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SFシネクラシックスコミュの『ドラキュラ 血の味』(『Taste The Blood Of Dracula』 1970)

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 『ドラキュラ 血の味』(『Taste The Blood Of Dracula』 1970)

ドラキュラの弟子を殺した三人のオヤヂたちがドラキュラから復讐されるというドラキュラシリーズ第5弾。それぞれの息子や娘を操って殺させるという冷徹なドラキュラの復讐方法がたまらぬ作品であります。

森を走る馬車。その中で乗客がもめております。「私がパリで買ってきたこのおみやげ、1,000円でどないだ」と商売を始めた商人にアレな人が「それくれ、それくれ」と騒ぎ出したのです。商人は「これは商売ものですからな、金を払って貰わないと」と至極真っ当なことを言うのですが、なにしろアレな人ですから理屈は通用しません。「ンがー」と激怒したアレな人は商人を外へ放り出してしまいました。

 いてててとと起き上がる商人、しばらく失神していたらしくいつの間にかとっぷりと日が暮れております。「ウワー、酷い目に会ったぞ、こりゃ」とボヤく彼の耳に「ギャーッ、ヒーッ、グエエ」といううめき声が飛び込んできました。なんだなんだとその声の主を探し始めた商人はあるものを目にして立ちすくみます。それは背中にでっかい十字架がぐさりと突き刺さったドラキュラ!うめき声は彼の断末魔だったのです。彼の目の前でドラキュラはばったりと倒れ伏します。流れ出る血、これがさらさらと乾いて粉になります。そしてその中に残された指輪とドラキュラのマントの留め金。商人は「こら、商売になるわ」と難波の商人(あきんど)根性を発揮してこの気持ち悪い遺品を拾うのでした。

 ここでタイトルが出ます。

 さて、うって変わって暢気な町の暢気な風景。教会のミサが終わって三々五々家路につく人々。人間があれば必ず咲くのが恋の花というもの、この例にもれずこの映画でもポール(アンソニー・ヒギンズ)とアリス(リンダ・へイデン)がいちゃいちゃしております。もー、YES・NOマクラで言えば断然YESみたいないちゃつきぶりですよ(訳が分からない)。

 これを快く思っていないのがアリス・パパのウィリアム(ジェフリー・キーン)で、家に帰り着くなりアリスに「お前はあんな若造といちゃいちゃしおって、このふしだら娘が、お前は外出禁止だ」と言い渡します。そして「わしはいつものように慈善事業に出かけるからな、夕飯はいらん」と出かけていくのでありますが・・・、この慈善事業というのが売春宿に対する寄付というものだったのであります(笑)。しかもそのお仲間がポール・パパのパクストン(ピーター・サリス)とサカー(ジョン・カーソン)だったという。もうハマーの映画でこんなにパパの資格のないキャラクターは初めてですよ(笑)。

 馬車で売春宿に乗りつけた三人、一人につき女二人上げてどんちゃん騒ぎ。あろうことか野球拳まで始めました。もう見ている私も呆れております。そんな中、いきなり乱入してきたのがコートリー卿のおぼっちゃんで昔はぶいぶい言わせていたのですが、そのぶいぶいが過ぎて勘当され、いまや一文無しになったという男(ラルフ・ベイツ)。売春宿の主人はコートリーを追い出した後、「あいつは並みの道楽は飽きたってんで、なんと教会で黒ミサをやったんですよ、とんだ罰あたりですよ」と吐き捨てます。ところがあにはからんや、三人のオヤジがこの話に飛びついたという・・・。

 実はこの三人、女だらけのらんちき騒ぎに飽きたりず世の超常現象を調べるオカルト研究会をやっていたのです。三人はすぐにコートリーに接触、彼のいう「悪魔の儀式」に参加させろと言い出します。もう本当に道楽オヤジたちというのは困ったものです(笑)。コートリーはその頼みを承諾するのですがその条件として「儀式に必要な品物を買ってくれ」

 この品物というのが冒頭で商人が拾い集めたドラキュラの指輪、留め金、血液だったのですな。ちなみにこの三点のお値段しめて100万円。「高いなあ、もうちっとまからんのかなー」とぶつぶつ良いながら金を支払うオヤジたち。

 さっそくこの三点をもってコートリーが黒ミサをやったという教会へ。コートリーは三人に杯を持たせてその中にドラキュラの血の粉を入れます。次にナイフを取り出して自分の手の平をすぱっ!流れ出る血を杯に注ぐのでした。するとバリバリと雷が鳴って血の粉が液体化したのです。「わあ、気持ち悪い!」どん引きするオヤジたち。さらにコートリーは「あじゃらかもくれん、きゅうらいす、いでよ、闇の魔王、てけれっつのパッ」と呪文を唱えたのです。そしてオヤジたちに「さあ、飲め、その血を飲むのだ」これで頭にきたオヤジたち、「てめえ、飲め飲めってこんな気持ちの悪いもん飲めるか」 じゃあ、仕方ないってんで自分の分を飲み干すコートリー、しかしそれでもオヤジたちの怒りは収まりません。

 彼らはコートリーに襲い掛かります。そして「こんな高いもん買わせやがって、何も起こらないじゃないか、てめえ、金返せ、コノヤロー」殴る蹴るの暴行です。ぐったりして動かなくなるコートリー。オヤジたちはその姿に驚いて「ウワー、死んだ、大変だ」逃げ帰ってしまいました。そしてそれぞれの家人に「おれは今夜ずっと家にいたことにしてくれ」と頼みます。

 ひゅううと風が吹いてきてコートリーの死体に灰が降りかかります。すっかり死体が灰に覆われた直後、顔の部分がぱっくりあいてウワー、出たア、ドラキュラだ。ドラキュラの復活だ。立ち上がったドラキュラ、世にも恐ろしい形相で「あのオヤジども、俺の弟子を殺したな、ただじゃすまさんぞ」

 その後ウィリアムは酒びたり、パクストンは毎夜悪夢にうなされております。一人サカーのみ、書斎で事件の詳細を調べております。

 さて、そんなこんなで月日が経ちまして、今夜は若者達が集うパーティの日。アリスはポールと出かけることになっておりまして、ドレスなんか着ちゃったりして浮き浮き。これにむかついたのがパクストンで「お前、ポールと出かけるつもりだな、許さん!」てなことになるわけですよ。でもこれで諦める訳もありませんで、アリス、ポールの呼びかけに応えて窓から脱出、二人でパーティを楽しむのであります。
 
 お楽しみのあと、ポールと別れてまた木をよじ登って自分の部屋に戻るアリス。「あー楽しかったワ」部屋の明かりをともすと出たァ、ドラキュラがじゃなかったウィリアムが。泥酔状態の彼は娘が戻ってくるのを待ち伏せていたのです。ひーっと悲鳴を上げて外へ飛び出すアリス。庭から逃げようとしたのですがここでまたまた出たァ、今度こそドラキュラが(笑)。立ちすくむアリスですが、たちまちドラキュラの眼光に魅入られてしまいます。その後アリスを追って飛び出してきたウィリアムをじろりと睨んだドラキュラ、アリスに向かって「やるザマス」 アリス、スコップを振り上げるとウィリアムの横っ面にがこっ、叩きつけたのです。たまらず絶命するウィリアム。ドラキュラは満足げに頷くと「まず一人ザマス」 

 ウィリアムが惨殺され、アリスは行方不明。ウィリアムはともかくとして(笑)恋人の身を案じて気も狂わんばかりになったポール、調べに来たコブ警部(マイケル・リッパー)にアリスを探してくれと訴えるのですが、この警部さんがまたボンクラのようで、「行方不明って家出だろ、そんな娘を探している暇はないね」いや、父親が殺されているんだぞ、それで行方不明になった娘を探さないってどういう料簡なんだ。

 アリスの行方が分からないまま執り行われるウィリアムのお葬式。この様子を森の中からこっそりアリスが覗いておりまして、終わって帰ろうとしたポールの妹で親友のルーシー(イスラ・ブレア)を手招きします。「まあ、あなた無事だったの」と喜ぶルーシーに「話したいことがあるの、夜、庭に来て。でも私のことは誰にも言わないでね」この頼みを快諾するルーシー。だから父親殺されているのに、なんて暢気なんだ、ルーシー、フツー、警察やポールあたりに知らせないかね(笑)。

 で、ルーシー、本当にその夜、アリスと会っちゃうのです。アリス、ルーシーを連れ出すと馬車に乗せます。そしてひとしきり走ってついたのがあの教会ですよ。「な、なんでこんなとこに来たの」と怯えるルーシー。でもアリスに「会わせたい人がいるの」と言われて、「まあ、恋人?」って喜んじゃうの。だからんな訳ないだろ、自分の兄さん、ポールと付き合っていることも知っているのに何でこんな考え方ができるんだ。お前、現代に生きていたら振り込め詐欺にあっさりとひっかかっちゃうタイプだろ!

 その会わせたい人というのはもちろんドラキュラ。ルーシーは悲鳴をあげますがもう遅い。「頂くザマス」で美味しく血を吸われてしまったのです。

 一方、ウィリアムが殺されてルーシーが行方不明になった、これはコートリーの復讐に違いない、奴は生き返ったのだと戦々恐々のパクストンとサカー。ついにサカーが「怖がっているばかりでは解決しない。死体を確認しようじゃないか」と言い出します。そして二人はよせばいいのに教会へ赴くのでした。

教会の中へ入るパクストンとカサー。二人は驚きます。「しぇー、し、死体がない。本当に生き返ったのだ」と叫ぶパクストン。しかしカサーは冷静さを取り戻して「誰かが隠したなんてこともあるぞ、とりあえず死体を捜してみよう」すぐに見つかる死体、しかしそれはコートリーのものではありませんでした。吸血鬼の犠牲となったルーシーだったのです。愛娘の変わり果てた姿に泣き喚くパクストン。カサーは彼女の首についた傷を見て「ウウーム、私が調べたとおりだ、彼女は吸血鬼にやられたのだ」

 カサーは彼女を解放する方法はひとつしかないと言って教会の椅子から木片をもぎとります。そして先端を尖らせて「この杭を彼女の胸に打ち込むのだ。さもないと彼女は夜、生き血を求めてさ迷うことになるぞ」杭をルーシーの胸にあて、トンカチ代わりの花瓶を振り上げるカサー。しかし、ここで銃声が響きました。血迷ったパクストンがカサーを撃ったのです。その銃弾は彼の肩に命中。深手を負ったカサー、教会の外へよろばい出てばったり。失神してしまいました。

 パクストンはその後じーっと考えて(笑)ついに娘の始末をつけることを決意したのですが、時すでに遅し。いつの間にか日が暮れており、杭を胸に当てた瞬間、ルーシーの目が開いたのです。同時にドラキュラ、アリスも登場。そしてルーシーはパクストンから杭を取り上げるとぐさぁ!腹に深々と突き立てたのです。たまらず絶命するパクストン。ドラキュラは壮絶な笑みを漏らして「これで二人目ザマス」

 カサーは屋敷にたどり着きます。そしてポールに宛てて吸血鬼の秘密や戦い方を書いた手紙を書き始めます。そして書き終わった後、力尽きてまた失神するのでした。その間にドラキュラの魔手が彼の息子ジェレミー(マーティン・ジャービス)に向けられます。ルーシーが普通の人間を装ってサカーの屋敷へ行き、キスすると見せかけてジェレミーにがぶり。ちゅーちゅー血を吸ってしまったのです。

 ふと意識を取り戻したサカー、目の前にジェレミーがいるのに気がつきます。「ああ、ジェレミー、丁度良かった。この手紙をポールに届けてギャーッ」腹にナイフを突き立てられてばったり倒れるサカー。窓の外にはドラキュラがいまして、例のごとく冷たい笑みを浮かべると「これで三人目ザマス」教会へ戻ったドラキュラ、復讐も終わったことだし、一杯やるかということでアリスの首にがぶりと行こうとするのですが、ここで聞こえてきたのがコケコッコーという鶏の鳴き声。慌てて棺桶へ飛び込むドラキュラです。

 この親子殺人事件を調べたコブ警部、手紙を見つけてポールに渡します。彼自身も手紙を読んだのですが、もうこの人はとんだボンクラですから「吸血鬼なんぞと戯言が書いてある」で片付けてしまったという・・・。ポール手紙を読みます。すると「吸血鬼の暗躍だ、ルーシーやジェレミーもやられた。だが、アリスだけはまだ見込みがある。夜にならないうちにあの教会で彼女を探すのだ」

 教会へ急ぐポール。途中で池に浮いているルーシーを見つけて愕然となります。その悲しみも癒えぬうちに再び走り出すポール。急げ、急げ、暗くなる前にアリスを見つけるのだ。愛する人を吸血鬼の手から救い出すのだ」まあ、こんな展開で間に合ったためしがない(笑)。あっという間に日が暮れましてドラキュラとアリスに襲われるポールです。ポールは十字架をドラキュラに突きつけるのですが、アリスに奪われてしまいました。がんとドラキュラに殴られてぶったおれるポール。アリス、「ご主人様、どうか私も連れていって下さいませ」するとドラキュラ、「うるさいザマス、お前の用は済んだザマス」これでアリスは彼の呪縛から解かれたという・・・。

 ドラキュラ外へ出ようとします、が、彼は扉に仕掛けてあった十字架を見て「ヒーッザマス」もちろん、これはポールの仕業。「出られないザマス」ドラキュラは出口を探して教会内をうろうろ。2階に上がったら今度はステンドグラスの十字架にやられて「ギャーッザマス」そのまま下へ落下してしまいます。そしてラストはお定まりの灰になって、ポールとアリスが抱き合ったところでエンドマーク。

ラスト、出口を探して教会の中をうろうろするドラキュラがいささか間抜け。ここはいつものようにカッコよく最後を迎えて欲しかったと思います。

スクイーズ・ワイド カラー モノラル音声。画質・音質共に良好。最新ソフトにはもちろん敵いませんが、これくらいの品位であればもう言うことはありません。ワーナー・ホームビデオ。ぽすれんのレンタルDVD。

エロの冒険者
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