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SFシネクラシックスコミュの『フランケンシュタインの逆襲』(『Frankenstein Meets the Spacemonster』 1965)

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 『フランケンシュタインの逆襲』(『Frankenstein Meets the Spacemonster』 1965)

 何を考えたのか、ピーター・カッシングの名作ホラー『フランケンシュタインの逆襲』(『The Curse of Frankenstein』 1957)と同じ邦題をつけられちゃったトンデモ映画。ピーター・カッシングは死ぬまでこの映画の邦題に怒っていたといいます(ウソ)。

タイトルが出てその後この映画の重要なるキャラクター「宇宙モンスター モル」の姿がシルエットで浮かびます。たまらなく安っぽくそして、なんともソソラレるオープニングではありませんか。

 そして宇宙らしきものが映ってその中を進んでくる光の玉。何だか良く分かりませんが、これが火星人の宇宙船だったという・・・。この宇宙船には火星のプリンセス(マリリン・ハノルド)・・・ってデジャー・ソリスか(笑)、が乗っておりましてナディア博士(ルー・キューテル)以下、大勢の部下を従えまして地球に向かっておりました。

 ナディア博士を始めとする火星人の男どもはみんな禿げ頭で耳が尖っている。女王様のみ、妙齢の美女でございます。ちなみに博士以外の男達はまるっきり地球人と同じような宇宙服・ヘルメットを着用しておりまして、どうにもこうにも胡散臭い。

 と、ここで警報が鳴った!スペーススコープに映し出されたのはこちらに向かってくるミサイル。どうやら地球から打ち上げられたらしい。女王少しも慌てず「皆の者、迎撃じゃ」ナディア博士、ははっと頷いて「フォースフィールドを発生させよ!」そしてニヤーッとした博士 「マキシマム・エナジー、ナウ!」どかーんとミサイルが爆発。ぬははははと高笑いの博士です。

 さて、ミサイル?を撃墜されたアメリカ人ですがそんなことには懲りず、宇宙探査ロケットを打ち上げようとしております。その主要なスタッフはバワーズ将軍(デビッド・カーマン)、スティール教授(ジェームズ・カレン)、教授の助手のカレン・グラント(ナンシー・マーシャル) 人数が少ないですが、こんな映画だから仕方ありません。彼らはNASAのジョン・F・ケネディ宇宙センターで記者会見。そこで宇宙飛行士として紹介されたのがフランク・サンダース大佐(ロバート・レイリー)なのですが、記者達はびっくり。長年ロケットの取材をしている彼らがまったく知らない人物だったからです。

 サンダース、記者の「なぜあなたは私達の目に留まらなかったのか」という質問に答えて「いやー、僕は内気な性質なもんすから」答えになってないと思うよ(笑)。そして次の瞬間、サンダースの動きがぴたりと止まります。ざわつき始めた記者たちに慌てて「これは彼の冗談です、記者会見は終わりにします」弁解になってない弁解をして記者会見場からサンダースを連れ出すスティール教授たち。彼らはサンダースを研究室へ連れていき診察用寝台に寝かせます。そしておもむろに頭の皮をばりばりとはいじゃった。現れたのは半分になった脳みそ、しかもあちこちに機械部品がついているではありませんか。そうです、サンダースは宇宙探査のために改造されたサイボーグだったのです。

 故障を直して予定通り打ち上げだ。宇宙服を着てサターンロケットの上についている司令船に乗り込むフランク。もちろん、この辺は実際の打ち上げを撮影したフィルムを流用しておりますから極めて安く仕上がっております。フィルムの中で宇宙飛行士が乗り込む宇宙船と映画のセットがまったく違いますが、そんなことを気にしてはいけないのです。

 どかーん、打ち上げられるロケット。ところが、あのボンクラ火星人たちが、これをミサイルと誤解するのですなあ。ナディア博士がまた「フォースフィールド起動、マキシマム・エナジー、ナウ」ロケットがどかーん。打ち上げの様子をモニターしていた将軍達は突然、ロケットからの映像が消失してしまったので大慌て。「わあ、大変だ、大変だ、フランク脱出せよ」一応、前の場面でロケットが大爆発していますからね、この指示は遅いと思うのですが(笑)。フランク、パラシュートで脱出に成功します。

 これを見ていた火星人たち、「わあ、あれはミサイルじゃなかった、人が乗っていた、我々のことがばれてしまう。始末しなければならん」ということでプエルトリコ方面へ降下したサンダースを追跡。着陸します。宇宙人たちは光線銃を持って捜索開始。途中で遭遇した地球人を行きがけの駄賃とばかりに煙に変え、さらにフランクを捜索します。あ、フランクがいた、攻撃だ、攻撃だ。宇宙人は光線銃を発射、これがフランクに命中してしまいました。煙に包まれるフランク、ばっと中から飛び出してきたのを見ますと、顔面半分が焼けただれております。しかも電子頭脳が故障して大暴れ。彼は宇宙人に乗りかかるとがこんがこん殴って昏倒させてしまいました。そのままふらふらと立ち去るサンダース。

 残りの宇宙人たちは殴り倒された奴を連れて宇宙船へ戻ります。プリンセスは「失敗は許しません。宇宙怪獣モルの生贄とせよ」檻の中で不細工な怪獣が、がおー。プリンセスは決意します。「あの宇宙飛行士に逃げられた、すると我々の正体が露見してしまう恐れがある。地球の調査はまだ済んでいないがやむを得ない。作戦段階フェイズ?に移行します!」

 先に話をばらしちゃいますが、要するに火星が核を使って戦争したために荒廃してしまい、火星人類が滅亡の危機にあるのですな。これを打開するために「地球から女を攫って交配させるのだ」という作戦が立てられたのです。作戦段階フェイズ?が地球の徹底した調査、フェイズ?は女性の誘拐という訳。まあ、この手の映画としてはありがちなお話ですな。

 さて、プエルトリコの田舎をうろうろさ迷うサンダース。夜になりました。このサンダースに行き当たったのがオープンカーに乗ったカップル。サンダースは何しろ電子頭脳が狂っておりますから、カップルの男のほうに襲いかかりぐいぐいと首を絞めて殺してしまったのであります。

 その頃研究室ではスティール教授が「サンダースのコントロールが利かなくなってしまった。ヤバイ、このままでは彼はフランケンシュタインになってしまう」いや、もうなっているから(笑)。サンダース、さらに椰子の実を採っていた男に襲い掛かって彼の刀を奪うとそれでずたずたにしてしまったという・・・。酷いなあ、これは。

 この後ようやく宇宙船の脱出カプセルが見つかったという知らせが入って急遽プエルトリコへ飛ぶ教授たち。一方火星人は海岸で波と戯れていたビキニ美女を拉致。その際彼氏を光線銃で蒸発させております。宇宙人たちは女をビキニのまま宇宙船に連れ込みます。プリンセス自らこの女を点検。「はい、回って後ろを見せて、はい右手を上げて左手も上げて、右下げないで左さげない、あっはっは、引っかかったわね」ようやく満足したプリンセス、どんどん次を攫ってくるのですと命令します。

 女の彼氏を光線銃で撃った時あまりの高温で砂が溶けて塊になった。サンダースを捜索していた警察官がこれを発見します。これはおかしいというのですぐに呼ばれる教授達。カレンは溶けた砂の塊にガイガーカウンターをあてて「あら、先生、びーびー放射能が出てますわ」考え込む教授、「非常なる高温と放射能、こりゃサンダースの仕業じゃないぞ」

 そのサンダース、女を襲おうとしております。しかし、彼女の姉妹が家から出てきたので慌てて逃げ出すサンダース。

スティール教授とカレンは二人乗りのスクーターでサンダースを探しに行きます。彼らは探知装置を持っていてこれで探せるらしい・・・いや、説明がないもんで良く分からないんですよ、この辺(笑)。二人は仲良く港町を走り回ります。もう通りがかる人がみんな見ているのが面白いですな。男と女が恋してチューしたみたいな暢気な歌詞の歌も流れて異国情緒を満喫です・・・って、さがせよ、フランクを!

 三分ほども走ってようやくフランクがさ迷っているあたりの海岸へ。教授は小さな装置を取り出して、これが先ほど言及した探知装置らしい、フランクを探します。すると岩場の洞窟に隠れているのをあっさり見つけちゃった。こんなに簡単に見つかるのならもっと早くに探さんかいというツッコミはもう当たり前にすぎるのでしないようにします。教授はフランクの焼け爛れた顔面の回路にワニ口クリップで電線を繋ぎ修理を開始。そしてカレンに「君は戻って将軍の助けを呼んでくれ」カレン、よたよた戻ってスクーターにまたがります。この時、宇宙人の皆さんが走ってきたので、てっきりカレンが捕まるのかと思いきや、あるプールサイドで行われていたゴーゴーパーティに乱入したという・・・。カットの繋がりがおかしいよ(笑)。

 宇宙人たちは泳いでいたお客さんの一人を光線銃で蒸発させ、8人ほど女を攫って逃げるのでした。女たちを間に挟んで一列縦隊で歩くなんとも間抜けな場面です。女達はそのまま宇宙船に連れ込まれてしまいました。この後、ようやくカレンの番。スクーターで走っていたところを襲われ、彼女もまた宇宙船に連れ込まれてしまったのです。

 カレンは他の女達と違ってサンダース捜索のために探知機を持っております。これに興味を示したのがナディア博士とプリンセスで「むむ、これは非常に高度なメカニズムだ」そ、そうか?「お前はこれをどこで手に入れた。何に使うのだ」と尋問を始めます。しかし、カレンは勇敢です。火星人たちの脅しにもめげず何も喋ろうとはしませんでした。これで頭にきたプリンセス、「ええい、この地球人の雌豚をモルの隣の檻に閉じ込めよ」なんで隣の檻かと思ったら、こうモルがわーっと手を伸ばすと閉じ込められたカレンに届くのですな。これで彼女をヒーヒー言わせようというシステムになっているのです(大笑い)。

 火星人たちの目論見どおりさんざんにヒーヒー言わされたカレン、まもなく失神してしまいました。

 このあたりになりますと地球人側(アメリカ側)もさすがに何かが起こっていると気がつきましてワシントンからの命令一過、警戒警報が発令されます。これでいつものごとく流用フッテージでヘリや兵隊さんたちが大挙して出動するのです。おお、戦車も出てきたぞ、凄いなあ。

 さて、ようやくサンダースの修理を終えた教授、彼をつれて洞窟から出ます。そしてカレンはどこかなと探し回る不思議さよ!あんたが将軍のところに行かせたんじゃないか(笑)。教授はまもなく乗り捨てられたスクーターを発見、カレンが攫われたことを知るのです。そしてサンダースと二人であっちこっち探し回って、意外と簡単に宇宙船を見つけちゃいました。「そうか、あの中にカレンが囚われているのだな。よし、サンダース、お前はここにいろ、私はひとっ走りして将軍に連絡してくるから」サンダースを置いてスクーターで行ってしまう教授。

 なんで置いていくかねえ。ほら、言わないこっちゃない、サンダース、見つかって宇宙人にタコ殴りにされちゃったぞ。宇宙人たちはサンダースも宇宙船に連れ込むのです。

 教授は近所で電話を借りて将軍に宇宙船のことを連絡します。ただちにスクランブルが発令され発進する戦闘機部隊。ここでも流用フッテージが大活躍です。ただし、つなぎ方がテキトーなので地上でF-100スーパーセーバーだった機体が飛び上がるとF-86になったり、それがさらにF-102デルタダガーに変身したりします(笑)。そこから一転してスーパーセイバーに戻ったところで宇宙船に対するロケット弾攻撃が開始。大爆発が連続しますが宇宙船はびくともしません。「この武器では奴らに勝てない!」と悲痛な声で連絡するパイロット。

 ナディア博士は妙に焦って「この武器は大丈夫ですが、奴らは核兵器を持っています。それを使われたらおしまいです。すぐに逃げましょう」

 この時宇宙船に運び込まれていたサンダースが目覚めた。彼はカレンの呼びかけに応じて起き上がり宇宙人から光線銃を奪い取ります。それで宇宙人を脅して女達とカレンを解放させたのです。どやどやと逃げ出す女達。サンダースもカレンを逃がして、さあ、自分もと思った瞬間、宇宙人の一人が隙を見てモルの檻の扉を開いちゃった。「ぬがぬがぎゃおー」とサンダースに襲い掛かるモル!何だかこの場面煙が非常に多いので何をやっているのか判然としません(笑)。

 そうこうするうちにナディア博士はエンジンを作動して宇宙船を発進させるのですが、このまま逃がしてなるかとサンダース、光線銃を乱射します。これで宇宙船ごと大爆発!酷い(大爆笑)。地球はサンダースの犠牲によって救われたのです。狂っていた時に無辜の人間を二人惨殺した罪もこれで帳消しです。

 この後教授とカレンが二人乗りのスクーターで港町を走り回る映像をバックにエンドクレジット。これがまた延々と続くんだ、無駄に長いんだ。

 間延びした演出がもどかしい作品。怪しい火星人とか、サイボーグとか、怪獣とか面白くなる要素はてんこ盛りなんですけどね。

 モノクロ・スクイーズのワイド画面。モノラル音声、英語字幕あり。画質・音質がそれなりに良くて英語字幕もついていて、おまけにリージョンフリー。こんな素晴らしいDVDはめったにありませんぞ。Dark Sky FilmsのDVD。

 エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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