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SFシネクラシックスコミュの『倫敦の人狼』(『Werewolf of London』

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 『倫敦の人狼』(『Werewolf of London』1935年)、『狼男』に先立つこと6年、チ
ベットの怪植物が絡む狼男映画の原点であります。この時点では後年の銀に弱いという
狼男の弱点が設定されておらず、随分と趣が違っています。それに何より狼男のメー
キャップ、額に、思いっきりヤンキーのような剃りが入っているという(笑)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のD
VDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 ここはチベット、世界の屋根、そんなところまでチベットにしか咲かないと言われて
いる珍しい花、マリファサ・ルミナ・ルピナ、燐光を発するという狼花を探しにきたの
がロンドンの植物学者ウィルフレッド・グレンドン博士(ヘンリー・ハル)でありま
す。彼は助手のヒュー・レンウィック(クラーク・ウィリアムス)をお供に一旦入った
が最後、戻ってきたものはいないという谷に踏み込みます。その割りに意外とあっさり
狼花を発見(笑)。大喜びで採取しようとするグレンドンでしたが、彼に近づくあやし
の影。いきなり狼男であります。それもそりこみ入ったがらの悪い奴(笑)。狼男は博
士に襲い掛かりました。なんとか撃退する博士、しかし彼は狼男によって腕を噛み裂か
れていたのでありました。

 さて、ロンドンへ戻ったグレンドン、さっそく狼花を育てようとします。この植物は
「月の光から生命を得る」と言われているので、強い月の光が不可欠。博士は人工の月
光灯を誂えて、植物に毎晩毎晩照射するのでした。博士がこの研究に没頭している時、
訪れたのは彼の妻、リサ(ヴァレリー・ホブソン)、彼女は研究にかまけて旦那さまが
構ってくれないというので怒っていたのです。おまけにリサのおばさんエティ・コムズ
(スプリング・ビイングトン)まで現れて研究室を見せろとかなんとかいうもので、グ
レンドン博士、閉口しますな。

 さて、その後、博士の研究室で植物の展示会が行われます。マダガスカルの巨大食虫
植物がカエルをがぶっ。見ていたエティおばさんが「オエー」となるつまらないギャグ
を挟みまして、現れたのがリサの幼馴染ポール・エイムズ(レスター・マシューズ)で
あります。彼とリサの親しげな様子をみた博士は苦い顔。またエティおばさんが「ポー
ルはリサにプロポーズしたことがあるんだもんね」と余計な一言を(笑)。あわてたリ
サが「ポールが12歳で、私が6歳だったわ」ととりなすのですが、不愉快なことには変わ
りありませんな。むっとする博士であります(笑)。さらにもう一人怪しいお客。同じ
く植物学者を名乗る東洋系の紳士、ヨガミ博士(ワーナー・オーランド)です。彼は初
対面のはずのブレンドンに向かって「チベットでお会いしましたな。それも暗いところ
で」ということはこいつ、あの・・・。さらに彼はブレンドンの狼花を提供して欲しい
と申し出るのです。「私のは持って帰る途中で枯らしてしまいまして、残っているのは
あなたのところだけなんですよ」「はて、なんのことですかな」トボケるブレンドン博
士ですがヨガミ博士はかまわず、「あの花は狼男病の唯一の治療薬なのです」

 ブレンドン博士は馬鹿にしたように鼻を鳴らして「は、狼男って、あれですか、満月
になると毛がむくむくはえてウォーでガンスってやる奴ですか。下らない、私は6歳の時
にその手の話を信じないことにしたのです」「いいですか、狼男病は別の狼男に噛まれ
ることによって伝染する、あなたにも覚えがあるはずだ」ヨガミ博士は手を伸ばして
そっとブレンドンの傷に触れるのでした。ぎょっとして振り払うブレンドン。「と、と
にかく、そんな馬鹿馬鹿しい話は聞けませんな。どうぞお引取りください」

 その夜狼花の花が咲きます。助手のホーキンス(J・M・キリガン)と共に喜ぶブレ
ンドンでしたが、ふと自分の手を見てびっくり。異様な毛が生えてきているではありま
せんか(笑)。仰天したブレンドン、ヨガミの言葉を思い出します。「あの花は狼男病
の唯一の治療薬なのです」彼はホーキンスを追い出すとせっかく咲いた花をもぎ取って
(笑)、その汁を手にぬりたくるのでした。その効果は抜群、あっという間に手が元に
戻ってしまいます。しかし、ヨガミの話が本当だと分かった今、ブレンドンの心にある
のは得体の知れない不安感だけだったのです。

 翌朝、またまたやってきたヨガミ博士。たまたまいたエティおばさんに彼女のパー
ティに誘われるのですが、おばさんったらヨガミ博士を「ヨコハマ博士」と間違えてい
る(笑)。この後もしつこく彼をヨコハマ博士と間違えるギャグがあるのですが、どう
も、あんまり面白くないですな。それにまた日本語かい!なんでチベットと来たら必ず
日本語が関係してくるんだろう。

 そしてブレンドン博士に面会した彼は「今夜は満月になります。花を使わせてくださ
い」しかしブレンドンは彼の願いを再び拒むのでした。「そんなこと言われてもできな
いものはできないのです。どうかお帰りください」しかし、その後何者かの手が花をも
ぎ取ってしまうのです・・・。

 そして満月の夜となりました。ブレンドンはリサとポールをエティおばさんのパー
ティに送り出します。そして書斎のこもって変事を待っておりますと、はい、満月が昇
りました。またブレンドンの手から毛がむくむく。仰天して立ち上がるブレンドン、訳
のわからぬ衝動に駆られて屋敷から走り出してしまいます。「月が出た出た 月が出た
 ビッグベンの上に出た あんまりビッグベンが高いので さぞやお月さん 五月蝿か
ろ、サノヨイヨイ へんしーん」狼男になってしまいました。この場面、彼の体が柱の影
に隠れるたびに変身が進んでいくという特撮が楽しい。でも、ブレンドンの狼男も額に
剃りが入っているんだよなあ(笑)。彼は研究室に花を取りにいくのですが、何時の間
にか盗まれていることを知ってうぉぉぉーん!彼は帽子・マフラー・コートを身につけ
夜のロンドンへと出かけていくのであります。

 外出に際して自分の顔を隠すために帽子・マフラーを使うことから分かるように、狼
男になっても最低限の理性が残っているという設定になっています。このへん、後年の
ロン・チャーニィの狼男とは随分違っているようです。むしろ、「ジキル博士とハイド
氏」に近い存在と言えるでしょうか。

 その頃エティおばさんはパーティで酔っ払って大はしゃぎ。リサたちにからんだりヨ
ガミ博士をまた「ヨコハマ博士」と間違えたり、しまいにはもうべろんべろんになって
ポールと彼の叔父でスコットランドヤードのえらいさんであるフォーサイス(ローレン
ス・グラント)によってベッドに放り込まれてしまうのです。そして彼女の寝室に侵入
してきたのがブレンドン=狼男だったという訳。狼男、うぉぉぉーん、おばさん、
ギャーッ!えらい騒ぎとなって狼男は逃げちゃいました。なんだなんだと駆けつけてき
た人々に向かっておばさんは「悪魔だ、悪魔がきた、目が緑色にぎらぎら光っていた
わ、ああ、おそろしい」ポールとフォーサイスは顔を見合わせて「夢でも見たのだろ
う、困った人だ」

 しかし夢ではなく実際の存在である狼男、ついにロンドンの街角で若い女を襲ってし
まいます。恐怖に目を見開く女、わっと飛び掛る狼男、はい、ずったんたんのギッタン
タンにしてしまいましたとさ。この殺人事件、翌朝の新聞ででかでかと報じられます。
ホテルでこの記事を読んだヨガミ博士、ううーんと難しい顔をしておりますな。この時
朝の掃除をしていたメイドが彼の前に置いてあった花を片付けようとしますとヨガミ博
士、俄かに激昂し、「こら、このくそあま、その花にあにするだ、こんちくしょう」
(興奮しているので思わずお国訛りがでてしまったらしい)。この花こそ、彼がブレン
ドンの研究室から盗んできた狼花だったのです。まあ、そんな大事なものをこれみよが
しに机の上なんかに置いてるこの人が悪いんですが。

 そしてもう一人真相に気づいた人間が一人。そう、ポールであります。彼は叔父の
フォーサイスのオフィスにいってこの事件の犯人は狼男ではないかと説明します。「お
前、何を言い出すのだ。だからもうお前をアメリカなんぞにやりたくなかったんだよ」
「そんなこと言ってもですねえ、叔父さん、状況からして犯人は狼男以外にありえない
じゃないですか。それに狼男は実在するんです。僕はユカタンに行った時、地元の漁師
から聞いたのです」どうも根拠が弱いのですが(笑)。同じ頃、ブレンドン博士も新聞
を見てぎょっ。「昨夜のアレは幻覚や夢ではなかったのだ」心配になった彼はリサから
夜のドライブに誘われても断乎として断ってしまいます。それなら私ポールと行くわと
リサが拗ねるのに、「いかんといったらいかん、それにわしという夫がありながらポー
ルと出かけるなんて許さんぞ」はい、リサ、出かけてしまいました(笑)。博士、彼女
の背中に向かって「せめて、月が出る前に帰ってきておくれ」

 さてブレンドン、「今夜も満月だ、また人を殺してしまう、リサから離れなくては、
愛するものを害してはならぬのだ」と悩みましてとりあえず屋敷を出ます。そうして貧
民街でホワック夫人(エセル・グリフィーズ)の下宿を借りまして閉じこもるのです
が、月がでちゃうと駄目。またも「月が出た出た 月が出た ビッグベンの上に出た あ
んまりビッグベンが高いので さぞやお月さん 五月蝿かろ、サノヨイヨイ へんしー
ん」と窓から飛び出してしまうのです。狼男は何を考えたかロンドン動物園に向かいま
す。折りしも動物園では係員の男と若い女が逢瀬の最中。男、女と抱き合いながら「あ
ああ、僕には奥さんも可愛い子供もいるのに、こんなことをしていちゃ駄目だ。でもこ
の若くてぴちぴちした体を拒むことができないのだ、あああ」うるさい男だよ(笑)。
その時突然鳴り響くうぉぉぉーんという吠え声。「動物園の狼が逃げたのか」男が檻を
調べにいった隙に狼男、女に襲い掛かります。はい、またもずったんたんのギッタンタ
ンにされてしまいましたとさ。

 こうなるともうスコットランドヤードも黙ってられません。おまけにヨガミ博士が
フォーサイスの下を訪れて事件の真相を話してしまったのであります。「ロンドンに狼
男がいること。これから満月の晩がくれば必ず犠牲者がでること、狼男への対策はブレ
ンドン博士が栽培している花だけ」これらのことを一気呵成に喋っちゃった。しかし、
フォーサイスは今だ信じられず「ポールも同じことを言っていたが、まさかそんな」結
局何の対策もされなかったのです。

 ブレンドン博士、あの花が咲くにはもう一晩必要ということでまた隠れようとしま
す。今度の隠れ家はリサの実家。管理人に頼んで入れてもらい、窓に鉄格子がついてい
る陰気な部屋に閉じ込めてもらいます。しかし、悪いことにこの実家にリサとポールが
ドライブで来ちゃった(大笑い)。何も知らずに楽しそうに過ごす二人です。しかし、
その間にもブレンドンは「月が出た出た 月が出た ビッグベンの上に出た あんまり
ビッグベンが高いので さぞやお月さん 五月蝿かろ、サノヨイヨイ へんしーん」狼男
になってしまいます。さらにあろうことか絶妙のタイミングでリサを口説きだすポー
ル。「僕はずぅっと君のことが好きだったんだ」おいおい、君ら、狼男に見られてい
るって。狼男、この間男の暴虐に辛抱し切れなくなって鉄格子を破壊。外に飛び出して
しまいます。「うぉぉぉーん」リサとポールに襲い掛かる狼男。ポール、棒で狼男を殴
り倒して危うく難を逃れるのでした。狼男、お前、棒でぽかりとやられてひっくり返る
なよ(笑)。それにキャインと鳴くな。何だ、拍子抜けだな、こりゃ。

 翌朝、フォーサイスに昨日の事件を説明するポールであります。「叔父さん、僕は見
ました、あれはブレンドン博士でした。彼が狼男だったのです」ところがそこに届いた
ホテルのメイドが殺されたという知らせ。このメイドも獣にやられたような死体。これ
も狼男の仕業でしょうか。フォーサイスは首を捻ります。「じゃあ、その狼男はブレン
ドン博士ではありえない。翼でもなければリサの実家とホテルを行き来するなんてでき
ないからな」ホテルの現場を調べますと、干からびた花が二つ。しかもこの部屋を借り
ていたのはたれあろう、ヨガミ博士、その人だったのです。「ならばこの花は、ヨガミ
博士が言っていた狼男の治療薬」すべての謎が解けました。フォーサイス、ポール、警
察官たちはブレンドン博士の研究室へ向かいます。

 ホーキンスの努力でようやく花を咲かせた狼花。ブレンドン博士、早速切り取ろうと
するのですが、ヨガミ博士がこっそりやってきて、隙を見つけて、ああ、切っちゃった
(大爆笑)。愕然とするブレンドン博士の目の前で手に花の汁を塗りたくるヨガミ博士
です。「そうか、チベットで私を襲ったのはお前だったのだな」「気づくのが遅いわ、
ブレンドン」ヨガミ博士開き直ります。「お前もわしも狼男の呪いから逃れることはで
きんのだ」ここで満月が出まして、はい、「月が出た出た 月が出た ビッグベンの上
に出た あんまりビッグベンが高いので さぞやお月さん 五月蝿かろ、サノヨイヨイ へ
んしーん」狼男、ヨガミ博士を惨殺するのであります。

 その余勢をかって今度はリサに迫る狼男。リサ、必死になって「あなた、分からない
の、私よ、リサよ」でも所詮は狼男ですから「うぉー」としか言わないの。危うしリ
サ、絶体絶命となったところでズドーン。駆けつけたフォーサイスが拳銃で狼男を撃っ
たのです。ばったり倒れる狼男。苦しい息の中から「フォーサイス、撃ってくれてあり
がとう。これしか道はなかったのだ。さようならリサ、甘えてばかりでごめんねじゃな
かった幸せにしてやれなかったな、すまん」がく、息を引き取る狼男。その顔がすーっ
と変化してブレンドン博士のそれに戻ります。「ああ、あなた」死体にしがみついて泣
き喚くリサ。フォーサイスは「ブレンドン博士は怪物から妻を守ろうと戦っていた、そ
こを私が誤まって撃ってしまったのだ、そういうことにしよう」「ああ、あなた、あな
た」なおも泣き喚くリサ。でもどうせ、半年もしたらけろりとしてポールと再婚するん
じゃないのと思わされたところでエンドマーク。

 チベットのヨガミ博士(これはオオカミ博士の間違い?)というキャラが物語りに深
みを与えておりまして、実に面白い。ただ、あの花捜してわざわざロンドンに来たのは
いいけれど、一回だけしか効かないからすぐになくなってしまうと思うんですけど
(笑)。とっととチベットに帰ったほうが良かったのでは。

 スタンダード・モノクロ。モノラル音声。画質・音質とも良し。何の不満もなく70年
前の映画が楽しめるのですから、いい世の中になったものですな!「狼男レガシーコレ
クション」』『フランケンシュタインと狼 男』(『FRANKENSTEIN MEETS THE WOLF
MAN』1943年)、『謎の狼女』 (『SHE-WOLF OF LONDON』 1946年)、『倫敦の人狼』
(『Werewolf of London』1935年)を収録。UmvdのDVD。

            JZT07733 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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