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SFシネクラシックスコミュの『フランケンシュタイン 恐怖の人体実験』(『Frankenstein Must Be Destroyed 』1969)

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 『フランケンシュタイン 恐怖の人体実験』(『Frankenstein Must Be Destroyed 』1969)

ピーター・カッシングのフランケンシュタイン博士は他のホラーキャラクターのごとく「この実験はご意思にそむくのではないか」「いくらなんでもこれをやっちゃ人間として駄目なのではないか」なんて悩みません。

 彼が悩むことといえば「次はどいつを実験台にしようか、脳みそはどこから調達しようか」なんてことばっかり。この非人間的なまでの科学者魂、たいがいラストはろくなことになりませんが(笑)、私はやはりこのカッシング=フランケンシュタインが好きだなあ。

夜の闇に紛れて歩く紳士。彼は何故か奇妙なことにバケツみたいな容器を抱えております。と、紳士は物陰に隠れました。やってきたのは今しがた馬車から降りたばかりの高名な外科医オットー・ハイテック博士。紳士は彼の背後に忍び寄ると鎌のようなナイフを振りかざしてしゅばりゅばどすび!彼の首を掻き切ってしまったのです。バケツのような容器はこの生首を入れるためのものだったのでした。

 一方、お屋敷に忍び込もうとしている泥的。謎の紳士が戻ってきたので慌ててドアを開いて入り込みます。そのまま逃げ場を求めて地下室へ降りたのですが、そこは実験室らしい部屋になっていました。物珍しげに眺める泥的ですが、ガラスケースの中に凍った死体があるのに気付いてぎょっ。たたらを踏んだ拍子にテーブルにぶつかって大きな音を立ててしまいます。これで謎の紳士、侵入者に気付いて襲い掛かった。紳士の顔を見た泥的は再びぎょっ。彼が焼け爛れたような怪奇な顔をしていたからであります。

 これから泥的と紳士の死闘。テーブルや実験器具を跳ね飛ばしながらの大乱闘です。殴られた泥的、紳士の持っていたバケツ容器を倒してしまいます。蓋が外れてごろんと出てきたのが血だらけの生首(笑)。三度驚く泥的です。紳士はまた彼に襲い掛かったのですが、しかし、結局泥的を逃がしてしまったのでした。悔しげに顔面のマスクを剥ぎ取る紳士。現れた顔はもちろんピーター・カッシング!

 ピーター・カッシング=フランケンシュタインは例によって恐ろしい実験に耽っていたのであります。カッシングはこうしちゃいられないとばかりに床に設けられた落とし戸を開き、ガラスケースの死体やら生首やらの証拠をぽんぽん放り込み、あ、ヒデー、生首なんか足で蹴落としてんの(笑)、風のように姿を消したのです。泥的の告発によってこの謎の紳士こそがオットー・ハイテック博士殺害の犯人だと確信したフリッシュ警部(スローリー・ウォータース)に率いられた警官隊が踏み込んだのですが、時、既に遅し。得られた捜査結果は「んー、多分、犯人は医者じゃないですかねえ」という誠に頼りないものだったのです。

 さて、すたこらさっさと逃げ出したピーター・カッシング。フェナーという偽名でアナ・スペングラー(ヴェロニカ・カールソン)といううら若きお嬢さんが経営する下宿家に逗留することになります。だいたい、ピーター・カッシングなんか泊めたら偉いことになるのに決まっているのですが、こうした若い女性はホラー映画の知識などありませんからなあ。うやうやしくカッシングを迎えて「長のご滞在ですか」なんて聞いちゃったりするんです(笑)。

この後場面は一転してこの町にある精神病院の中。「ぎょああえええええ」と絶叫する女性狂人(コレット・オニール)に注射をして大人しくさせているのが、若き精神科医カール・ホルスト(サイモン・ワード)、この精神病院にはもう一人名物キ○○○がおりまして、これがブラント博士(ジョージ・プラウダ)、何でも5年前に脳移植の技術を確立したと発表したために全ての資格を奪われて発狂したというのです。このブラント博士の主治医であるリクター教授(フレディ・ジョーンズ)は助手に向って「ブラント博士はもうアカン。あっちの世界に行ったままでもう帰ってきいへん。奥さんに無駄やからもうお見舞いはやめなはれと連絡してんか」

 このブラント博士と共に脳移植の実験をして国を追放されたのがフランケンシュタイン博士、すなわちピーター・カッシングだったのであります。

 カール・ホルストは実はアナの婚約者。そして彼は重い病気であるアナの母親の治療代を捻出するために精神病院からコカインを横流ししていたのであります。これをカッシングに嗅ぎつけられたのが運のツキ。「おい、ホルスト君、麻薬の横流しは重大犯罪だぜ、少なくとも20年はくらい込むはずさ。お嬢さんの方も共犯になるのだからただではすまない。あんたも10年は刑務所ぐらしだな」カッシング、にやりとして「そうなりたくなければ私の実験に協力するのだ」だから、アナ、そんなピーター・カッシングなんか泊まらせるものじゃないと言ったでしょ(笑)。

 アナ、カッシングに脅されて泣く泣く他の滞在客を追い出してしまいます。そしてカッシングはホルストと共に医療器具会社の倉庫に忍び込んで実験器具や薬品を盗み出そうとします。この時、警備の老人に見つかったホルスト、パニックとなって思わず持っていたナイフで刺し殺してしまったのでありました。カッシングは冷たく言い放ちます。「これで君も人殺しだな」そして、これでホルストはもはや俺の奴隷よとほくそ笑むのです。

 カッシングは次の悪事を計画します。それはなんとあの精神病院からブラント博士を奪還しようというもの。呆れるホルストに向って「彼と私は脳移植を成功させた。次は脳を冷凍保存することだったのだ。ブラントは冷凍保存に関して何か決定的なアイデアを持っていると言っていた。私は会って聞き出すつもりだったのだが、その2日前に彼は発狂してしまったのだ。彼を奪還して、脳手術で治療し、その秘密を聞き出すのだ」ホルスト、反対しますが何しろ殺人と言う弱みを握られているのでどうにもなりません。泣きそうな顔で手伝う羽目になってしまいました。

 さっそく夜の精神病院へ忍び込むカッシングとホルスト。カッシング、ぐーがー寝ている夜警の首に激しい空手チョップを浴びせて昏倒させます。そして鍵を奪ってブラント博士を連れ出そうとしたのですが、ブラント博士、いきなり暴れ始めた。おまけにあの女狂人が騒ぎを聞きつけて「ぎょえひあああへへへ」と絶叫。えらい騒ぎになりました。当然、犬を連れた追っ手が出動するのですがカッシングたちはなんとか逃げ延びることに成功します。ところがブラント博士を下宿屋へ連れ込んでさあ、手術だと張り切ったのはいいのですが、肝心の博士が心臓発作起こしちゃった。もう、これで3日ともたんというような状態になってしまったのであります。カッシングは懊悩した挙句、「よっしゃ、別の肉体に脳を入れ替えようじゃないか。その対象はリクター教授だ!」

 この間、フリッシュ警部は殺された警備の老人を調べたり、誘拐されたブラント博士の奥さんにいろいろ聞いたりするのですがどうもはかがいきません。今現在、彼に分かっているのは同じような研究をしていたフランケンシュタイン=ピーター・カッシングが怪しいということだけです。

 二人は再び出動。リクター教授を誘拐します。倉庫に寝かせておいたのですが、偶然アナが彼を見つけちゃった。騒ぐアナ、カッシングは彼女の寝室に押し入り、「おら、ええやろ、させんかい」と当時、56歳の肉体に鞭打ってレイプ!口封じのためなのですかねー。

 翌日、ついにブラント・リクター間の脳移植手術が開始されます。カッシング、丁寧に二人の頭の毛を剃りまして準備完了。「カール、メスをよこしたまえ」頭の皮をさーくさーくさっくさく。「カール、ノコギリだ」頭蓋骨をごーりごーりごっりごり。

手術そのものは意外に簡単に終わりまして、抜け殻となったブラント博士の死体とリクター教授の脳みそはカッシングとカールが二人がかりで中庭の花壇に埋めてしまいましたとさ(笑)。

 ブラント博士とリクター教授の捜索にやっきとなる警察はついに、町中の家を一軒一軒しらみつぶしに当たり始めたのです。当然アナの下宿にも警察がやってたのですが、巧妙に地下室への入り口を隠しておいたものですから、見つからずにすみました。おまわりさんが中庭に出て花壇を見た時のアナとカールの驚きぶりが笑えます。

 さて、ブラント博士の脳みそを移植されたリクターは順調な回復を見せ、再度の手術にも耐えられそう。カッシングはさっそく、「よし、今度は彼を正気に戻すための手術だ。カール、彼の頭を抑えなさい」そして長い長い針金のような手術用具を頭にずくーっ!カッシングがさらに力を込めて「ぬん」と押し込むのが不気味悪い。この手術も割合あっさりと成功し、後は意識の回復を待つだけとなりました。

 しかしそう調子の良いことばかりが続くわけもない。町をぶらついていたカッシング、ブラント博士夫人のエラ(マキシーン・オードリー)に偶然目撃されてしまいます。彼女はどこかで見たことのある男だと直感、古新聞を漁って夫のブラントと共にポンチ絵になっていたその男の顔を見つけ出したのでした。「やっぱり、あの男はフランケンシュタイン男爵だったのよ!」さらにカッシングが出かけている間、いきなり中庭の花壇から水が吹き上げました。埋設されていた水道管が破裂したのです。そしてその穴から水圧に押されたブラントの死体の手がぷーらぷら(大笑い)。おまけに隣のおばさんが、「あら、大変水道屋を呼んできたげるわ」だって。アナ、恐怖に顔をゆがめながら死体を引っ張り出し、懸命の努力で隠したのであります。

 なんとか見つからなかったものの、アナはもう泥まみれ。「もー、こんな生活たくさん」とボヤいております。

 さて、この騒動が終わってほっとしたのもつかの間、今度はエラがやってきた。彼女はカッシングの後をつけてこの下宿を突き止めていたのです。応対に出たカッシングに「あなた、うちの夫を知っているでしょ、どうしたの、何をしたの、夫はどこ」とかみつくエラ。カッシングはものも言わずにステッキを振り上げて彼女を撲殺・・・なんてことにはなりませんで「奥さん、落ち着いて、ブラント博士は確かにここにおります。私が治療しているのです。精神病院から拉致したのは認めますが、そうでもしないかぎり、彼の治療をすることはできなかった」

 カッシングは彼女を地下室へ案内します。上手い具合に顔面に包帯を巻いてあったので、エラにブラントがリクターに変わっていることなど分かりません。カッシングはエラに「さあ、話しかけてみなさい。彼が左手を使って返事してくれるよ」これでエラ、「わたしよ、エラよ、あなたの妻よ」ブラント、ぴっと左手を上げます。エラは彼本人であることを確認しようとして「私の髪の毛の色は?金色」とわざと違うことを言うと、今度はブラント、左手をぷらぷら振るのでした。これはNOということですね。これでエラはこの包帯男が自分の夫であることを確信し、カッシングに礼を言うのであります。カッシングはにこやかに「法を犯しているのですからな、とにかく秘密厳守に。それから今からいつでも会いに来てくださって結構ですよ」でもエラが帰るやいなや「カール、アナ、荷造りだ、すぐに逃げるぞ」

 馬車で郊外の古城に逃げ込むカッシング一行。その翌日、さっそくカッシングに言われたとおりに夫に会いに来たエラは下宿がもぬけの殻になっていることを発見。警察に通報します。駆けつけてきたフリッシュ警部たちは下宿を捜索。床下に放置されていたブラントの死体を発見するのです。「ひーっ、私の夫が」と悲嘆にくれるエラが哀れ。

 一方、カッシングはブラントに薬を注射、蘇生を早めようとします。いずれ追っ手がかかることを予感して彼から早いところ「脳保存の方法」を聞き出しておくつもりのようであります。カール、アナはこの隙に「奴は一人で逃げるつもりだ、僕たちもとっとと逃げ出そう」と相談。カールが馬車の用意をすることになりました。アナはブラントの蘇生時期を知るために薬の残量を見に行こうとしたのですが、この時すでにブラントは意識を回復、治療台から立ち上がっていたのです。ブラントは頭の包帯を外し頭の鉢をぐるりと取り巻いた惨たらしい傷跡に触れて「な、なんじゃ、こりゃ」さらに銀のお盆の裏で自分の顔を映してみて「な、な、なんじゃ、こりゃ、わし、別人になっとるがな」この時丁度良いタイミングでアナが現れた。ブラントは「一体全体これはどうしたことだ、世の中間違っとるよー」と彼女から訳を聞きだそうとしたのですが、怯えたアナ、思わず傍らのメスを取ってブラントの腹にぐさあ。

 さて、そんなことになっているとは夢にも思わないカール、納屋で馬車の用意をしております。しかし、ここでカッシングに見つかった。「貴様、カール、先に逃げるつもりだな、そうはさせんぞ」カッシング、カールと戦います。カール、頑張ったのですが、ついにカッシングに殴られて失神してしまうのでした。カッシングはこの後、治療室に向かうのですが、肝心のブラントがおらず、しかもメスを持ったアナが呆けたようになっているのを見て、「お前、刺したんか、なんてことをするのだ」怒り狂ったカッシング、アナからメスを取り上げて彼女の胸にぐさあ!カッシングは逃げ出したブラントを馬車でおっかけます。

 失神から目覚めてアナを探しにやってきたカール、息絶えた彼女を発見して絶叫。彼もまた復讐のためにカッシングを馬車で追跡するのです。

 腹を押さえて逃げ出したブラント、途中医者の家を見つけて忍び込み傷を治療、服やお金も入手して乗り合い馬車で自分の家に戻ってきたのです。ブラントは夜になるのを待って自分の屋敷へ侵入します。そしてエラが寝ている寝室へ。翌朝、眼を覚ましたエラはびっくり仰天。衝立の陰からまったく知らぬ声が「いや、おれ、お前の夫なんだよ」と話しかけてきたからであります。そして彼の姿を見て「な、なんじゃ、こりゃ、全然あたしの夫じゃないわよ、別人よ」「私はフランケンシュタインの脳移植の実験台にされてしまったのだ。奴は私の脳保存の秘密を求めてここへやってくる。私は奴に復讐するのだ」

 彼は家中にランプを配置、さらにあちこちに油をぶっかけます。そして本当にカッシングがやってきた。ブラントはエラを裏口から逃し、カッシングに対峙します。「お前は脳保存の書類が欲しいのだろう、書斎に置いてあるから、取れるものなら取ってみな!」ブラントは火をつけたマッチを投げ落とします。ぱあっと広がる炎。カッシング、なんとか書斎から書類を取ってくることに成功したのですが、ピストルを構えたブラントに阻まれて外に出られません。おまけにカールまでやってきた。もっとも、ブラントにピストルで撃たれてすぐに転げ出てしまうのですが(笑)。

 この隙にカッシングも外に飛び出したのですが、彼の腰にカールが飛びついた。ブラントも出てきて、カールを蹴って失神させるとカッシングを担いで燃え盛る屋敷の中へ戻ってしまったのです。「ぎゃあ、ぎゃあ、後生だから助けて、そんなことしないで」と悲鳴を上げるカッシング。二人の頭上に瓦礫が落下したところでエンドマーク。

やっぱりラストはろくなことにならなかったけど(笑)、やっぱりカッシングのフランケンシュタインはカッコいい!

カラー・スクイーズワイド 英語モノラル音声 発色が綺麗なので血の色が鮮やか(笑)。イヤーな高画質です。日本語字幕付。ワーナーホームビデオのぽすれんレンタル。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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