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ハンプティーダンプティー事件簿コミュの事件簿16(完結編)

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100キロ以上あるであろう彼の巨体をタクシーの後部座席に放り込んだあの日から一年。


時の流れというのはあまりに速く、その前では人の存在というのは儚いものにすぎないのだろう。


今ここに彼の姿はない。




彼の涙は、その感激は、久しく感じることの無かった、人の優しくて温かい心に触れたとたん、心の底から溢れ出てきたのだろう。

彼の怒りは、その爆発は、熱い情熱と正義感とそして常識の無さから生まれたのだろう。

時に人はそれを妄想と呼ぶこともある。



今となっては彼の姿を見ることはない。


どこにいるのだろう。


探しに行くべきか。


いや、探してはいけない。


彼の存在は我々の心の中に、思い出の中にだけとどめておくべきなのだ。





我々は知っている。

封印したパンドラの箱を二度と開けてはいけないことを。






「ユニーク」

それは彼の一面を表現した陳腐な言葉に過ぎない。



「下品」

彼はTPOをほんの少し人より理解していなかったに過ぎない。



「情熱」

履き違えたそれを振りかざすことは誰にでもあるだろう。



「アスペルガー」

それだけはマジでシャレにならない!




もし再び彼に会うことがあるのなら、伝えるべきことがたくさんある。

しかしもう会うことはないのだろう。




そう、彼の名は「ハンプティーダンプティー」

かつてそう呼ばれた男が確かにいた。



             完

コメント(9)

終わってしまった…。。
一生のうち、一回くらいはどこかで偶然会えるかなあ。
すれ違えば、気がつかないはずはない。それまでお元気で。。

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