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SFシネクラシックスコミュの『ドラキュラ '72』Dracula A.D. 1972

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 『ドラキュラ '72』Dracula A.D. 1972

 ドラキュラが100年の時を経て現代(’72)のロンドンに蘇った。これで女の血吸い放題、ごちそうさま、ゲップとなるのかと思いきや良くしたもので宿敵ヴァン・ヘルシングの子孫もいたという…。

 ああ、どこまで続くのか、この因縁という映画であります。

夜の森を失踪する馬車。その上では二人の男が「やい、コノヤロ、バカヤロ」「お前のかーちゃんデベソ」とののしり合いながら戦っております。実はこれ、ドラキュラ伯爵(クリストファー・リー)とヴァン・ヘルシング(ピーター・カッシング)の最終決戦。あ、ピーター・カッシングが馬車から放り出された。彼は固い地面に体を叩きつけられて瀕死の重傷を負ってしまいます。それを見送ったドラキュラ、「勝ったザマス」と喜ぶのですが、その直後馬車自体が立ち木に激突。ばらばらになってしまいました。ドラキュラ、胸に車輪のシャフトが突き刺さり、こっちも瀕死となります。

 ピーター・カッシングは彼の様子を見て「チャーンス」 最後の力を振り絞ってドラキュラに襲い掛かりさらにシャフトを彼の胸に押し込んだのです。ばらばらと車輪が砕け、ドラキュラの胸に杭が一本突き刺さったようになるのはドラキュラ映画のお約束。「もう、駄目ザマス」ドラキュラの体が崩れて灰になってしまいました。しかし、カッシングもまた、ドラキュラと共に力尽きてしまったのであります。

 と、ここでやってきたのがドラキュラの従者(クリストファー・ニーアム)。彼はドラキュラの灰とその中に残されていた指輪を回収します。そして彼はその灰をヴァン・ヘルシングが葬られた墓の近くに埋めたのでした。

 ここでタイトルが出ます。72年当時のロンドンに場面ががらりと変わって映画の始まり、始まり。

 どこかのお屋敷の中で演奏しているバンド、ストーングラウンド。その周囲ではだらしない服装の若者達が踊り狂っております。彼らを見て最近の若者はなっちょらんという表情を見せる上流社会の人々。ついにこのパーティの主催者である夫人が彼女の息子に向かって叫びます。「チャールズ、お友達を連れてきていいとはいったけど、これはあんまりだわよ」チャールズ、慌てて首を振って「お母様、あいつらは僕の友達じゃありませんよ。僕が呼んだのはバンドだけですよ!」どうやらこの若者達、バンドにくっついて上流階級のパーティに紛れ込んだらしい。

 当然ながら警察を呼ばれて、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す若者達。

 この若者グループ、仕事や勉強もろくにせず遊び狂っているような奴らで、しかも麻薬で警察にお世話になっているというつまりは不良グループですな(笑)。グレゴリー、アンナ(ジャネット・キー)、ロバート(フィリップ・ミラー)、ゲイナー(マーシャ・A・ハント)、ポール、ローラ(キャロライン・マンロー)、ジョニー、ジェシカ(ステファニー・ビーチャム)なんていうメンバーがいまして、このうちのジョニー、フルネームをジョニー・アルカード(クリストファー・ニーアム)と申します。もうドラキュラの下僕の子孫であることが丸分かりですね。またポールと付き合っているジェシカは現在ロンドン大で人類学を教えているヴァン・ヘルシング教授(もちろん、ピーター・カッシング)の孫娘、もちろん、ドラキュラと戦って死んだヘルシングの子孫だったりします。

 さて、彼らのたまり場、喫茶店穴蔵でジョニーがこんな提案をします。「みんな、取り壊される予定になっている教会で悪魔召還ごっこをしようぜ!」よしときゃいいのに、みんな麻薬で頭がパーになっていますから(笑)、「面白そうだな、やろう、やろう、真夜中に集合しよう」と盛り上がるのでした。一人ジェシカだけはためらうのですがポールに「やっぱり空気読んで賛成ってことにしようぜ」と言われてしぶしぶ承知。ヴァン・ヘルシングの孫娘たるものがそんなことをしちゃいけませんな。

 ピーター・カッシングはそんな孫娘が心配。今日も今日とて「お手伝いさんが休みなので外で夕食を食べないか」と誘うのですが、ジェシカは「今夜もお友達と約束があるの」なんて言って出かけちゃう。

 ジェシカとポールは車で指定された聖バートルフ教会へ向かいます。壊れた塀の穴から墓地に侵入する二人。そして教会へ向かって歩き始めるのですが、ポールはヘルシングと刻まれた墓石を発見します。ジェシカもびっくりして「これは私の曾お祖父さんのお墓よ」

 教会にはすでにジョニーを始めとする仲間達が集合していました。ジェシカとポールが来たのでいよいよ悪魔召還の儀式の開始です。ジョニーはみんなに「さあ、悪魔の円陣を組むのだ」と言って円形に座らせます。そしてお互いの手をつながせてカセットテープで妙な音楽を流し「ベントラ・ベントラ・スペースピープル」じゃなかった(笑)、「知識の悪魔ビヒモス、黒い悪魔アスタロス、もちろん、悪の大首領ルシファー、それから・・・ええと、まあ、いいやとにかく悪魔はみんな出でよ」そして最後の最後に「ドラキュラ伯爵もついでに出でよ!悪魔の契約を結ぼうではないか」

 墓地ではドラキュラの灰が埋められたと思しきあたりの土がむくむくと盛り上がるという・・・。ジョニー、「さあ、悪魔が生贄を求めておる、ジェシカ、選ばれたのはそなただ」「やあよ、あたしそんなの」にべもなく断るジェシカ。と、その時場の雰囲気に酔ったのかローラがぱっと手を上げまして「あたし、やるやる、それ、面白そう」本当に麻薬で頭がパーになっている若者は軽率でいけない(笑)。ジョニーは一瞬複雑な顔をするのですが、ま、とにかく女だったらいいやと思い直して、彼女を生贄台の上に寝かせます。

 そして彼女に金の杯を渡して中に例のドラキュラの灰をぱらぱら。そしてやにわにナイフを取り出すと自分の手首をさくーっ!どばどばとあふれた血を杯に注ぎ込みます。ローラ、これでどん引きしまして「ぎゃー、助けて、ぎゃー」灰と混ざった血があふれて彼女の体を血まみれに「ひー、助けて、足が動かない」残りの皆さんはどうしたのかというと、もう彼女には目もくれずに一目散に逃げ出したという・・・(笑)。ジェシカだけは彼女を助けなきゃと言うのですが、ポール、そんな彼女を無理やり引っ張り出して車に押し込んだのです。

 そしてむくむくと土が盛り上がっていたあたりから大量の白煙が吐き出されます。その煙の中から現れたのはおお、ドラキュラ伯爵。ついに彼が1972年のロンドンに蘇ったのであります。目覚めた彼のお食事はローラ。「頂くザマス」ローラ、血の一滴まで吸い取られて死んでしまいました。

 翌日、喫茶店穴蔵に集まった若者達。ジョニーもやってきて「あははは、みんな信じたのかい、あんなもんトリックに決まっているじゃないか。血糊はテレビ撮影用のカプセル使ったの、ローラももちろんぐるだったのさ。え、ローラがいない、彼女は実家のラムズゲートに帰省したよ、親から金をせびるためにね」みんなはこの説明で納得した模様。ただ、ローラだけは「あ、あれ、ローラの実家はウォトフォートじゃなかったかしら」と怪訝な顔をしております。

 さて、その頃、ボールを捜しに墓地へ侵入した子供達。ぞんざいに埋められていたローラの死体を発見。スコットランドヤードの警視(マイケル・コールズ)は死体から血が抜かれていたことに着目しまして「変質者の仕業に違いない」ドラキュラも72年のロンドンでは変質者扱いです(笑)。100年前だったらみんな顔色を変えてにんにく吊り下げたり十字架を掛けたりしていたものですけどね。でも部下が「でも警視、血を抜かれたのは何かの儀式のためかも知れませんよ、カルトじゃないっすか」

 捜査は変質者・カルトの両方を対象に進められることになりました。

 ローラは一度、麻薬で警察にお世話になっておりますから身元はすぐに判明します。「この女の仲間はええと、ああ、一緒につかまった奴らがいるな、ジョニー、グレッグ、ジェシカ」警視はびっくりします。「ジェシカはあのヘルシング教授の孫じゃないか。オカルトの権威のヘルシング教授の孫が関係していて、しかも死体の見つかった場所が教会、むむむ、これはやっぱりカルトかな」

 マレー警部補は決心します。「よし、ヘルシングと孫娘に会ってみよう」

 ジョニーは黒人女性のゲイナー(マーシャ・A・ハント)を自宅に連れ込みます。豪奢な内装とマリファナに酔ったゲイナー、ジョニーと始めます。一方、ヘルシング家でカッシングと面会した警部補、事件のあらましを語って彼の意見を聞くのですが、「それは変質者の仕業でしょう、そういうのは私の専門外です」けんもほろろなカッシング。「いや、でもですねえ、死体からは血が抜き取られていたのですよ、これはカルトの儀式じゃないのですか」カッシング、ぎくり。彼は尋ねます。「首に傷はありましたか」「体中に傷がありました。もちろん首にも」

 次のカッシングの台詞に息を呑む警部補。「それは吸血鬼の仕業です。体中の傷跡は首のそれをカモフラージュするためのものだ!」当然ながらカッシングの爆弾発言に警部補は半信半疑であります。警部補は複雑な表情を見せて、「き、吸血鬼ですか、まあ、そんなこともあるかもしれませんなあ。ところで、ジェシカさんはどうしたのです。彼女にも聞きたいことがあるのですが。殺されたローラは彼女の友達だったんですよ」「しぇーっ」カッシング飛び上がります。

 その時絶好のタイミングでボブに送られてジェシカが帰って来た。カッシングは慌てて彼女に昨晩のことを問いただします。ローラの死体が発見されたことを聞いて大ショックのジェシカですが、それでも力を振り絞って彼や警部補に昨晩起こったことを説明するのでした。「でも、その時ローラは生きていました。叫んでいたんです」その彼女を置いて逃げたのはあなた方ですけどね(笑)。「他のみんなは今、ジョーの家に集まっていると思います」マレー警部補と部下は若者達に話を聞くためにジョーの家へ向かいます。

 カッシングはなおも質問します。「ジェシカ、ジョニーというのは何者なのだ」「ジョニー・アルカードよ、数ヶ月前にパーティであったの。どこから来たのかは知らないわ」その夜書斎でじっと考え込むカッシング。彼の目の前にある紙にはALUCARDと書いてあります。これを反対から読むとDRACULAとなって、「ウウーム、ジョニー・アルカードはドラキュラの弟子の子孫なのだ」という結論に至ります。このままではジェシカが危ない!

 そのジョニー、ゲイナーを伴って教会へ侵入。現れたのはもちろんドラキュラ。しかし今宵のドラキュラはことのほか機嫌が悪い。「何ザマス、そんな女は違うザマス、ジェシカを連れてくるザマス!」でもドラキュラ、やっぱり「それはそうとして頂くザマス」ゲイナー、ちゅーちゅー吸われてしまいました。この様子を夢の中で見て絶叫するジェシカ。驚いて飛んできたカッシング、彼女を守るために首に十字架を掛けさせるのでした。

 お食事が終わったドラキュラ、口元をマントで拭いながら「げっぷザマス、お前、この死体を捨ててくるザマス、そして今度は間違いなくジェシカ連れてくるざます」ジョニーはへへーと平伏しながらも「ではそのためにも私に不死をおあたえくださいませ」これでジョニーも名実ともに吸血鬼になったとさ。

 ジョニー、車にゲイナーの死体を乗せて出発。とある池のほとりで止まるとドアを開けて「おら!」死体をがすと蹴りだします。ゲイナーの死体はころころと転がって池にざぶん。やっぱりこいつの死体の処理の仕方はぞんざいだ(笑)。この男、この直後にコインランドリーから出てきた女をやっつけて「頂きまーす」ってんで血を吸っちゃった。

 翌日、カッシングは教会へ行って小瓶に聖水を取った後、マレー警部補を尋ねます。その時新たな犠牲者が二人出た。しかもそのうちの一人はジェシカの友達で首に傷があった、ということを聞いたカッシング、「それはもう吸血鬼の仕業に間違いありません。私の祖父は吸血鬼と戦って死んだのです。吸血鬼の犠牲者もまた吸血鬼となる。早く止めないと大変なことになりますよ」これでようやく信じる気になったマレー警部補。彼はカッシングの指示に従って教会の監視をとくことにします。「ジョニー・アルカードは吸血鬼の手下です。彼を発見して尾行してください」

 しかし、結局彼らは吸血鬼に先手を許すことになります。ボブがあの店、洞窟でジョニーに出会ってしまったのです。その後ボブは何事もなかったかのようにジェシカを尋ねるのですが彼の首には似合わぬ(笑)スカーフが巻かれております。これは怪しい。ボブはジェシカを「ジョニーがつかまった。今、洞窟にみんな集まって供述書書いている。君にも来て欲しい」と言って誘い出します。これも物凄く怪しい。

 もちろん、これは罠。洞窟で待っていたのはジョニーで、すでにボブも彼に血を吸われて仲間になっていたのです。これに気がついて「ヒーッ」と失神するジェシカ。ジョニーは彼女に襲い掛かろうとするボブを止めて「馬鹿者、彼女はあのお方の獲物だ。あのお方のところへ運ぶのだ」

 警察からの帰り道、自宅へ電話したカッシングはお手伝いさんからジェシカがボブに誘われて洞窟に行ったことを聞かされます。これは罠だと直感したカッシング、洞窟へ行くのですが、ここは麻薬捜査のために警察で封鎖されております。裏口から中へ入ってみると、もう封鎖なんんていい加減なんだから(笑)、床にジェシカにつけさせていた十字架が落ちていたではありませんか。カッシング、彼女がすでに吸血鬼の手におちたことを知って半狂乱。偶然出会ったジェシカの友達に住所を教えて貰ってジョニーの家へ急行します。

 そのジョニー、夜明けが近づいてきたのでいそいそと自分が寝る棺桶の用意(笑)。カッシング、そこを襲って聖書と十字架を棺桶に投げ込んでしまいました。「げえ、おれ、棺桶寝れないじゃん」と怒り狂うジョニー(笑)。彼はナイフで反撃し、カッシングの腕を切り裂きます。しかし、カッシング、カーテンの隙間から差し込んできた日光を鏡を使ってジョニーに照射!「ぎゃー、ヒーっ」ジョニー、後ずさるジョニー、上手い具合にバスタブに倒れこんでしまいました。おまけに倒れるときにシャワーのバルブを偶然捻っちゃったものですから水がじゃー。吸血鬼にとって流水は毒にも等しい弱点。ジョニー、絶命します。

 ここでマレー警部補と部下が到着。彼らはようやくジョニーの家を突き止めたのです。カッシングは「奴は教会に潜んでいる。ジェシカを攫って彼女を吸血鬼にするつもりなのだ。これは100年を掛けた彼の復讐なのだよ」カッシング、マレー警部補にとにかく自分ひとりでやらせてくれ、教会へ誰も近づけないでくれと懇願。フツーだったら一顧だにされない話ですが、何しろバスタブで顔を白くして死んでいるジョニーがいる。マレー警部補はカッシングの願いを受け入れるのでした。

 カッシングはスコップや杭、十字架などの吸血鬼退治セットをカバンにつめて教会へ赴きます。思ったとおり祭壇に寝かされているジェシカ。カッシングは彼女の首に十字架を掛けて「私ではお前を目覚めさせることはできない。奴にしかできないのだ」それから杭をするどく尖らせて墓穴の底にセット。これで吸血鬼撃退の準備は出来た!

 夜の闇が迫ってきました。ドラキュラが現れます。同時にジェシカも意識を取り戻して立ち上がります。「よし、さっそく頂くザマス」と思ったドラキュラでしたが十字架に気づいて「げえっザマス!」ドラキュラ、目を背けてなるべく見ないようにして彼女の首から十字架をもぎ取ります。その十字架が手に焼き付いてジュー。「ひいいザマス」と苦痛の叫びを上げるドラキュラです。

 そしてぱっと現れたカッシング、「このドラキュラめ、もういつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」がーっと戦いになる訳です。カッシングとドラキュラ争ううちに2階へと上がります。カッシングはドラキュラが見せた僅かな隙を見逃すことなく銀のナイフで胸をぐさーっ。「ぎゃああザマス」2階から落下するドラキュラ。これで彼の運命は決まったかに思えたのですが、なんと操られたジェシカがドラキュラの胸からナイフを抜いてしまったのでした。ドラキュラ復活です。

 カッシング、2階から駆け下りると外へドラキュラを誘い出します。そして最後の手段で聖水を入れた小瓶を取り出し、蓋を開けて中身をドラキュラにばしゃり。全身に聖水を浴びたドラキュラ「ひいい、ひいい、ザマス!」彼は例の杭を仕掛けた墓穴の中へどさ。胸を刺し貫かれてしまいました。そこをカッシングが上からスコップでぐいぐい押し込んだものですからもうたまりません。杭が深く深く食い込んだドラキュラ、ついにその最後を迎えたのです。

 エンドクレジット。

 無軌道な若者たちというのはいつの世でも困りものだ、という教訓を秘めた大変面白い吸血映画でしたね、では、サヨナラ、サヨナラ。

 カラー・スクイーズワイド。モノラル音声。発色が良く解像度も高いですが、ちりちりとしたノイズが目立つのが残念。音声はクリアで台詞のひとつひとつが綺麗に聞き取れます。日本語字幕つき。ワーナー・ホームビデオ。ぽすれんのレンタルDVD。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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