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SFシネクラシックスコミュの『フランケンシュタイン 死美人の復讐』(『Frankenstein Created Woman』 1967)

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 『フランケンシュタイン 死美人の復讐』(『Frankenstein Created Woman』 1967)

 フランケンシュタインシリーズながら“怪物”が登場しないという異色作。しかし、ちゃんとカッシングの珍妙な実験も見られるし、人もざくざく殺されるのでどうかご安心ください(笑)。

冒頭、のっけから強盗殺人犯のギロチン処刑という心温まる展開(笑)。この処刑をこっそり見ていた少年がおります。彼の名はハンス。なんとこの死刑囚の息子でした。するするとギロチンの刃が引き揚げられてズダーンと落ちます。ここでオープニングクレジット。

 時は流れてリッパな青年となったハンス(ロバート・モリス)は医者のヘルツ先生(ソーレイ・ウォルターズ)を手伝っております。ヘルツ先生、時計を眺めながら「ええか、一時間ぴったりに冷凍庫からあれを取り出すのじゃぞ」秒読み開始。ハンスは彼の合図で、言われたとおり冷凍庫から棺桶みたいな箱を引きずり出したのであります。

 これを開いてみると入っていたのがかちんこちんになったフランケンシュタイン男爵(ピーター・カッシング)。冷凍カッシングであります(笑)。ヘルツ先生とハンスは彼に電極を繋いで、蘇生を開始。数度の電気ショックで彼を蘇らせることに成功したのです。

 よろよろと立ち上がったカッシング、震える体をストーブで温めながら「よし、実験は成功だ。私の体は一時間に渡って死んでいた。しかし、このように蘇生をすることができた。それは肉体が死んでも魂が残るからだ!」といつもながら今ひとつ分かりにくい理論を述べたのであります。ヘルツ先生は首をかしげながらも、まあ、この人は大変なお酒好きなものですから、「実験成功とくればお祝いをしなければなりませんな。よし、ハンス、例の料理屋からシャンパンを買ってこい」

 妙に張り切って料理屋へ向かうハンス。それもそのはず、彼はここの一人娘クリスティーナ嬢(スーザン・デンバーグ)にホの字だったのであります。ただし、このクリスティーナ嬢、顔に大きな赤い痣があって、また体も不自由という可哀想な身の上。彼女の父親クリーブ(アラン・マクナートン)は何とか彼女を治そうとして、あっちこっちの医者に見せております。当然ながらそんな娘に近づく男は許せん、しかもそれが殺人犯の息子ならなおさら許せん!てめー、ハンス、娘に近づくな!ということになるのでして(笑)。

 それでもハンス、なんとかヘルツ先生のコートと引き換えにシャンパンを手に入れまして戻ろうとしたのですが、ここにやってきたのがアントン(ピーター・ブライス)・カール(バリー・ワレン)・ヨハン(デレク・フォールズ)の裕福だけど、ハナモチならないドラ息子三人組であります。彼らは厨房にこもっていたクリスティーナを呼び出し、さんざんにからかいます。あまつさえ体の不自由な彼女にわざとワインを運ばせるのでした。そしてアントンの服にワインをこぼしてしまうやいなや、「テメー、この○○○の○○女、何しやがる」と聞くに堪えない罵詈雑言で彼女をののしったのであります。

 これで我慢できなくなったハンスは三人に向かって大立ち回り。多勢に無勢でさんざんに殴られたのですが、料理店のナイフを見つけて形勢逆転。彼は飛び掛ってきたアントンの額に切りつけます。しかし、ここでおまわりさん登場。騒動は治まったのでした。しかし、額を切られたアントン、燃えるような目つきでハンスを睨んでおります。

 ハンスはこの後クリスティーナの部屋に夜這い(笑)。彼女を慰めるうちに盛り上がってキス、ベッドインと相成りました。一方、なかなか帰ってこない助手を心配したカッシングとヘルツ先生が料理屋へやってきます。カッシングは額の傷を抑えているアントンを見て、「おお、その傷は放っておくといかんことになるよ、すぐヘルツ先生に治療して貰いなさい。治療費は大負けに負けて5クラウンだ」これで夕食代(シャンペン付)が浮いたという・・・(笑)。

 カッシングとヘルツ先生が帰った後も料理屋に居座ってぐずぐず飲んでいたアントンたち、ついにクリーブに「看板ですから、帰ってください、何、金がないからツケにしろ、先週も先々週もそうだったでしょ、それで金を払ったためしがないじゃありませんか、もういいから二度とくるんじゃないぞ、この若造ども!」と追い出されてしまいました。

 三人はそれからクリスティーナの部屋の窓のすぐ下に居座って「美人さん出ておいで」とかまたさんざんにからかいます。夜も更けたというのにうるさい奴らです(笑)。クリスティーナとベッドにいたハンスはこれを聞いて飛び出そうとするのですが、クリスティーナに止められてしまいました。「放っておけばそのうちいなくなるから」という彼女の言葉通り立ち去る三人組。しかし彼らはまた料理屋に戻って鍵をこじ開け侵入。二次会を始めたという・・・。と、この時帰宅した筈のクリーブが戻ってきてしまいました。彼は家の鍵を店に忘れてしまっていたのです。

 三人組は戻ってきたクリーブに気づかれるやいなや、「えいやっちまえ」三人でさんざんに殴る蹴るの乱暴。ついにクリーブを死に至らしめてしまったのであります。

映画とはいえ、もうイヤになるくらいのヤンキーですな、こいつら。

 さて、この時カッシングとヘルツ先生が何をやっていたのかというと決まってます。次の怪しい実験です。彼らは岩にある種の装置を繋いでエネルギーを取り出します。このエネルギーは地熱ということなんでしょうかね。続いてカッシングはこのエネルギーを利用してある種の力場を作ることに成功します。この目に見えない力場の中にグラスを置いてピストルをずどん。力場は見事弾をはじき返してしまいました。「わははは、これでわたしの研究はなったも同然。これで魂を捕まえておくことができるぞ」高笑いのカッシングであります。

私だったらこれ軍隊に売り込みますけどね。だって銃弾をも跳ね返すバリアになりますもん。

 翌朝、事態は急展開。新しい医者のところへ行くクリスティーナを見送ったハンスですが、戻る途中、いきなり警察にクリーブ殺しの容疑者として逮捕されてしまったのであります。直ちに裁判が開かれ逮捕した警察官の「こいつの父親は殺人犯でした、蛙の子は蛙です」、アントンの「こいつは途方もない乱暴ものです。この傷も彼にやられたのです」という証言によってたちまち不利な状況へと追い込まれてしまいました。カッシングは数少ない彼の味方として「彼は勤勉で頭が良く、心理学的に見ても殺人などできる男ではありません」と証言したのですが、何しろ、ハンスが犯行時刻にどこにいたのか言えない、ええ、クリスティーナのところでヤッてましたなんて、とてもじゃないけど口に出すことはできません。アリバイを証明できなかったことが決めてとなって理不尽にも死刑判決が下されてしまったのです。

 そうなるとむやみに張り切るのがカッシング(大笑い)。証言の通りハンスの助手としての能力を認めてはいるのですが、このチャンスを逃すことはできません。彼は呆然としているヘルツ先生に「いいか、処刑後一時間以内に死体を引き取ってくるのだ。これで魂を力場で保存して、その間に肉体を修復すれば、また蘇らせることができるぞ」

ほどなくハンス処刑の日がやってまいりました。そんな時世界最悪のタイミングで医者の治療から戻ってきたクリスティーナ、馬車から今にも首を切り落とされんとスというハンスを見てしまいます。彼女は「ひー、ハンス、ハンス、やめて」と叫びながら馬車から降りて駆け出すのですが、無常にもギロチンの刃が引き揚げられてズダーン、ハンスの首がすぽーん。

 これで絶望したクリスティーヌ、橋から川に飛び込むという文七元結みたいな方法で自殺してしまいました。

 一方、ハンスの死体は計画通りカッシングとヘルツ先生のもとへ。この地で開業して30年というヘルツ先生、当然ながら村人たちのさまざまな秘密を知っておりまして、今回は看守の「美人だけどあるとき急に太りだした仲良しのご夫人の処置」の件を奥さんに言うぞと脅して死体を手に入れたという・・・。あ、念のために言っておきますが、太ったといってもモノを食べ過ぎたとかそういうことじゃないですからね、お腹のあたりが急に膨れだしたということですからね。

 カッシングとヘルツ先生は死体を2階へ運び上げ例の力場装置にセット。両側に備えられたパラボラアンテナがびびびと光りだします。「力場展開!」「位相同期開始」「出力上昇中」というカッシングの掛け声と同時に死体の上に光る玉が出現したではありませんか。「おおお、見ろ、我々は魂を捕獲することに成功したのだ。後は別の死体にこの魂を入れれば良い」この別の死体というのが、川から引き揚げられて運び込まれてきたクリスティーナですよ。この成り行きに仰天するヘルツ先生ですが、カッシングの方はまったく意に介しておりません。それどころか「死体を探す手間が省けちゃった、ラッキー」と喜んでいるくらい(笑)。

 そして二人は魂をクリスティーナの死体に注入。そしてついでだからということでカッシングの指示に従ってヘルツ先生が脳手術。脳血栓が原因であった彼女の麻痺を完全に取り除いてしまったのです。顔の方もあれこれいじくって、はい、半年たって包帯を取ってみたら輝かんばかりの美人に生まれ変わったのでありました。

 治療の結果、クリスティーナの髪の毛の色が変わってしまいましたが、これが後の展開に繋がる伏線になっておりますので皆さん、どうぞお忘れなく。

 完全な体となったクリスティーナですが、彼女の記憶だけは完全になくなっています。折りにつけ「ここはどこ?私はだあれ?」と言っております。そんな彼女に容赦なく次の実験を試みるカッシング。彼はクリスティーナを例のギロチンのところへ連れて行き「さあ、あれを見るのだ、そして何を連想する、さあ、さあ」クリスティーナ、ショック状態となって「パパ、パパ」と叫ぶのでした。

 カッシングは大喜び。「おお、これはハンスの記憶だ。ハンスの魂は彼女の体の中で生きているのだ」

 しかしこの実験がクリスティーナの中のハンスを目覚めさせたようです。ここから世にも恐るべき惨劇が始まるのです。

 さて、あのどら息子アントンは今日も今日とて飲みに出かけようとしております。今は空き家となっているクリスティーナの家を見てふふんと笑ったアントン、飲み屋へ行こうとしたら闇の中から「アントン、アントン」という声。彼はぎくりとして立ち尽くします。それは紛れもないハンスの声だったからです。「しぇー」と飛び上がったアントン、飲み屋に逃げ込みます。そのただならぬ様子に驚いたカールとヨハンは何があったのかと問いただしたのですが、アントンは酒をぐびぐびあおって「何でもない、構わないでくれ」というばかり。悪酔いし始めたので、カールとヨハンは呆れて帰ってしまいました。

 その後、看板で店を追い出されたアントンは「ういー、ひっく」と千鳥足になって家へ帰ろうとします。その彼の目に飛び込んできたのが街角に胸の谷間を必要以上に開けたドレス姿でたっているクリスティーナ。顔の傷はないし、髪の毛の色も変わっておりますので、酔ったアントン、彼女に気がつきません。それどころか角の空き家でいいことしまショと誘われて元クリスティーナの家に誘い込まれてしまうのです。男ってバカですね(笑)。にやにやしながら服を脱ごうとしているハンス、しかしまた「クリスティーナ、殺せ、殺せ」というハンスの声が聞こえてきた!恐怖に目を見開くアントン、いきなりギロチンの刃がどたーんと落ちて、殺された!

 これはクリスティーナがアントンをギロチン台まで引っ張っていって首をちょん切ったのか、それともアントン殺害のメタファーなのか良く分かりませんが、とにかく殺されたのです。

 次に狙われたのはカールであります。彼はアントンが殺されたことで完全にびびってしまっていてもう酒びたり。ヨハンに「これは天罰なのだろうか」などと言って「馬鹿なことを言うのではない」と叱られたりする始末。そんなに怯えきったカールですが、やっぱり飲み屋に現れたクリスティーナの誘いに簡単に乗っちゃうのです。男ってやっぱりバカですねえ(笑)。今度は飲み屋の厨房にあった包丁でドカッ!カール、殺されました。クリスティーナは死体のそばに「ハンス」という血文字を残します。

 ヨセフ、この文字見て「ひー、ハンスが生き返って復讐しているんだ、次は俺だ」と恐怖して逃げ出します。

 町の人々、そして警察はこの事件にピーター・カッシングが関係しているのではないかと、まったく正しいことを考えて(笑)屋敷へ押しかけてきます。そしてカッシングに「あんた、ハンスを生き返らせたろ、黒魔術を使って」と詰め寄ったのです。カッシングは落ち着いたもの。「墓を暴いてみなさい、そうすればハンスが生き返ったとかありえないことが分かるから」早速に彼の墓を暴きますと、なるほど死体は確かにあった。でも何者かがハンスの首を盗んでいたという・・・。

 それはもちろん、クリスティーナです。彼女はハンスの首と語り合っております。「次はどうすればいいの」「決まっている、ヨハンめを殺すのだ」クリスティーナ、出動します。

 さて、荷物をまとめて町を逃げ出したヨハン、乗り合い馬車に乗り込んでほっと一息。ところが馬車には先客がいました。もちろん、クリスティーナであります。そしてヨハンは先の二人と同じく彼女にぽーっ。何の警戒心もありゃしません。それどころか、「私、あなたとどこかでお会いしませんでしたっけ」などと聞いたりしております。大バカヤローです(大笑い)。そのまま彼女の色香に惑わされてキスしてしまいました。

 一方、カッシング、一連の殺人事件は「クリスティーナの中のハンスの魂が彼女に命じてやらせているのだ」と確信。警察官に説明するのですがもちろん信じて貰えません。「早く止めなければ」と焦るカッシング、二階の窓から逃げ出し、自家用の馬車を使って彼女を追いかけたのです。

 馬車の中で抱き合っているヨハンとクリスティーナ。と、馬車が止まってしまいました。馬の蹄鉄が外れてしまったのです。走れるようになるまでちょっと時間が掛かるというのでヨハンとクリスティーナは馬車を降りて歩いていくことになりました。途中でクリスティーナ手作りのお弁当を食べてご満悦のヨハン。やっぱバカだよ、こいつ。膝枕をしてもらってうっとりしてやがる(笑)。クリスティーナはナイフを取り上げます。そして静かな声で「ヨハン」びっくりして「何で僕の名前を知っているの」と叫ぶヨハンに、「それは私がクリスティーナだからよ、この人でなし」ナイフを振り上げて「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んでぐさぐさぐさ。

 満足げなハンスの声が響きます。「よくやった、クリスティーナ、もう休んでいいよ」

 ようやくやってきたカッシング、しかし、クリスティーナは彼の目の前で「もういいのです、私がするべきことはわかってます」崖下の川に飛び込んでしまいました。愕然として立ち尽くすカッシング。エンドクレジット。

カラー・スクイーズのワイド。モノラル音声。やや色彩が単調で暗部の諧調も不十分ですが、まあ、満足できる画質といえましょう。音質は台詞に力があって、恐ろしさを倍化させてくれます。エス・ピー・オーの国内版DVD。

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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