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SFシネクラシックスコミュの『妖女ゴーゴン』(『The Gorgon』1964)

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 『妖女ゴーゴン』(『The Gorgon』1964)

この作品はLDでの鑑賞であります。チャプターやデジタル音声も入ってない極初期のLD。おそらく発売より20年以上経過しているものと思われます。おまけにLDのジャケットにはカビが生えているという…(笑)。こんな状態でもきちんと再生できたのは奇跡としかいいようがありません(大げさ、大げさ)。

 不気味に佇む古城、ボルスキ城を背景にしたオープニングクレジット。続いてテロップでこのボロスキ城には今世紀初期に怪物が住みつきふもとのバンドルフ村の人間を毒牙にかけていたという伝説が紹介されます。これを踏まえてさあ、映画の始まり、始まり。

 いきなり裸婦像を描いている画家ブルーノ(ジェレミー・ロンガースト)。そしてモデルとなっている女サーシャ(トニ・グリッピン)は彼に告白します。「私、赤ちゃんできちゃったの」プレイボーイとして鳴らしたブルーノ、最初はぎょっとしたのですが、すぐに「ならば君の父上に会いに行こう。ちゃんと結婚しなくちゃね」サーシャは喜ぶかと思いきや「駄目よ、そんなことお父様に知られたら殺されちゃうわ」「わははは、大丈夫、大丈夫」外へ出るブルーノ。サーシャは急いで服をきて彼の後を追います。

 暗闇の中の森、夜空の月がひときわ明るく輝いた瞬間、サーシャは何かを目撃します。「ひーっ」立ちすくむサーシャ。暗転します。

 翌日、バンドルフ医学研究所のナマロフ博士(ピーター・カッシング)のところへ持ち込まれるサーシャの死体。検死のためなのですが、担架を運んでいたカッシングの助手、カーラ(バーバラ・シェリー)は恐怖の叫びを上げます。担架からだらりと垂れ下がった手がテーブルにぶつかるとぼきりという音がして指がもげてしまったからであります。

 この時とつぜんぎゃーっという悲鳴。てっきり私はカーラのものだと思ったのですがあにはからんや、これは入院中のキチガ○女のマーサ(ジョイス・ヘムソン)だったという。彼女は看護婦を殴って病室から逃げ出したのですな。カッシングの指示ですぐに病室へ戻されたのですが、もう、こんな脅かし方はやめて下さいよ(笑)。

 カッシングは担架を覆っている白布を取り除きます。現れたのは全身が石となったサーシャの死体でした。

 一方警察は20人の人員を使って行方不明になっているブルーノを捜索。彼らはすぐにブルーノの首吊り死体を発見します。この後行われる裁判。カッシングを含め次々と証言台に立つ村人たち。しかし、彼らの証言はどことなくわざとらしい。まずはブルーノを捜索していたカノフ警部(パトリック・トルートン) 「彼は凄く評判の悪い男でした。酒癖と女癖が悪く、特に女癖はちんぽの乾く暇がないと言われていたほどです」 次にサーシャの父で旅館を経営しているジャヌス(アリスター・ウィリアムソン) 「いや、本当に酒癖の悪い男でしたよ、しょっちゅう私の旅館の酒場でもクダを巻いていて、すぐにダイナマイトがよー、ダイナマイトがよー、150頓!って訳の分からないことをわめくのです。こんな男にわしの娘が、くくくく・・・」 最後にカッシング、死因を問われて「彼女は暴力によって殺された。額に酷い傷があったし頭蓋骨も陥没していた。あ、そうそう、彼女は妊娠していましたな」 あれ、死体は石になっていたのではないのですか。

 はい、これで裁判は妊娠したサーシャに結婚を迫られたブルーノが彼女を殺害、そしてその後に自殺したということで結審してしまいました。

 これに納得がいかないのがブルーノの父でベルリン大学教授のハイツ教授(マイケル・ゴッドライフ)であります。「息子はそんな人間ではない。確かに女出入りはあったが殺人などできはしない。それよりこの村では5年間で7人もの人間が殺されているというではないか。彼女の死はその未解決殺人事件に関係があるのではないか」はい、裁判官から「あんたは親バカですなー」と言われてしまいましたとさ。

 頭に来たハイツ教授、旧知の仲であったカッシングを尋ねます。「君はベルリンの私の家でブルーノに会って話したことがあるだろう。殺人を犯すような人間に見えたか」カッシングは実に心苦しそうに答えます。「見えませんでしたが、誰にだって殺人犯になる可能性はあるのですよ」「いいや、君たちは事件の真相を隠そうとしているのだ。何かを恐れているのだ」そして突然トンデモないことを言い出すハイツ教授。「君はエウリアレというものを知っているかね。ゴーゴン三姉妹の一人だ。他の二人は殺されたがエウリアレだけが生き残りここへ逃げてきたという伝説があるだろう」どきっとするカッシングです。それでも彼は「私は科学者です。そんな怪しい伝説など信じておりません」そして最後に言ったのが「あなたはもうこの村から立ち去った方がよろしい」

 もちろん、ここで「んじゃそうしますよ」とハイツ教授が帰っちゃうと映画になりゃしない(笑)。彼は家を借りて助手と共に伝説を調べ始めたのですが、いきなり「ハイツは出て行け」と喚く暴徒が押しかけてきて火がついたたいまつを投げ込まれたり殴られたりしてしまいます。駆けつけてきたカノフ警部は暴徒たちを追い払ってくれたのですがやっぱり「この村から早々に立ち去りなさい」と言うではありませんか。これで頭に来たポール、助手に「ライプチヒ大学のマイスター教授(クリストファー・リー)に電報を打つのだ」

電報を受けたマイスター教授、とりあえず自分の代わりにブルーノの弟、ポール(リチャード・パスコ)が村に送り込むことにします。しかし彼の到着を明日に控えた晩、書斎で調べものをしていたハイツ教授は不思議なる歌に惹かれてボロスキ城へ。そこで彼は見てしまったのです。柱の影に佇む奇怪な人影を!「ヒーッ ゴーゴンだ!」ハイツは最後の力を振り絞って家へ戻るのですが、彼の体はすでに石化が始まっていました。彼の不気味な姿に驚く助手のハンスに「私は今から手紙を書く。明日、それをポールに渡してやってくれ」

 机に向かって石化しつつある体にむち打ちながら手紙を認めるハイツ教授。この手紙は彼の頼みどおりポールに渡されます。

 場面がぱっと変わるとポールがカッシングに父の死について問いただしております。「先生、親父は心臓発作で死んだとおっしゃいますがね」彼は手紙を見せて「胸が痛い、石になるって書いてあるんですよ、心臓だったらすぐに死んじゃうでしょ、こんなに長々手紙は書けないですよ」

 カッシングはうるさそうに彼の言葉を遮ります。「そんなこと言われても心臓で死んだのには間違いないんだ。手紙を何枚書こうか関係ないよ」かっとなったポールは「メゲーラってご存知ですか。父の手紙にはそんな怪物がいて村人を恐怖のどん底に陥れているとあったんですよ」「そんなものは神話にしか過ぎない。とにかく文句があるのだったら裁判で申し立てることだね」カッシング、ポールを追い出してしまいました。

 家へ戻ったポール、庭を散策して物思いに耽ります。と、背後から人の気配。振り返ったポールは家に誰か入り込んでいることを発見します。それはカッシングの助手、カーラでした。カーラは自分の身分を明かしこの事件の裏には怪物メゲーラがいること、カッシングや村人たちはそれを知りながら恐ろしさのために知らない振りをしているといいます。彼女はポールに助力を申し出るのですが・・・。

 これが実はカッシングの差し金だったという・・・。カッシング、ハイツ教授がどこまで事実を突き止めているか知るために、彼の手紙を読ませたのです。「ゴーゴン三姉妹というものがいた。頭から蛇が生えていて触手のような働きをする。これを見たものは恐怖のあまり石になってしまう。またゴーゴンは人間の姿に化けることもできる・・・」カーラは盗み読みした手紙の内容を聞かせます。カッシング、顔をしかめて「ウウーム、人間に化けるというのがまたまずいなあ」

 と、その時大慌ての病院職員が駆け込んできました。あの○チガイ女、マーサが脱走したというのです。驚いたカッシング、「そりゃいかん、早く探して連れ戻せ」

 さて、その夜ポールは亡父と同じように書斎で調べ物。と、突然ドアがばたんと開いて強風が吹き込んできました。異様な気配を察知したポール、庭へ出ます。そしてさらに大雨。ポールはふと池の水面を見て愕然とします。なんとゴーゴンが映っているではありませんか!「ヒーッ!」悲鳴を上げるポール、家へ戻ろうとしたら今度は窓ガラスにゴーゴンが映っている!「ヒーッ」ポール、逃げ回った挙句庭で倒れて失神してしまいます。

 ポール、カッシングの病院へ担ぎ込まれて五日間眠り続けます。そしてようやく意識を取り戻した彼はカッシングに「私は何かを見た、水面に映ったんだ、あの正体を知りたい。あいつは一体何なのです!」カッシングは例によって相手にならず「そんなことより今は体を休めることだ」カッシングはポールに鏡で彼の顔を見せて「ほうら、死人でもこんな酷い顔色はしてないぞ。何も考えずに休むのだ」

 その後夜中に悪夢にうなされてたびたび飛び起きるポール。この彼をカーラが優しく介護したものですから、まあ、ご想像の通り退院の日が来るまでにデキてしまったのでありました。その二人に気がついて嫉妬の焔をめらめらと燃やすカッシングです。

 そしていよいよ退院の日、カッシングはポールに尋ねます。「このままライプチヒに帰るのかね」もちろんポールは首を振ります。「いえ、私は村に残る。そしてあの怪物を僕の手で滅ぼすのだ!」むやみに張り切っているポール。彼が立ち去った後、カッシングは病院職員のラトフを呼んで「今夜は満月だ、彼女から目を離すな」と命令します。この彼女とは一体誰のことなのでしょうか。

 さて、ポールはさっそく自分独自の捜査を開始します。その第一弾としてやったのが父親の墓を暴くこと。棺桶を掘り出して開けてみると「しぇーっ」ポールが驚きのあまり飛び上がりました。彼の父親が石になっていたからです。と、その時背後からカーラの声が。「やっぱり来たのね、ポール。そうよ、怪物は存在するのよ」その言葉を聞いてはっとなるポール。「君は父の手紙を読んだのだな」「カッシングの命令よ。メゲーラについて知るためにね。彼はたぶん、誰かをかばっている。それが誰なのか分からないのが不安なの」

 怯えている彼女の様子にぐっと来た(笑)ポール、彼女の手を掴んで「君を愛しているのだ、今すぐにこの村から連れ出したい」カーラは激しく首を振ります。「今は駄目よ、我慢なさって、ここからは離れられないの」その彼らの頭上では満月が明るく輝いております。

 悄然として家に戻ったポール。この彼を訪ねてきたのがライプチヒ大学のマイスター教授であります。彼は教え子であるポールがなかなか戻ってこないのに業を煮やし自ら出かけてきたのであります。彼はポールから事件のあらましを聞いて「ウウーム、メゲーラか。私はまったくそんなものを信じないがとりあえず調べてみよう」

 その頃、カッシングは死体となって戻ってきたマーサを解剖中。ここでカーラが現れまして「マーサが逃げた晩、ポールがあれを見たのです。ひょっとしたらマーサがメゲーラなのですか」「違う、そうではない」「だったら誰なんです、教えてください!」しかしカッシングは教えません。「今は駄目だ、言えないのだ」 だいたいよほど鈍い人でない限りこのあたりで真相に気づくようになっております(笑)。

 一方、マイスター教授は精力的に調査を開始。彼はポールに「私はメゲーラなど信じないが、君はなんだ、そのカーラという女性を愛しているのか」「えへへへ、実はそうなんです」と頭を掻くポール。マイスター教授は次に警察署へ行きまして「私はまったくメゲーラなど信じないが、とりあえず村の転入記録を見せなさい」それによるとカーラがこの村にやってきたのが7年前。教授はひげをさすりながら「ウウーム、私はまったくメゲーラなど信じないが最初の殺人が起こったのは5年前だったね」

 ついで彼らは電話でカッシングに会談を申し入れます。この電話を取り付いだカーラにカッシングは「会えん、忙しいのだ。それよりカーラ、君はこの前ポールと会っていたのだろう!」カーラはびっくりします。「まあ、それではあなたはラトフに私をスパイさせていたのね」「君を守るためなのだ。訳を話すことはできないが、私の気持ちにウソ偽りはない」こんな要領を得ないことを言っちゃ駄目ですよ。ほら、思いっきりカーラに嫌われちゃったじゃないですか。「もうわたし、あなたなんか大嫌い」

 カーラ、電話でポールに明日の朝 城で会ってと伝えます。

 そして翌日、カーラはやってきたポールに「お願い、すぐ私を連れて逃げて」ポール、ニヤーッとしますが(笑)「もう少し待っておくれ、教授がメゲーラの謎を解こうとしているんだ、それまで村を離れることはできない」「ならば、もうあなたにはお会いできませんわ」走り去るカーラ。ポール、がっかりします。失意の彼は城から出るのですが、そこで襲い掛かってきたのがラトフ。危うく殺されそうになるポールですがそれを救ったのが唐突に出てきたマイスター教授でした。「あいつは君を殺そうとしていたぞ。やっぱりカッシングの一味はおかしい。奴らを調べなければ」

 マイスター教授、どうやって調べるのかと思ったら窓から侵入したという・・・(笑)。そして書類戸棚をこじ開けてカーラに関する書類を持ち出してきます。この手際の良さ、とても大学の教授とは思えません。この書類によりカーラについて次のようなことが判明しました。カーラは1903年に看護婦として採用され働き始めたのですが、1905年に記憶喪失を発症、1906年に回復したことになっております。「私はメゲーラの存在などかけらも信じていないけれども、カーラの記憶喪失と最初の殺人がほぼ同じ時期だ。ひょっとしたら彼女は満月になると記憶喪失になるのではないか、発症の時期が一致しているからな」

 そしてついに恐ろしい真実を口にするマイスター教授。「私はメゲーラの存在など徹頭徹尾信じていないのだが、これの霊魂が2,000年さ迷った末にカーラに取り付いたのだと思う」ポールはいきなりこんなことを言われたので大激怒。「彼女がメゲーラだなんてそんなことがある筈がない、あなたは一体なんてことを言うのだ」彼はカーラを保護してライプチヒ行きの列車に乗るように手配します。彼女がちゃんと電車に乗っていれば午後5時にはライプチヒのホテルについているはず。しかし、その時間になっても彼女は姿を現しません。

 「ほうら、見ろ、私はメゲーラの存在などかけらも信じておらんが、私の言ったことが正しかったのだ」ポール、城に彼女を探しにいくと言い出します。マイスターは彼を引き止めて「今夜は満月だ、私はメゲーラの存在などこれっぱかしも信じていないが、危ない、せめて朝になってからにしなさい」なおも出かけようとするポールにばしーんとビンタ(大笑い)。二階の寝室に閉じ込めてしまいます。しかしポール、あろうことか寝室の窓から抜け出してしまいました。彼はそのまま城へ向かいます。

 何も知らずに転寝しているマイスター教授。と、警官隊が現れました。彼らはカッシングの訴えによりポールをカーラ誘拐の容疑で逮捕しに来たのです。これでポールが姿を消したことを知ったマイスター、警官達を殴り飛ばして突破、彼もまた城へ急ぐのでした。

 城へついたポール、カーラの姿を求めて探し回るのですが、と、そこにいたのが長剣構えたカッシングですよ。これから二人の戦い。カッシング、意外に頑張ってポールを突き飛ばして失神させることに成功します。しかし、この時背後の暗闇からゴーゴンがばーん。うっかり振り返って彼女の顔を見てしまったカッシングは「ヒーッ!」ばったり倒れて石になっちゃいました。意識を取り戻したポールもゴーゴンの毒牙にかかって石化しようとします。ゆらゆらと漂うように動くゴーゴン。しかし、その時彼女の背後から現れたのがマイスター教授ですよ。彼はカッシングの落とした長剣拾って「私はみじんもメゲーラの存在なんか信じていないが、いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んで首をすぱーっ。こんころころりんと転がったゴーゴンの首。頭からはえていた蛇がちょろちょろと引っ込んで、その恐ろしい顔がカーラへ戻っていきます。半ば石化したポール、この首にはいずりよって「ああ、カーラ、カーラ」マイスターは瀕死の彼に「ようやくカーラは解放されたのだ」ポール、がくりと首を垂れてはい、石になってしまいました。

 エンドクレジット。

 へタレなカッシングが見られる貴重なハマー映画ですな(笑)。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。黒浮きが激しく、また砂のような細かいノイズもうるさい。モノラル音声はレベルが低く聞きづらいものでした。日本語字幕つき。

 エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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