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SFシネクラシックスコミュの『幽霊の館』(『Invisible Ghost』1941)

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 『幽霊の館』(『Invisible Ghost』1941)はベラ・ルゴシ主演のホラー。
死んだ夫人の呪いでルゴシがおかしくなって連続殺人を起こす映画・・・と
思っていたら、ええ、なんでこうなるの?一見フツーのホラーを装いつつその
実体は欽ちゃん的不条理に満ちた駄目映画だったという・・・。

 これもまたヒドイ画質。画面の右枠がささくれ立っているんですけど?

 ベラ・ルゴシ演ずるチャ−ルス・ケスラー氏、豪奢な屋敷の居間で亡き妻の
肖像画に見入る彼に声を掛けたのが黒人執事のエヴァンス(クラレンス・
ミューズ)であります。「旦那様、夕食の準備ができました。奥様もお待ちで
ございます」はぁ、妻?「うむ、ありがとう」驚きもせずに夕食のテーブルに
つくケスラー氏、誰もいないテーブルの対面に向かって「ふふふ、お前の変わ
らぬ美しさに乾杯だ。ところでどうだ、今夜は久しぶりに・・・、むひひひ」
どうやらケスラー氏、妻が死んだことを理解できず、こうやって脳内芝居をし
ているようであります。

 そんな彼を痛ましげに見つめる娘のヴァージニア(ポーリー・アン・ヤン
グ)。ここに突然尋ねてきたのがボーイフレンドのラルフ・ディクソン(ジョ
ン・マクガイア)でした。ヴァージニアは驚いて「まあ、ラルフ、今夜だけは
こないでといったのに」「いやいや」ラルフはにやけて「君の顔を一日見られ
ないなんて寂しすぎるよ」ポール、この時に食堂で一人芝居を続けるケスラー
氏を見てしまうのでした。驚くラルフにヴァージニアは「父はね、暖かくなる
とおかしくなるの。特に啓蟄の頃が1番いけないみたい」ってウソですから、
こんな映画でこんなこと言うはずがないですから(笑)。

 本当は「父はね、一年に一遍、母の命日になるとああなってしまうの。いま
だに母のことを忘れられないのだわ」実はケスラー氏とケスラー夫人(ベ
ティ・コムプソン)は仲睦まじい夫婦だったのですが、なんとしたことか夫人
に男ができちゃった。そうして男と車で駆け落ちしようとして事故を起こして
しまったのですな。事の次第を聞かされて驚くラルフですが、「それはそれと
して、ヴァージニア、君の車でドライブに行こうよ」お前、人の話聞いてない
じゃろう(笑)。そうして二人はキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 その二人を恨めしそうに見ていたのはメイドのセシル(テリー・ウォー
カー)。彼女は二人が出かけた後、台所でエヴァンズ、庭師のジュールズ(エ
ミィ・アダムス)相手に愚痴をこぼします。「あの二人結婚しちゃうのかし
ら、もうイヤになっちまうな」エヴァンスはそんな彼女に「おい、口は禍の元
だ、ここで長く働きたきゃ何があっても知らんフリをするのが利口ってもん
だ」「へー」セシルは目を吊り上げて「人殺しにも知らない顔するの?ジュー
ルズから聞いたわ、ここで殺人があったそうじゃない」「ジュールズ、お前、
余計なこといいおって」ジュールズ、こりゃやばいと逃げ出してしまいました
(笑)。

 その後、ジュールズは怪しい動きを見せます。冷蔵庫から食料を盗み出し、
ある建物へ。その地下室へ降りていくとおお、ベッドに寝ている美女。なんと
ケスラー夫人ではありませんか。目を覚ました夫人、「ああ、家に帰りたい、
でも駄目ね、あの人と車で逃げたのだから、早く、もっともっと飛ばしてど
かーんってなってしまったから」ジュールズ、夫人に先ほど盗んだ食料を食べ
させると、「じゃ、あっしはこれで」と帰ってしまいました。夫人のことは
ジュールズの奥さん(オトーラ・ネスミス)も知っておりまして夫に「いつま
でも隠しておけるわけないわ、ひょっとしたらあの屋敷の殺人事件にも関わっ
ているんじゃない」なんだかよく分からない展開だなあ。だいたいなんで
ジュールズが夫人匿っていたの?なんでその存在を隠さなきゃならないの?

 ここでドライブからヴァージニアとラルフが帰ってまいります。カーセック
スで2回という雰囲気を濃厚に漂わせた二人はさらにキスをして名残を惜しみ
ます。そうしてようやくおやすみを言ったラルフは徒歩で帰ろうとしますな。
ヴァ−ジニアは屋敷に入ってエヴァンスに車の鍵を渡すと「ガレージに入れて
おいて頂戴ね」お嬢様ですなあ。

 さて、とぼとぼ歩いているラルフの前に現れたのがセシル。「あんた、あた
しのこと捨てて、あの女と結婚するつもりね!」なんとしたことか、二人は過
去に付き合っていたのですなあ。しかしラルフは涼しい顔で「ふん、お前のこ
となんか愛していなかった、遊びだったんだよ、あれは」「ウキ−ッ」激怒す
るセシルであります。「あんた、そんなこと言うんだったら、あたし、今まで
のこと全部ヴァージニアに喋っちゃうから!」走り去ります。えー、ここまで
の会話、二人とも大声で喚きあっていたので(笑)車をガレージに入れようと
していたエヴァンスに全部聞かれてしまったという・・・。伏線がまかれたと
ころでいよいよ殺人劇。いきなりあの建物からケスラー夫人が出動してくるの
です(笑)。彼女はさっき家には帰れないと言っていたことをころりと忘れて
屋敷のそばにやってきますな。その夫人を窓から目撃するケスラ−氏。夫人は
もごもごと呟きます。「家には戻れない、だってあなたが私を殺すから、あな
たは誰だって殺すから」急に様子がへんになるケスラ−氏。彼はふらふらと歩
いてセシルの部屋へ行くと、上着を使って彼女を絞め殺してしまったのであり
ます。

 これがどうやらケスラー夫人の呪いらしいのですが・・・。

 翌朝、エヴァンスがセシルの死体を発見してたちまち屋敷は大騒ぎ。大勢の
部下を従えてやってきたウィリアムス警部(ジョージ・ぺムブローク)は「手
口からみて半年前の運転手殺人事件と同じ犯人なのでしょうな。指紋もないと
きている、いったいどうやって首をしめたのだか」ケスラ−氏が上着を使って
しめたなんて知らない警察は右往左往しますが(笑)、あ、セシルの寝室から
ラルフの手紙が見つかっちゃった。あわせてエヴァンスの「ラルフはセシルと
ビックリするような大声で痴話喧嘩していました」という証言があったもので
すから、ラルフあっさりと逮捕されちゃいました。新聞の見出し曰く「イカし
たブロンド殺人事件-容疑者は無実を訴える!」

 ラルフは裁判にかけられます。昔の下宿のおばさんが「そうそう彼はセシル
と付き合っていました。いつか結婚するのではないかと思ってましたわ」と余
計な事を言います(笑)。もう一度エヴァンスの証言が繰り返されてああ、ヒ
ドイ、ラルフ死刑判決されちゃった。ケスラー氏とヴァージニア、彼の無実を
懸命に訴えるのですが、何しろ確としたアリバイもないので、判決が覆ること
はありません。そして、ついに処刑されてしまうラルフ。

 でもなあ、似たような手口で半年前に運転手殺されているんだろ、フツー、
屋敷にいるケスラーが疑われるよなあ(笑)。

 数日後、ケスラ−氏をあるお客が訪れます。彼を迎えたエヴァンズは仰天。
お客がラルフそっくりだったからであります。これはラルフ役のジョン・マク
ガイアの一人二役ですからムリもありません。そのお客がラルフの兄弟ポール
で南米から真犯人を捜すためにはるばるやってきたという事情が明らかにされ
てからも台所でエヴァンズがジュールズや新しいコックのマリリンに「ね、お
れ、顔青くなってね?なってね?」としつこく聞くギャグがよろしい。ケス
ラーとヴァージニアはポールを大歓迎。「好きなだけ屋敷なさるがよろしい」
ということになります。しかしその夜再びケスラー夫人が出動、また彼女に魅
入られたケスラーはふらふらと歩いて台所に行き、また上着を使ってジュール
ズを絞め殺してしまったのであります。

 この場面で突然絵が途切れてカラーバーになるのにびっくり。モノクロ映画
でなんでカラーバーなのか。つくづくヒドイDVDだなあ。

 また呼ばれてきたウィリアムス警部。「これも同じ手口ですな、喉に残る筈
の指紋が残っていない。どうやって締めたのか」この時点でラルフが無実だっ
て分からないかね(笑)。ポール、ヴァージニアからセシル以前にも殺人事件
があったことを聞いてびっくりします。「警察はなぜこの屋敷を封鎖しないの
だ」警部が苦りきって「だって、ケスラ−氏が承知しないのだ。彼はこの屋敷
で奥さんの帰りを待つつもりなのだ」

 ここでまた不可解な事件。検死官の事務所を訪れたケスラー氏、偶然夫に最
後のお別れにきたジュールズの奥さんに会いますな。「こりゃ、どうもとんだ
ことで」「ああ、どうも夫がお世話になりました」こんな挨拶を交わして安置
室に入る奥さん。その途端に「ギャ−ッ!」物凄い悲鳴です。なんとジュール
ズが生き返ったのであります。どやどやと安置室に駆けつける検死官とケス
ラー氏。ケスラー氏ったらもうろうとしているジュールズに「お前、犯人見た
んだろ、一体誰なんだ」なんて聞くのです。「お前や」当時この映画を見たア
メリカ人の96.87パーセントがこうツッコンだそうであります。ここで、ケス
ラー氏の犯行が明らかになると思いきや、ジュールズまた意識を失ってしまう
という・・・。そしてそのまんまになってしまうのです。本当に不必要な場面
だ、こりゃ。

 そして場面はケスラー氏の屋敷に戻ります。ポールを加えての楽しいディ
ナー。新しいコックのマリリンの料理も素晴らしく、ケスラー氏は久しぶりに
愁眉を開くのでありました。ところが雷雨となったその夜、またもケスラー夫
人が登場。三度彼女に魅入られたケスラー氏はあろうことかヴァージニアを殺
害しようとするのです。しかしここで雷がどんがらがしゃーん、その音でケス
ラー氏は我に帰ったのでした。悄然として居間に戻るケスラ−氏。その様子に
気づいたポールが「一体どうしたのです」「わしはどうやら夢遊病らしい」こ
こから話が進むのかと思うとそんなことはなし。はい、次の朝になります
(笑)。

 殺人が起こらなかった代わりにあのケスラ−夫人の肖像画がびりびりに裂か
れていました。またまた呼ばれてくるウィリアムス警部。どうもごくろうさん
なことでありますなあ。いろいろ調べているうちにカーテンの下から何者かの
靴が見えていることに気づく警部。そろそろと近寄って「おら、捕まえたぞ」
カーテンの中からばたりと倒れ伏す死体。あ、あれ、これ、誰、こんな奴い
たっけ?画質が悪いせいもありますが、本当に誰だか分からないの、もういや
になるなあ(笑)。

 今度疑われたのがエヴァンス。ここでウィリアムス警部がポールの進めに
従って精神科医フレメント先生による精神分析を行うことになりました。ソ
ファーに座られたエヴァンスに向かってフレメント先生は「君は砂漠を歩いて
いる。すると亀が現れた・・・」「亀ってあの亀かね」「君は亀をひっくり返
す、亀はばたばたもがくが起き上がれない。君は見ているだけだ」「見ている
だけってそんな・・・」はい、ウソでございます(笑)。こんな映画でVKテ
ストやったりする筈がございません。本当はフレメント先生、エヴァンスに
「君はケスラー氏が精神的におかしいと思うかね」ぎょっとするケスラ−氏。
本当はエヴァンスではなく彼が疑われていたのです。抗議しようとするケスラ
−氏でしたが・・・。

 四度、ケスラー夫人が登場。しかも今度はいきなり台所に侵入し鶏肉をがつ
がつ。ジュールズが食事を運べなくなったのでよほど腹をすかしていたので
しょう。あっという間にウィリアムス警部の部下たちに捕まってしまいます。
夫人は力のない視線を彷徨わせ「私は死んだの、だから放っといて」連れてい
かれる時に自分の肖像画を見て「ああ、この人知っているわ」夫人はケスラー
氏たちの前に引き出されます。ケスラー、夫人の顔をみるなりぶるぶると身を
震わせてまたオカシクなっちゃった。そしてケスラーはウィリアムス警部に襲
い掛かるのです。「わあ、何をする、こいつめ」ポールも彼を警部から引き剥
がそうと必死です。一方、夫人、突然ばたりと倒れて死んじゃった。え、何、
なんで死ぬの、どういうこと、これ?同時に正気に戻ったケスラ−氏。周囲の
異様な雰囲気に気がついてウィリアムス警部に尋ねます。「どうしたのです
か」「ようやく連続殺人犯を捕まえることができたよ」「やっぱりエヴァンス
ですか?」「それはお前だ!」はい、ようやく一件落着。ケスラー氏がうつろ
な目で「わしは今でも妻が戻ってくると信じているぞ」と呟いたところでエン
ドマーク。

 訳の分からないストーリー。ひょっとして英語の聞き取りがまずかったかな
と思ったのですが、あちらのサイトでもやっぱり「訳わからん」という評価で
した。安心しました。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質はもう下の下。いくら古い映
画だからといってこんな画質はねえだろう。やい、もうちょっと大事にDVD
作っても罰あたらねえと思うぞ。音質は普通。たったひとつの救いでした。イ
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            JZT07733 エロの冒険者
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