのだ。
 俺の振り向いた首は、そのまま呆然と動かなくなった。目の前に奴がいた。青い狸である。体の半分を頭が占め、間抜けな面はのび太に向けたそれと変わらなかった。
 心が歓喜に満ちあふれているのが分かった。そして、同時に思い出す。俺がフルチンだったことを。
 俺は服を探そうと立ち上がった。立つと、丁度ドラえもんの目の前に俺の息子がぶら下がる。体は余計なことを制御しないのが趣味なのだと俺は悟った。
 ドラえもんは無邪気だった。俺をのび太と呼び、息子を前にしても顔色を変えず話し続けた。まるで俺の息子に話しかけているようだ。俺はそんなに小さくない。息子の100倍は大きい自信がある。俺の息子が小さいというわけではない。特に大きくも無いとは思うが、少なくとも人並みの大きさは保っているであろう。
 俺はそんな息子を人見知りから守るようにシーツを巻いた。俺の大事な息子だ。まだ幼い、1歳にも満たない息子だ。経験値の浅い彼には、露出行為は危険であろう。あまりの快感から非行に走らないとも考えられない。もっと一般的な道を学んでから、それから遊びというものは教えていくべきだ。
 俺は神話の神のように布を体に巻き付けると、青狸へと向き直った。青狸は相変わらずの間延びした声で、訳の分からないことを言っている。俺がのび太で、30歳で、しずかちゃんと結婚しているはずだと言う。俺は34だ。しずかちゃんなんて知らねぇ。恋した覚えもねぇ。あいつとはさっき、ようやく友達になれたというのに。
 俺はドラえもんにベッドに座るよう言った。弁解には時間がかかりそうだ。立ち話では難であろう。
 ドラえもんはシーツの無くなったベッドの上に腰掛けると、可愛さを装うように足を降り始めた。これはプログラミングされているのだろうか。それとも学習による成果なのだろうか。どちらにしろ、それは女の子にとって殺人的とも思わせるほどの可愛さを誇っていた。まぁ、男の俺には関係ない。もちろん、息子にも関係ないことだ。
 俺は細かく、俺とのび太君の違いについて説明した。年齢、環境、服装など、説明すべき点はいろいろある。ドラえもんは素直に返事をするが、分かっているのだろうか。反論も質問も無いので不安になってきた。
 説明の最中、段々と俺の口調は激しくなった。不安が怒りに変色し始めたのだろう。怒り口調も受け入れるドラえもんに、俺の怒りは増していった。吐いても冷めることの無い怒り。しずかちゃんが奥さんならば、そんな俺に水のいっぱいでも被せてくれるのであろう。素敵な妻だ。ちょっと欲しくなった。
 俺は怒りを収めるために席を立ち上がった。ビールをもう2本持ってくる。1本は俺の熱冷まし。もう1本は1人で煽る心許なさから、ドラえもんにも分けてやろうという気遣いだ。もっとも、ドラえもんがビールを飲めるのかが嫌がらせとの境目を決める重要項目な訳であるが。
 俺はビールを手に戻ると、眉間に皺を寄せた。ドラえもんがいない。冷たいビールが俺の手から滑り落ち、床へと転がる。不意にどこからか、「のび太くぅ〜ん!」という声が聞こえた。そこか!!と、俺の首が元気に回った。しかし、見えた先にはドラえもんはいない。見えた先にある箱の中に、ワンマンショーを終えたのび太が誰かと話していた。
 「のび太くぅ〜ん!20年後ののび太くんはね・・・」
 間延びした声がする。のび太君ではなさそうだが。
 「とんだ変態だったよ☆」
 ドラえもんが現れた。俺のことを言っている。いや、俺の息子のことだろうか。どっちにしろ、俺はドラえもんの誠実そうな返事が出任せであったことに落胆した。あれだけの説明を理解できない青狸なんて、俺は一生友達になるもんかとテレビを消した。




【あとがき】

 どうでしか?何故か卑猥になりました(笑)
 そして、落ちが微妙。。
 あはははははは・・・・・・・

 まぁ、とにかく読んでくれた人がいましたらありがとうです。
 実は、この先夢だった的展開にしようかと目論んでいたのですが、無念にも破れました。
 繋げられませんでした。
 サンタの日記も書かずに、アホをひけらかしている私をお許しください。。

コメント(6)

》のびー

おぉ♪さようですか?
【卑猥】←のせいでみんな素通りだろうから嬉しいですよ(^^*)
私も書いてて楽しかった☆
ちょっと卑猥だと面白いですよねぇ〜♪




》たくちゃんさん

エロいですか?
合格ですか?(←何が?)
実践キボンヌです(笑)
以前、読むと言ってしまったので
忘れたであろう頃にそろりそろりと・・

彼は一体何考えてんだー!って思いつつ
前半結構笑っちゃいました^^;
変に思い込み激しいし(笑

のび太君のところにドラえもんがこなかった場合
もしかしたらあんなふうになった可能性が・・・とか(ないない

とまともっぽく感想書いてみました!
それじゃっ
》たくちゃん様

実践すれば、もうちょっとマシな作品になりますかね?(笑)



》らーくさん

まともっぽくありがとうです♪
ほんとに、彼は何を考えて生きているのでしょうね?
読み返して、「大企業に勤めている」というのも思いこみではないのか!?と思ってしまった私。。

私のバーチャルドラえもん像が酷すぎて、何処かから苦情が来ないか心配です(笑)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

お話作ってみませんかい? 更新情報

お話作ってみませんかい?のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング