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SFシネクラシックスコミュの『偉大なるトボー』(『Tobor the Great』 1954)

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 『偉大なるトボー』(『Tobor the Great』 1954)

 これは子供の頃から見たかった映画のひとつ。それが30数年の時を経てようやく見ることができたのであります。つくづくオタク続けていて良かったなあという感慨しきりであります。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

どかーん、巻頭いきなりの原爆実験です。「これは遠くない未来の物語である」この手のSF映画につきもののやたらに勇ましいナレーション(笑)。「第二次大戦後、二つの技術が急速に発展した。その一つは誘導ミサイルやロケット。どんどん大型化して、重量物を搭載できるようになった(V2ロケットがシュバー!)。もう一つは原子力機関。ミサイルとは逆に小型化が進んで潜水艦にも搭載できるようになった(潜水艦が進水)。遠からずロケットにも搭載できるようになる筈だ。そうなれば宇宙旅行も夢ではない。合衆国大統領はこれを鑑みて民間惑星間飛行委員会CIFC(Civil Interplanetary Flight Comission)を設立させ、更なる研究に当たらせたのである。その結果、失敗もあったが、ロケットの実用化には目処がついた。しかし、問題はいまだ残されている。人間は宇宙飛行に耐えられるのであろうか」

 耐えられませんでした(笑)。例の球体の中に被験者入れてぶん回す耐G訓練施設でパイロットはあっさり白目を剥いて失神してしまったのです。この結果に愕然とした本作の主人公ラルフ・ハリソン博士(チャールス・ドレイク)は「これでは有人宇宙飛行は無理だ」と確信、CIFCのコミッショナーに掛け合ったのですが、「何、君、新しいことをやろうとしているんだ、リスクはつきものじゃないかね」と請合って貰えません。激怒したハリソンは「そんなら、僕、CIFCやめます」短気な彼はバッヂとかパスとかをポケットから放り出して足音あらく出て行ってしまったのです。

 失意のハリソン、ホテルで荷造りしております。もう「あなたとコミッショナーとの間で何が起こったのですか」という取材の電話がひっきりなしに掛かってきて五月蝿いのなんの。おまけにドアがとんとんとノックされたではありませんか。ハリソンはカッとなってドアを開けると「だから取材には応じられないって言ってんだろ、口に手ェツッコンで奥歯がたがた言わせたろか」しかし、そこにいたのは記者ではありませんでした。高名なる科学者アーノルド・ノルドストーム教授(テイラー・ホームズ)だったのであります。彼は驚いているハリソンに「私も君の考えに賛成だ。人間が宇宙飛行に耐えられるとは思わない」「でも教授、無人で複雑なミッションがこなせますかね」「それについて、私にアイデアがあるのだ、君、一つ、私と一緒にカリフォルニアへ行って手伝ってくれないか」

 ハリソン一も二もなく承知しまして、二人でカリフォルニアの博士の自宅兼研究所へ向うことになります。空港のレストランで搭乗のアナウンスを待っている二人。そこへ偶然やってきたのが「トランスグローバル・ニュースサービス」のサイエンスエディターのギリガン(アラン・レイノルズ)。彼は渦中の科学者二人が一緒にいるのを見て大コーフン。早速「ねえねえ、二人で一体何をやろうとしているんですか、教えてくださいよ」とインタビュー開始。ノルドストーム教授は彼に「今は教えることができない。30日後に私の研究所へいらっしゃい。研究の成果をお眼にかけることができるだろう」

 このやりとりを隣のテーブルで男が盗み聞きしております。むむ、怪しい、なんだこいつは。

 さて、執事のカール(フランツ・ローエン)の運転する車で無事研究所に到着。その彼らを向かえたのは教授の娘ジャニス(カリン・ブース)、孫のブライアン(ビリー・チャピン)。この孫のブライアンはとにかく機械装置が好きでみんなからgadgetをもじったあだなGadge(ガッジ)で呼ばれております。その頭脳たるや少年とは思えぬほどで、教授の留守中、教授とカールしか知らない本棚に偽装された地下研究室の扉を開けてしまったほど。ブライアンはハリソンと二人で研究をするのだと聞いて「僕にも見せてよ」とせがむのでした。まあ、こんなハナモチならないガキ(笑)のこんな願いが聞き入れられたらたまりません、教授はやさしく、しかしぴしゃりと「いや、いけません、君にはまだ早すぎます」

 二人は研究室へ。秘密の扉が閉まります。そしてほどなくその音から聞こえてくる機械音。ガッジはこの音を聞いて「一体何をしているのだろう」と好奇心を膨らませるのでした。

 さて、月日が経つのは早いもの。あっという間に30日間がたち、研究所でお披露目が行われることになります。続々と車でやってくる新聞記者たち。もちろん、ギリガンもやってきます。おや、あの怪しい男も来たぞ。彼も新聞記者だったのでしょうか。

 地下研究室へ詰め掛ける記者たち。用意されていたパイプ椅子に座って、教授の登場を待ちます。そして現れた教授は怪奇な形のリモコン装置を箱から取り出してスイッチオン。研究室にあった円筒カプセルがずーんと沈んで中から現れたのが、おお、これはロボットだ。教授はたからかに宣言します。「無重力・放射線などの危険がある宇宙空間で人間の代わりに働くロボット、名づけてトボーであります」記者たちがどよめき、マイクで研究室の中を盗み聞きしていたガッジも歓声を上げます。

 そして記者たちにトボー(TOBOR 言うまでもなくこれはROBOTをひっくり返したもの)の説明をする教授です。「遠距離で従来のリモコン操作は電波が届かなくって不可能。そこで我々は彼の操縦にテレパシーを使うことにしました」「ええっ」びっくりする記者たち、「おまけにこのトボーには感情が存在するのであります」「えええっ!」三度びっくりする記者たち。

 教授はそのトボーの感情制御機能のデモンストレーションを開始。まずジャニスを呼んで「彼に優しい言葉をかけてあげてくれ」戸惑うジャニスですが思い切って「あなたはとても親切そうね、トボー」するとトボー、腕を差出てジャニスと握手したという・・・。ここでギリガンが余計なことを言い出した。「友情の感情は分かりました。彼が怒るとどうなるんですか」教授は彼に非常用の斧を持たせてトボーの後ろ側に立たせます。「それで攻撃するフリをしてくれ」その言葉通り斧を振り上げるギリガン。するとトボーは素早くバックステップ、腕を振って彼を吹っ飛ばしてしまったのです。

 その機能に感心しごくの記者団。ギリガンも驚きに眼を見開いております。教授は彼らに「もうすぐこのトボーは完成します。その時こそ人類の宇宙への道が開けるのです」

 これにて記者会見はお開き。続々と帰途につく記者たちです。この時ガッジ、見送りに出た教授たちの隙をついて研究室に潜入。「どうしても僕のこの目でトボーを見なくちゃ」と思い立ったのですな。彼はリモコンを見つけてスイッチオン。再び円筒カプセルが下がってトボー登場。ガッジ、大喜びでリモコンを弄り回します。動き出すトボー。トボーはガッジの慣れぬリモコン操作のために、勝手に歩いて一階へ行き、家具などを破壊してしまうのですが、さすがはハナモチならないガキじゃなかった天才少年、ついにトボーの操縦法を会得してしまったのでした。

 家具が壊れる音を聞いて戻ってきた教授たち。「ウウーム、さすがはわしの孫じゃ、もうトボーの操縦をマスターしおった」

 その後ジャニスとハリソンは研究室の後片付け。ハリソンはふと妙なことに気がつきます。「そういや、招待した記者は20人だったけど、出されている椅子の数が合わないぞ」ここで場面がぱっと変わって例の怪しい男が車のカーナンバーを取り替えているところが映ります。やっぱりこの男はスパイだったようです。

 スパイ、マックス(ハル・ハルベイラー)はさっそくアジトの「ラストチャンスガレージ」のスパイ・ボス(スティーブン・グレイ)に報告です。「ボス、奴ら、えらいもん作ってますわ!」ボスは「よし、ぐずぐずしてはおれん、教授の研究室に潜入してそのトボーとやらの秘密を探るぞ」

 さて、その間教授とハリスンはトボーのテストを続けております。ようやくテレパシー波送信機が完成したので、コレを使ってトボーにあんなことやこんなことをさせたのです。まずはタイプライターで文字を打たせます。3本指を器用に動かして文字を打ち込むトボー。モニターに「仕事ばかりで遊ばない、ジャックは今に気が狂う」と延々出てきて、ウェンディがキャーッ!なんてことにはなりませんで(笑)「トボーとはロボットの逆つづりなり、トボーはロボットの逆つづりなり」満足げに頷くハリスン。

 次に宇宙船操舵装置の操縦訓練。これも上手くこなすトボー。しかし、次の隕石回避テストはそうは問屋が許さないじゃなかった卸さなかった。操縦装置を操ってモニターの中に飛び込んでくる隕石を交わすトボー。最初は上手く行っていたのですが、その数がどんどん多くなって対処しきれなくなったために、トボー、ついにブチ切れてしまったのです(笑)。暴れだすトボー、操縦装置のモニターをぶっ壊してしまいます。そしてあろうことか止めようとしたガッジを跳ね飛ばしてしまったのです。

 トボー、ハリソンにリセットかけられて正常に戻りました。でも宇宙でこんな風になっちゃったらどうするんだ、トボーをリセットしてくれる人間はいないぞ(笑)。

 さて、スパイ軍団、いつの間にか3人に増えています。科学者のグスタフ博士(ピーター・ブロッコ)もノルドストーム教授の研究の検分のために仲間に加わっています。4人はある夜、トラックを改造したはしご車を使ってノルドストーム研究所の電磁柵を越えて侵入、研究室へ押し入ろうとするのですが、研究所の監視システムがちゃーんと彼らの姿を捕らえていたのです。「警告、警告 何者かが侵入いたしました」という警報が流れ同時に悪漢どもの姿がテレビモニターに映し出されます。これを見ながら「にひひひ、マヌケですね」と笑っているのがノルドストーム博士たち。博士はぐいとボタンを押し込みます。すると円形のライトが出現し、侵入者たちに眩しい光を浴びせかけたのです。同時に庭の各所に仕掛けられたスピーカーから「硫黄島の戦い実況録音」が大音量で流れ出した。これですっかり度肝を抜かれたスパイ軍団、たまらず逃げてしまうのでした。

 「わははは」と大笑いのノルドストーム博士たち。

 ほうほうの体でアジトに逃げ帰ったスパイたち。しかしこれで企みを断念するわけにはいきません。本国から罰せられてしまうからです。ボスはしばらく考えて、「そうだ、研究所に入れないなら、ノルドストームの奴を引きずりだせば良い。奴には孫がいた。そいつを餌にしよう」悪いことを考えるものですな。

 その餌というのがグリフィス天文台 プラネタリウムからの招待状。「4月7日 午後2時半からの火星探検ショーにご招待します。お友達一人まで」これですっかり喜んだガッジ。あろうことか「お友達一人まで連れて行っていいんだから、おじいちゃん一緒に行こう」ということになったのでした。知らぬこととはいえ、本来ならガッジを人質にして「やい、教授、でてこんかい」とやるつもりであったろうスパイたちの手間を大幅に省いてしまったという・・・(笑)。これで二人で出かけまして、「あれ、他に誰もいないなあ、プラネタリウムの中もからっぽだよ」とマヌケなことを言っているうちにあっさりとスパイたちに捕まってしまいましたとさ。

 スパイ軍団は二人をアジトに連れ込みます。ボスは教授に紙と鉛筆を渡して「さあ、トボーの秘密を教えるのだ!」ガッジは気丈にも「おじいちゃん、教えちゃ駄目だ、やめて」とたんに部下が彼を張り倒します。子供相手になんて酷いことするんだ、コノヤロー(笑)。

 その頃研究所では大騒ぎ。今夜午後7時から軍部、民間惑星間飛行委員会CIFC、報道機関に完成したトボーのお披露目会が予定されていたのですが、肝心の教授とガッジが帰ってこないからです。ハリソンは警察に電話しグリフィス天文台を探して貰うのですが帰ってきた返事は「ええ?今日はそんなショーは予定されていないですって?」 ハリソン愕然。そして「二人は誘拐されてしまったのだ」

 さあ、急げとボスに急かされる教授、わざとらしく鉛筆の芯をへし折って「あ、これはいけない。でも安心したまえ、わしが自分の鉛筆を持っている」彼は背広から特殊な鉛筆を取り出します。実はこの鉛筆、カールによって「トボー遠隔起動装置」が仕組まれていたのです。さらに教授は「最近耳が遠くなってしまってなあ、背広に補聴器が入っているからとって下さらんか」その補聴器というのはもちろん、トボー専用テレパシー送信機であります。「さあ、どこまで書いたかなあ」といいながらスイッチをカチ。その瞬間、地下研究室でトボーが起動。のっしのっしと歩き出したのでした。

 トボーは秘密の入り口になっている本棚を吹っ飛ばして1階に現れます。驚愕するハリソン、ジャニス、そしてゲストたち。しかし、ハリソン、「これはどこかに監禁されているであろう教授が遠隔操作しているのだ」と気がついてトボーをそのまま行かせるようにしたのです。トボー、どんどん歩いて研究所の門へ。これを吹っ飛ばして見張りの兵士の頭をごっ!彼のジープを奪って走り出します。ジープを運転するトボー、いつそんなもん教わったんだ(笑)。ハリソンや軍関係者は急いで車で彼の後を追いかけます。

何もしていないのにいきなり頭をぶん殴られる兵士が哀れ。

 トボー、アジトの近くにジープを止めて再び歩き出したのですが、ここで異変が起こった。ボスが教授の鉛筆が怪しいことに気付いて取り上げ、壊してしまったのです。これでトボー、テレパシー送信機からのテレパシー波を受けられなくなって止まってしまいます。怒り狂ったボス、部下達に「やい、おまえたち、ガキの服を脱がせろ、教授、さっさと秘密を教えないとガキをバーナーであぶってしまうぞ」うわあ、本当に部下がバーナー持ち出してきたよ。だから、子供相手になに考えているんだ、コノヤロー(笑)。

 ハリソン、トボーの異変に気がつきます。「畜生、きっと送信機が壊されたのに違いない」しかし、ここでナイスなアイデアを思いつくハリソンです。「きっと教授とガッジはこの近くに監禁されているのに違いない。だから近距離なら送信機なしでもテレパシー波を拾えるはずだ」彼はトボーの頭部から受信用アンテナを取り外します。

 アジトではガッジが一心不乱にお祈りしています。「トボー、来ておくれ、トボー、僕たちを助けておくれ」トボー、再起動。そうガッジの願いのテレパシー波をキャッチしたのです。また歩き出したトボー、すぐにアジトに殴りこみます。そして「イツマデモオマエタチノカッテニハサセン、セイギハカナラズカツ!」と叫んでスパイ共をぼこぼこのくしゃくしゃにしてしまったのでした。

 数ヵ月後、CIFCの宇宙港から飛び立つ原子ロケット。偶然にもナチスドイツのV-2そっくりのロケットの操縦席にいるのはトボー。そしてそのロケットの飛行を見守っているのがノルドストーム教授とガッジ。ガッジが「さようなら、トボー、頑張ってね」とつぶやいたところでエンドクレジット。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質はあまり良くありません。黒浮きが酷いし、コントラストも取れていません。音質はBGMの粒立ちが良く高水準。英語字幕付。
Lions GateのDVD。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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