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宮沢賢治研究コミュの心象スケッチ『水汲み』〜星空の暗号?

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 参加して早々ですが、失礼してトピ立て致します。

もう3年前になりますが、賢治の詩:「水汲み」を、
星座早見盤を片手に読んでいて、「これって星のことかな?」と思ったことがありました。


 >ぎっしり生えたち萱の芽だ
 >紅くひかって
 >仲間同士に影をおとし
 >上をあるけば距離のしれない敷物のように
 >うるうるひろがるち萱の芽だ
 >……水を汲んで砂へかけて……

 ち萱の芽が生える季節。賢治の住んでいた岩手県では、2月から3月ごろかな? と思い、
 星座早見盤を2月と3月の境目の、星が見え始めるPM7:00ぐらいに合わせてみました。
 すると、次に続く節、

 >つめたい風の海蛇が
 >もう幾脈も幾脈も
 >野ばらの藪をすりぬけて
 >川をななめに溯って行く
 >……水を汲んで砂へかけて……

 ちょうどこの詩に符号するように、「海蛇座」という星座の頭の部分が、東の空から顔を出します。
 この海蛇座、全天で一番細長い星座なのですが、天の川と平行して空にうねうねと横たわっています。
 ゆっくりと時間の経過に従って星座盤を回すと、このあと一晩中この星座が夜空に見えつづけます。

 >野ばらの藪
 海蛇座の頭の先に位置する天の川の中に、「一角獣座」という星座があり、その中に「薔薇星雲」という天体がありますが…

 …とすると、「川」というのは天の川かな? と仮定して先へ進みます。

 >向う岸には
 >蒼い衣のヨハネが下りて
 >すぎなの胞子をあつめている
 >……水を汲んで砂へかけて……

 一角獣座の近くの天の川の岸辺には、「こいぬ座」のプロキオンという青い星があります。
 >すぎなの胞子…天の川を形成する幾つもの星の集まりは、すぎなの胞子に似てないでしょうか?

 >岸までくれば
 >またあたらしいサーペント

 ほぼ真夜中、
 海蛇座の尻尾が途切れたその東側、天の川の岸辺に、「蛇遣い座」に握られた形で、「蛇座」が現われます。
 >あたらしいサーペント(=蛇の中でも有毒なもの、らしい)に、符号します。

 >……水を汲んで水を汲んで……
 >遠くの雲が幾ローフかの
 >パンにかわって売られるころだ

 あたらしいサーペント(蛇座)が南中するころには、もう夜明けも近い。そうすると、東の雲は朝焼けであかく染まっているのではないでしょうか?
 その様子を、焼きあがった「パンにかわって」と表現したのでは?

 最初の「ち萱の芽」というのも、もしかすると地上の赤く光る芽と、空に光る星とをシンクロさせたのかな?
 なんて考えたりしています。
 天上の人たちは、星の敷物の上を歩くのかと。
 

 というわけで、賢治の「心象スケッチ『水汲み』」、夜空と符号するところがかなりありました。
 『銀河鉄道の夜』と、『星めぐりの歌』に登場しなかった星座が、この「水汲み」という詩の中に登場していると思うとなんだかうれしくなりました。

 よろしかったら、星座早見盤で確かめてみてください。

 …私、賢治研究の本はあまり読んだことがないので、もし「水汲み」に関する記述があれば、教えてください。


 ところで、>…水を汲んで砂へかけて… というのは、何の作業なのでしょうか? どなたかご存知ないですか?

コメント(4)

学生の頃は漠然と天上の風景、星空の世界としてとらえていたのですが、なるほど
星座早見盤かぁ
勉強になりました!

「水汲み」に関する研究ですが、伊藤博美という先生が
「『水汲み』の底流(上)・(下)」 ('98年4月・8月だったかな?)というのがあったと記憶しています

専門が春と修羅(序)と銀河鉄道だったんでその研究をよんでないんですが、こうなるとよんでみたくなりますね
英斗さんがご指摘の伊藤博美さんの論文(「賢治研究75・76」)をざっと読んでみましたが、星というようなことは書いてなかったようです。

制作日付の「1926、5、15」を信じれば、これは羅須地人協会時代の作品だということになります。
賢治が開墾していた畑のすぐそばには北上川が流れていて、そこで文字通りの水汲みをした時の作品なのでしょう。

ヘビが川を泳いで渡っているシーンを書いたのだと思います。
そして川の遙か向こうには「蛇紋岩(サーペンティン)」の山である早池峯山が見えている(下書稿に「蛇紋岩製モナドノック」の語があります)。
つまり、ヘビつながりの連想を楽しんだのではないでしょうか?

そこに、もう一つのヘビである「風の海蛇」が加わっているわけですが、賢治の頭の中には海蛇座のことがあったのかもしれません。
なにしろ北上川は銀河のイメージと重なっていますし、ヨハネとはジョン、つまりジョバンニですから…
はじめまして。
ヨハネ=ジョバンニを最近知って興奮しています。
最近ヨハネが気になって仕方がありません。
レオナルド・ダ ヴィンチが生涯手放さなかった絵の中のひとつはヨハネなんですよね。
ヨハネは河でイエスに洗礼を与えた人ですよね?意味深です。
『水汲み』は今日始めて知りました、是非読んでみたいと思いました。
最初、この「水汲み」を読んだ時、
「なぜ、川なのに海蛇なんだろう?」と思ったので、
天の川/海蛇座 というイメージが賢治にあったのかなー?と思ったのです。

 余談ですが、
「水汲み」は混声合唱曲になっていて、
 作曲者の名前が、高田三郎です。

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