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市民ジャーナルコミュの山羊が消えた日

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 10月7日8日と、岩手県岩泉町で全国から山羊の研究者や生産者、100名余の人数を集め「第9回全国山羊サミット〜山羊と共に暮らす豊かな食と農へのチャレンジ!」が開催された。
山羊飼育の多面的な機能を中心に研究報告がなされ、減少している山羊飼育の見直しを考えさせられた大会であった。
山羊は、“舌刈り“と言われるほど、草を何でも食べ、(毒草まで食べる)耕作放棄地の雑草や、土手ののり面などの傾斜地も気にせず、景観を保全する。
また、その乳は、牛乳アレルギーの人々でも飲用出来ると言う。
高齢化した農村の中山間地でも扱いがやさしく、活躍が期待出来る。
そのようなメリットがありながら、だんだん飼養頭数は減少している。
岩手県での山羊の飼養頭数は、戦後の昭和21年に7000頭余をかぞえ、最近では500頭を割って10分の一以下である。
その殆どが、乳を搾る乳用山羊である。配合飼料等の濃厚飼料を与えるために、本来の未利用草資源を殆ど給餌していない舎飼いである。

そんなに年数を数えない昔。山羊はどこでも見られた。
学校帰りの道ばたで山羊は草を咀嚼し、田んぼの土手には、繋がれた山羊が畦草(あぜくさ)を食べていた。
そのまわりでは子ども達が遊び、夕方になるとお年寄りが連れて家に戻った。
そんな風景が、いつの間にか無くなった。
変わって現れたのは、畦畔をエンジンの音を立てて草刈機で刈る農民である。
農業を効率化しようと、大規模化を進めておきながら、石油資源の燃料を使い、農民の手を患わす機械を購入して操作する。
そして何もしなくても、綺麗に雑草を食べてくれる山羊が駆逐された。
これが効率化であろうか?農業の近代化であろうか?
いったい日本の農業は、いつからこのような事態を引き起こすように、なったのであろうか?

昭和36年農業基本法ができ、「サラリーマン並の所得を!」を合い言葉に今まで有畜複合経営であっった農業が、単一大規模栽培に変わっていった。
稲作は、稲作だけ。野菜は特定品種だけ。そして畜産は、畜産専業農家が誕生した。そして効率化・合理化・機械化のかけ声と共に、金のかかる農業へとシフトしていった。
以前は、稲作から出てきたワラは動物の敷きワラに、籾殻は餌と混ぜたり燻炭にしたり、野菜屑は鶏の餌に、そして牛馬や鶏の糞は田んぼや畑にと肥料になった。まさに一軒農家で循環していたのである。
そのバランスが崩れている農家でも、部落内で処理されていた。
 近代農業になってから、畜糞は産業廃棄物として処理され、稲ワラは切り刻まれて水田に鋤混まれたために、敷き料が足りなくなった畜産農家は、海外から輸入し、単一の野菜屑は積み上げられて放置して土に鋤混み、新たな病原菌の巣となった。
これを進歩と言うのであろうか?近代化と言うのであろうか?
山羊が農村から消えた時に、農業は豊かさを失ったのでは無いだろうか?

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