香港映画脇役悪役列伝コミュの【女優列伝】ナム･キットイン(藍潔瑛)

1963年4月27日､香港生まれ。成人前に両親を亡くし､20歳でショウ･ブラザース傘下のTVB俳優養成所入り。同期にカリーナ･ラウ(劉嘉玲)やサンドラ･ン(吳君如)がいた。子供番組への出演を経て連続ドラマのヒロインに抜擢され､"(当時の)５大テレビ局を制圧する"程の美貌と称された。出演映画ではチョウ･ユンファ(周潤發)､トニー･レオン(梁朝偉)､アンディ･ラウ(劉德華)､そしてチャウ･シンチー(周星馳)ら錚々たるスター俳優と共演している。特にチャウ･シンチー監督兼主演｢チャイニーズ･オデッセイ｣２部作で演じた“蜘蛛の精”は大きな話題を呼び､90年代には香港のトップ女優９人の一角に数えられるほどの人気を獲得していた。
しかしスター女優となった一方で､91年に台湾でのドラマ撮影時現地の女優との暴力トラブルを皮切りに､交際相手だった男性２人が相次いで自殺､98年には自動車事故で脳振とうを起こし以後10数年あまり後遺症に悩まされ､入退院を繰返した。精神のバランスを崩すなど私生活にも影響が出て､2005年には自己破産を申請するに至った。
2013年､キリスト教の洗礼を受け､病状も快方に向かうなか取材に応じ｢２人の大物俳優から暴行を受けた｣と独白。2015年TV番組に出演し､落ち着きのある明るい表情で久々に表舞台に登場した。
2018年11月3日､香港･スタンレーにある自宅マンションの洗面所で死亡しているのを友人に発見された。享年55歳。

＜主な出演作品＞
魔界戦士(86)、幸福を求めて(87)、ソルジャーオブマフィア、蒼き獣たち(91)、詩人の大冒険、キラーウルフ白髪魔女伝(93)、チャイニーズ･オデッセイ(95年)