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市民ジャーナルコミュの南部短角牛を守れ!

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最近、南部短角牛がもてはやされている。(スローフード協会の「味の方舟」プロジェクト認定、雑誌「食楽」における人気ブランド牛1位などなど)
南部短角牛は、明治初期に役用牛だった南部牛に、輸入した肉用牛を交配したものである。通常の肉牛は殆ど舎飼いだが、南部短角牛は夏は山へ放牧し冬は牛舎で飼う、夏山冬里方式と言われる放牧主体の飼い方である。
岩手は山間地が多く放牧に適した地形が多い。その放牧地で自然交配をして秋には山から子牛を連れてくる(他の肉牛は、親牛の乳が出にくいため子育てに労力を要する)また放牧中は山の草を食べるために飼料代がいらず、荒れ果てた地域の草資源を利用でき自給率に大きな貢献をし、その放牧地は素晴らしい景観を作り出す。そして農家は、放牧中の5月から10月までは、他の仕事が出来る。
そして他の牛より飼料効率がよく、体重が増えやすく、本来の草資源主体のため内蔵に無理がかからず、内蔵廃棄がすくない。(肉牛の黒毛和牛や乳用牛のホルスタインなどは半分廃棄となるが、南部短角牛は2割である。そして内蔵はことのほか旨い)その作り出す赤身肉は、霜降り肉が交雑している脂肪の美味しさであるが、肉本来の美味しさを持っており、最近の健康志向と相まって高く評価されている。
このように良いところばかりだが、なぜか飼育頭数が減少し歯止めがかからない。
その一番の原因は、低価格である。赤身肉というだけで平成3年の輸入解禁と同時にアメリカなどの大規模畜産の牛の肉と同じ評価がなされてきた。
そもそも南部短角牛は、有畜複合農業の要であった。南部曲がり家という建物は、馬や牛の役畜と一緒に住む為の家で、大量に飼育する方式ではなく、各農家で数頭づつ飼っていた物を博労が買い集めて市場に出していた。ところが昭和36年に農業基本法ができ「他産業並みの所得を!」を合い言葉に、単一作物に移行し、お金に換えやすい農作物・畜産に規模拡大してきた。そして肥育頭数はどんどん増えたが、結果としてグローバル経済による輸入解禁によって競争にさらされることになった。
それに追い打ちをかけるように、霜降り肉信仰・外食産業の隆盛により量の確保・良い物を安くというデフレ経済等が、低価格の原因となった。
肉質や飼育方式で高い評価を得ているが、低価格という経済的矛盾。これを解決するために、様々な手法が取られているが、経済で考えるのではなく、文化として守ることを考えてゆかざるを得ないのではないか?
いずれにせよ、畜産は破綻する。中国の肉食が増え、原油の高騰によって運賃が上がり、代替燃料として飼料からエタノールを採ることが検討され、飼料の流通に赤信号がともされている。
 春、行列を組んで山に上げ、素晴らしい景観を保ち、そして人間に利用できない草資源をタンパク質に替える。その恩恵にあずかる人たち、その文化的価値を理解できる人たちだけで支えて行かざるをえないだろう。
評価と価値が一緒になるまで…

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