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SFシネクラシックスコミュの『サント対絞殺魔の幽霊』(『El espectro del estrangulador』 『The Spectre of the Strangler』 1963)

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 『サント対絞殺魔の幽霊』(『El espectro del estrangulador』 『The Spectre of the Strangler』 1963)

 同1963年の『サント対絞殺魔』(『SANTO CONTRA EL ESTRANGULADOR 』『Santo vs. the Strangler』)の直接の続編であります。もっとも、この映画に出てくる絞殺魔は死んだと思われていたのがうっかり蘇生しちゃったものでありまして、幽霊などではございません。

 この詰の甘さがなんともサント映画的であります(笑)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「そんなに文句言うならメキシコミイラにしてしまうぞ、コノヤロー」ということでございますね。

冒頭夜の街を走る救急車。それはある劇場の前に止まります。中から運び出されてきたのは稀代の殺人鬼であった絞殺魔(ロベルト・カネード)の死体でした。彼はサントと警官隊の活躍によってついにその最後を迎えたのであります。そのことを新聞で知った絞殺魔の一の部下・・・というより一人しかいない部下のトー(ゲラルド・ツェペダ)。彼は怒りのあまり新聞をめちゃくちゃに引きちぎってサントへの復讐を誓うのでした。

 そんな彼が一番最初にやったこと。それは車に乗って絞殺魔の死体が保管してあるモルグへ行くことでした。そこで係員に死体を見せて貰ったトー、そっと死体の胸に耳を当てます。するとどうでしょう、かすかな心音が聞こえてくるではありませんか。トーは歓喜の叫びを上げると係員を絞め殺し、絞殺魔を抱えて逃げ出します。彼は下水道の中へ入って追っ手の目をくらませ無事アジトに逃げ込んだのでした。

 あ、この下水道のセット、『サントと死のホテル』(1961年)で洞窟として使われていたセットじゃないかな。また、この下水道、入っていくところと出て行くところがまったく同じ。しかも下水道の癖に水の一滴も流れておりません(笑)。

 さて、この後はおなじみサントの試合。この時客席にはヴィレガス警部(カルロス・ロペス・モクテスマ)が来ておりましてリング上のサントと頷きあったりしております。試合はサントが3本勝負のうち2本を先制してあっさり勝利を収めました。この後控え室で「サント、大変だ、絞殺魔の死体が消えてしまったぞ。おまけに彼の変装道具一式も奪われてしまったのだ。ひょっとして奴は生き返ったのではないか」「きゃつのことですからな、そんなキッカイなこともあるかもしれやせん」そして警部はあの劇場のオーナー ローラ(マリア・デュバル)があの事件以来休業していた劇場をオープンさせることになったと話します。「これが絞殺魔をおびき寄せることになるかも知れないぞ」

 サントはちょっぴり心配そう。なぜならその劇場では彼の稚児・・・あわわわ、じ、じゃなかった、養子のミルトン(ミルトン・レイ)が劇場に少年歌手として出演することになっていたからです。警部はそんなサントの気持ちも知らずに「これで絞殺魔をもういっぺん捕まえればわしゃ、大手柄、出世じゃ出世じゃ」と浮かれております。

 さて、大方の予想を裏切ることなくあっさり蘇ってアジトでパイプオルガン演奏中の絞殺魔。おお、メキシコ版『オペラ座の怪人』だ(大笑い)。彼の顔は半面がみにくく焼け爛れております。これが前作で起こったなんらかの事故によるものか、生来こういう顔の人なのか、はっきり分かりません。無責任なようですが、本当に分からないので仕方ないのであります。一方、トーはさまざまな人物の写真を参考にゴムでライフマスクを作製しております。ようやくできあがったソレを絞殺魔に差し出すトー。絞殺魔は大喜びでそのマスクを使って変装するのでした。そして彼は見事に俳優、ロベルト・カネードに変装したのですって、そりゃ元に戻っただけじゃないか(笑)。おまけに醜くつぶれていた片目がマスクをつけるとほら、元通りになっているという・・・。この辺、サングラスを使わせるとかすればいいのに。

 彼はせっかく綺麗につけたマスクをひっぱがし、何故かアジトに置いてある頭蓋骨にかぶせて「ワハハハ、ワハハハ」 おまけに彼が攫ってきたと思しき女の死体?剥製?人形がテーブルに配置されております。なんだかとても変わった人のようです。彼らはこの後夜の墓場へ出かけて墓暴き。まんまと若い女の死体を盗んだのでした。

 この間、劇場では女性歌手のショーが。またサントは万が一に備えてミルトンにサントガジェット、腕時計型通信機を渡します。「坊主、いざとなったらこれであっしに連絡するんだぜ、わかったな」「うん、パパ」と頷くミルトンの可愛らしさよ。

 この後、サントに対してついに牙を剥く絞殺魔。彼はサントに電話をして「何時までにどこそこあそこへ来ないと街が酷いことになるよ」サントはやむを得ずこの誘いに乗ることにします。サントカーで指定の場所へ赴きますとそこにあったのは古びた建物。サントは中に入ります。「飛んで火にいる夏の虫とはお前のことよ」と叫んで飛び掛ってきたのがトー。サント応戦します。この二人が戦っている間、画面の右端では何か黒いものがちらちら動いている。何だ、これと思った瞬間、その黒いものが階段の脇から飛び出してきて持っていた棒でサントの頭をぼこっ!サント、物も言わずに昏倒します(大爆笑)。あの黒い影はサントの隙を狙っていた絞殺魔だったのです。階段の端に隠れているつもりがついうっかり画面に入っちゃったんですなあ。

 目を覚ましたサント、自分が木の柱のようなものに縛り付けられていることを発見します。そして彼の頭上には巨大なピストンが。これでサントを押しつぶそうというのです。絞殺魔はげらげら笑いながらスイッチオン!ピストンがどーん、サントが拘束されている柱に激突します。再びピストンが引き上げられてまたごーん!危うし、サント、いまや彼の命は風前の灯でした。

 と、この時パトカー数台が到着します。なんと、あのサントの養子ミルトンがサントが録音していた絞殺魔の電話の内容を再生して警察へ連絡したのです。これを見て大慌てで逃げ出す絞殺魔とトー。一方ピストンは数回上下を繰り返し木の柱を破壊しようとしています。と、奇跡が起こりました。支柱が先に壊れてサントの縛めがとけてしまったのです。危ういところで脱出に成功するサント・・・、ウウーム、何かおかしいなあ、変だなあ(笑)。サントは警官隊によって保護されるのでした。

 さて、ここから劇場に場面が移りまして豪華、豪華の歌謡ショーの開幕です。男女の歌手が多数のダンサーを従えてのミュージカルショーが延々続きます。4人とっかえひっかえで出てきてその時間なんと27分20秒から37分50秒までの10分30秒。いくらなんでもこれは長すぎますよう。

 ようやく歌謡ショーが終わりまして帰ろうとするダンサーたち。そのうちの一人が絞殺魔とトーに襲われます。あっという間に殺されてしまいました。彼女の悲鳴を聞きつけた警察官が駆けつけてきたのですが、その時はもう絞殺魔とトーは例のごとく下水道を使って逃げてしまっていたのです。警部はこの殺人事件をテレビ通信機でサントに連絡します。

 すぐに捜査に出かけるサント・・・と思いきや、その前に試合をやるのでした(笑)。

サントは珍しく一本目を先取された後、怒り狂って相手をボコボコに。二連続のキャメルクラッチで失神させて見事勝利を収めます。サントは相手のマスクを剥がすのですが、あれれ、この場面になると、これは明らかにサントじゃないよなあ。別の試合に入れ替わってしまったのかしら。まあ、良く分からないけれどもどうでもいいです。だってサント映画なのですもの(笑)。

 試合後警部と控え室で話し合うサント。「絞殺魔の奴はきっと殺めたショーガールの骸を奪いに来るに違いありやせん。あっしはひとっ走りして、墓地の様子を見てきやす」サント、サントカーに飛び乗って墓地へ行くわけですよ。そうしたら案の定、絞殺魔とトーがせっせと墓暴きをしていたという・・・。サント、彼らに気づかれぬよう抜き足差し足忍び足で近づきます。私、普通に書いちゃってますけど、夜の墓場で覆面レスラーが抜き足差し足忍び足ですよ、こっちの方がよっぽど怖いですよ。

 サント、だっとトーに飛び掛ります。たちまち始まる大格闘。この時絞殺魔はどうしていたのかと言えば持参のクロロフォルムのビンの蓋を開けてぼろ布にしみこませていたという・・・。これで何をするかというと、もちろんクロロフォルムアタック!これでたまらずサント失神です。絞殺魔とトーは今の今まで掘っていた墓穴にサントを蹴落とします。そして棺桶の蓋を念入りに釘付けにしてうわあ、どかどか土かぶせて埋めちゃったよ。トーなんか上で飛び跳ねて埋めたところを押し固めているよ。

 メキシコ版『早すぎた埋葬』だ(大笑い)。

 生き埋めにされたサント、意識を取り戻して棺桶の中でもがきます。この姿を特殊撮影を駆使して真横から撮っている訳ですが、これがもう本当に狭くって閉所恐怖症の気がある私なんかもうめまいがしそうですよ。さあ、サント、このまま棺桶の中で即身仏になってしまうのか、大ピンチだ!と思ったらサントうつ伏せになって背中で棺桶の蓋を押し上げます。これであっさり脱出しちゃうのでありました。

 しかもその直後に試合出場ですよ。さすが鋼の肉体を持つ男、サントは違いますなあ。

 今回の相手は黒覆面。試合前にサントはなぜか不審そうな面持ちで黒覆面を見つめております。「あの野郎、どこか変じゃねえか」と思っているらしい。その疑惑はすぐに現実のものとなりました。試合中盤で黒覆面、いきなりロープを取り出してサントの首を絞め始めたのです。あまりに酷い反則に警官5人がリングに上がって黒覆面をサントから引き剥がします。そこからサント、猛然と反撃開始って、続けんのかい(笑)。サント、黒覆面をぼこぼこにして彼のマスクに手をかけたのですが、その時会場にいた絞殺魔が配電盤のスイッチを切った!これで真っ暗闇になる会場。絞殺魔、黒覆面に化けていたトー、この隙に逃げてしまいました。

 控え室では本物の黒覆面の死体が発見されます。トーは彼を殺害して代わりにリングへ上がっていたのでした。

 失敗してばかりの絞殺魔ですが彼の悪巧みはとどまるところを知りません。彼は次にトーに劇場のショーディレクター、ジュリアン(ジュリアン・デ・メルチ)を殺害させます。絞殺魔は彼の顔からマスクを作って変装、まんまと劇場内に潜り込むのです。劇場ではサントの養子、少年歌手ミルトンの歌や女性歌手のショーに大喝采。この時絞殺魔、天井に上って吊り下げられているシャンデリアのロープをナイフでカット。シャンデリアは舞台上の女性歌手の上に墜落して押しつぶしてしまいました・・・とはならないでわずかに外れてしまったという・・・。ぜんぜん意味ないじゃないか、この悪巧み。こんなことのために殺されたジュリアンが気の毒ですよ。

 さて、この時点で映画の残りは11分少々。こんなことやっててちゃんと結末がつくのかと心配しておりますと、警部に化けた絞殺魔がミルトンを誘拐。彼らはトーの運転する車で逃走します。警部の命令で追うパトカー群。トーの車は一旦物陰に止まって絞殺魔とミルトンを逃がします。そして彼は再び車を発進させ囮となるのです。追いかけてきたパトカーはまんまとそれに引っかかって、トーを射殺したものの肝心の絞殺魔には逃げられてしまったのでした。

 アジトへ連れ込まれたミルトン。彼はサントから渡されていた腕時計型通信機でサントに「パパ、僕を助けて」絞殺魔、これを見つけてミルトンをげしと張り飛ばします。「このガキめ、なんてことしやがる」彼は腕時計型通信機を奪い踏み潰すのですが、もう間に合いません。サントはアジトの位置を特定し踏み込んだのであります。

 しかし絞殺魔もただ黙ってサントの侵入を許した訳ではありません。彼の仕掛けた罠、落とし穴が作動、サントは叩き落されてしまったのです。しかも部屋の床から毒ガスが。サント、またまた大ピンチと思いきや落とし穴の部屋が狭かったので両の壁に体を突っ張らせて登ることができたという・・・。サント、今回も割りとあっさり死の罠から脱出することができたのです。

 そしてサントと絞殺魔の最終決戦。アジトを所狭しと暴れまわる二人。彼らはマスク作製のための薬品が入ったビーカーやらなんやらをひっくり返し、こぼれた液体が発火、火事となります。サント、大きなテーブルを持ち上げ、絞殺魔めがけて投げつけた!このテーブルによって暖炉の中に閉じ込められてしまう絞殺魔。炎に巻かれて「ぎゃーぎゃーぎゃー、熱い、ぎゃー」サントとミルトンは燃え上がるアジトの建物から脱出、サントカーに乗り込みます。この時になっても今だ絞殺魔の「ぎゃーぎゃーぎゃー」という悲鳴が聞こえているのが妙に残酷な感じであります(笑)。

 そしてサントたちが心配して待っていたローラたちのところへ戻ったところでエンドマーク。

 モノクロ・スタンダード。モノラル音声。画質は黒浮きが著しいもののそれほど悪いものではありません。音質は台詞に歪がないのが宜しい。スペイン語音声のみ、英語字幕なんかありません(笑)。『サント対狼女』(『Santo vs. Las Lobas』1972)とのダブルフィーチャー。Lions GateのDVD。

エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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