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SFシネクラシックスコミュの『大襲来!吸血こうもり』(『Chosen Survivors 』1974)

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 『大襲来!吸血こうもり』(『Chosen Survivors 』1974)

 吸血こうもりと核シェルターを組み合わせた異色作。アイデアは凄く良いと思ったのですが、じっさい見てみたらなんということはないたんなる駄作映画でした。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

ここはニューメキシコ近辺の岩山。アメリカ陸軍のヘリコプターが飛んできます。ヘリパッドに到着したヘリコプターから降りてきたのは10人の民間人。彼らは陸軍兵士たちに岩山の岸壁に設けられたエレベーターに押し込まれます。「ん、なんですか、なんですか」と抗議をする暇もなく閉まるエレベーターの扉。そしてすぐに降下を開始したのでした。

 途中、大音響が鳴り響いてぐらぐら揺れるエレベーター。民間人たちはひいひいひゃああと悲鳴を上げるのでした。しかし間もなくその音もやんでエレベーターは降下を続けます。そしてついたところは超近代的な地下施設。「え、何、何、何、これ」と当惑する民間人たちの疑問に答えるかのように前方の大型スクリーンに女の人が映って「アメリカ政府からのお知らせです。この施設は核戦争に備えた施設です。人類の滅亡を防ぎ、我々の文明を次の世代に伝えるべく、選ばれた方々を収容するものです。他に十二箇所あって、168人の人々が避難しております。」ははあ、なるほど、核戦争が勃発して、あらかじめ選ばれていた人たちが連れてこられたということなんですね。

 女の人は続けます。「このシェルターは地下530メートルに設けられ5年分の食料や生活必需品を備蓄してあります。また、観測衛星とリンクしており地上の放射能レベルが許容範囲内に落ちたら自動的にエレベーターが使用可能になるようセットされております。では、選ばれた生存者の皆さんに神のご加護を。この映像はあらかじめ撮影され、自動的に再生されております」

 いきなりこんなことを言われた民間人たち、呆然としております。そんな彼らの前に現れたのがこのシェルターの整備・管理担当だというアメリカ陸軍のゴードン・エリス少佐(リチャード・ジャッケル)。彼は「本当にこんな戦争が起きるとは思ってなかった」とボヤキながらシェルターとリンクしている観測衛星を使って地表の様子をスクリーンに映し出すのでした。これはさきのお姉さんのお知らせよりも遥かにショッキング、何しろ世界中が南極含めて丸こげになっていたのですから。最後に映ったのはああ、これはゴールデンゲートブリッジの残骸でしょうか。

 さて、彼らの記録・様子をテープレコーダーに吹き込んで記録している科学者ピーター・マカンバー(ブラッドフォード・ビルマン)の語りで「選ばれた生存者たち」が紹介されます。まずはノーベル医学賞受賞者のレノーラ・クリスマン(バーバラ・バブクック)、海洋学者のルイス・カブラル(ペドロ・アルメンディス・ジュニア)、スティーブン・メイズ(アレックス・コード)は小説家、アレナ・フィッツジェラルド(ダイアナ・モールダー)は女性下院議員、オリンピック金メダリストのウッディ・ルッソ(リンカーン・キルパトリック)、キャリー・ドレーパー(グレン・ミッチェル)は環境学者、生物学者のクレア・ファラディ(ナンシー・ロッドマン)、栄養学者のクリスティ・レーナー(クリスティーナ・モレノ)、最後に天才経営者と呼ばれたレイ・カズンズ(ジャッキー・クーパー)。ああ、書くだけで疲れた(笑)。

 カズンズがしきりにエリス少佐に「なあ、外へ出してくれよう、ここはイヤだよう」としきりに絡んでいるのが気に掛かりますが、とにもかくにも彼らの新生活はスタート。はてさてどうなりますことやら。

 ええ、もう次の日に早速事件が起こるという・・・(笑)。鳥カゴの中で飼われていた鳥たちが全部かみ殺されていたのです。しかも奇妙なことにその傷口から流れた血は固まっていないのです。みんなが首を捻っておりますと、突然シェルター内の照明が点滅、あっという間に停電してしまうのでした。非常用の青いライトが点滅したのですが、この時トレーニングルームにいたキャリーが物凄い悲鳴を上げて助けを求めたのです。何だ、何だとみんなが駆けつけますと、そこにいたのがこうもりだったのであります。

 照明はまもなく復活。クリスマンがこのこうもりを調べてみますと、なんとこれが恐るべき吸血こうもりであることが判明したのです。「そうか、だから鳥たちの血は固まっていなかったのね。血を吸うために彼らの唾液には凝血を防ぐ成分が含まれているのよ」

 そしてなぜ、この地下施設に吸血こうもりが侵入してくるのだという質問に少佐が答えた言葉がオカシイ。「いやー、これ、天然の洞窟を使ってシェルターを設置したんですわ、その洞窟にこうもりがおったんですなあ」いや、おったんですなあじゃねえよ(大笑い)。

 急ぎこうもりの侵入経路を調べるみなさんですが、これがどうもよく分からない。仕方ないので、こうもりは光に弱いので24時間照明をつけっぱなしにするという対策がとられることになりました。カズンズ、ぶすっとして、「そんな24時間明るいって、コンビニか!」とボヤくギャグが御洒落。ただ、どうもこの施設の照明設備は調子が良くないようでまた不意に停電してしまいます。これがたまたまみんなの就寝時間だったので気付かれずって、誰か交代で見張りさせとけ!こうもりは大挙してクリスティの部屋に侵入したのでした。

 はっと目を覚ましてぎゃあぎゃあ悲鳴を上げるクリスティ。悲鳴を聞きつけた少佐が飛び込んできて枕で飛び回るこうもりをやっつけます。しかし、これではおちおち寝ていられないということで少佐、停電を知らせる警報装置をセットすることになります。またカズンズがぶすっとして、「その前に照明設備を直せよ」少佐は「そんなこと言われたって原因が分からないから仕方ないでしょ」と言い返します。

 怒ったカズンズ、バーボンをラッパ飲み。あっという間にぐでんぐでんとなりまして、「ここはきらいだー、外に出してくれえ」と叫んで回る始末。いったい、どこが天才的な経営者なんでしょ(笑)。さんざんみんなに迷惑を掛けた挙句、今度はクリスマンの部屋に押し入るカズンズ。「陰謀が進行中だ、早く何とか大変なことになる」とまくし立てるのでした。そしてさらにクリスマンに飛び掛って「ええやろ、させんかい!」誰だ、こんなの生存者に選んだ奴は。

 クリスマン、必死に抵抗するのですがカズンズの力にはかないません。もうやけのやんぱちとなって「じゃあ、いいわよ、させたげるわよ」キスを致します。

さて、停電に備えて警報装置を作るエリス少佐。これをテストしてみますと、暗闇になったところで見事に作動。警報音が鳴り響きます。「とにかくこれで寝ている間に不意打ちされることはなくなった」と一安心。

 ところがこれをぶち壊すのがまたしてもカズンズなんですよ。

 彼は施設の中をうろうろ。コンピュータールームに入っていろいろ弄り始めます。機械のバックパネルを開けて中を覗き込んだり、無闇にボタンを押し込んだり。そしてついに起こる悲劇。なぜか突然警報機がショートしちゃったのです。これで爆発が起こってコンピュータールームの配管チューブが破壊され、穴が空いてしまったのでした。おまけにショックでまた停電したものですから、この穴から吸血こうもりが大量に侵入してきたのです。カズンズを探していたルイスがびっくりして、「おい、カズンズ、何をしたんだ」「なんでもないんだ、放っておいてくれ、俺を一人にしてくれ」と逃げてしまうカズンズ。目標を失ったこうもり群は代わりにルイス目掛けてまっしぐら(笑)。

 こうもりに襲われたルイス、「ぎゃあああ」と魂消る悲鳴を上げてもがくのですが、顔面をさんざんに噛まれて絶命してしまったのであります。

 照明が復活して退散するこうもり群。みんなはルイスが無残な死を遂げたことで大ショックを受けております。と、ここで驚くべきというか、予想しないでもなかったというか、そんな出来事が起こりました。ピーター・マカンバーがいきなり「みんな、これはウソなんだ、熱核戦争なんて起こらなかったのだ」と言い出したからです。つまりこの核戦争後の生存のために作られたシェルターを本番の戦争が起こる前に一度テストしておかなければならない、そのためにみんなを利用したというのです。テストの予定は30日間、そして度重なる照明の故障もあらかじめ予定されていたものだったのです。

 だから、彼はみんなの様子を事細かにテープレコーダーに吹き込んで記録していたのですねえ。

 当然のことながらみんな大激怒。カズンズはクリスマンに「ほら、俺の言ったとおりだったろ!ちくしょー、訴えてやる」ってあんたは上島の竜ちゃんか、それに少なくともルイスの死の原因を作ったのはあんただろ(笑)。みんなに散々やいのやいのと言われて涙目になったマカンバー、「すぐ救援信号を送るから、4:43までには返事がくるよ」まあ、こういった場面で応答が来るほうがおかしい。案の定4:43に通信機はウンともスンとも言いません。どうやら、先のショートで通信装置までいかれてしまったらしいのです。

 「テメー、やっぱり訴えてやる!」と喚き散らすカズンズ。いやだから、これもあんたのせいだから。

 マカンバーは立町 老梅君となって、「いや、大丈夫だから、10日間定期連絡がなければ点検チームがくることになっているんだ、だからあと5日の辛抱だよ」と言ったのですが、もうみんなから「5日間だって、そんな5分も待ってられないってのに」と攻め立てられてとうとう泣き出してしまいました。

 そんな中、恐怖に耐えかねたクリスティナが睡眠薬自殺を図ります。命は取り留めたものの、もはや一刻の猶予もない、ならばエレベーターのシャフトをよじ登って助けを呼びにいこうと提案するエリス少佐。しかし、シャフトには梯子などついておりません。エレベーターのガイドレールを頼りにするほかはなく、大変に危険を伴います。「もっと安全な方法があるぞ」と言ったのはマカンバー。「囮を使って奴らを誘い込み電気を使って感電死させるのだ!」

 『遊星よりの物体X』以来、秘密基地に侵入してくる怪しいものは電気で撃退することになっております(笑)。

 まず侵入路となるコンピュータールームに電線を繋いだ金網を配置。そして「選ばれた生存者たち」の中でも一番肉体的能力に優れているルッソから血を採取、金網にべったり塗りつけたのであります。全ての準備が整いました。エリス少佐は施設内の照明をカットします。そして、こうもりたちを待ち構えるのですが、これは施設全体の照明を消しているんですか、そしたら病室でこん睡状態のクリスティナが危なくないですか?

 目論みどおり現れるこうもり群。彼らが金網に取り付いてルッソの血をなめ始めたところを見計らって、うはー、こうもり、本当に血を舐めているよう(笑)。エリス少佐、「いつまでもお前らの好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでスイッチオン!ばきばきばき、火花が散って、次々と灰になっていくこうもりたち。ヤッター、作戦は大成功だと浮かれるみんなでしたが、クリスティナの病室に行ってみてびっくり。ほら、言わんこっちゃない、この病室まで照明切っちゃったから、こっちにもこうもりが入り込んでクリスティナをずたずたにしてしまったじゃないか。

 ひいいいと泣き叫ぶ女達。通信は駄目、電撃作戦も駄目、ならば残るはエレベーターシャフト。カズンズはロッソに「十万ドルやるから君、ひとつ登ってくれたまえ」と頼み込みます。オリンピックの金メダリストなんていったって、栄光はほんのつかの間だけ、今じゃ俺の名前を覚えているのはスポーツ記者ぐらいのもんさ。ならば、絶対色あせることのない栄光、大金を狙って何が悪いもんか。ロッソはやめてと叫ぶ妻キャリーをこう説得して、フック付のロープを持ってシャフトに挑むのでありました。

 このエレベーターの扉は非常時を考慮して内側から簡単に開くようになっています。そして扉が開かれると自動的に救難信号が発振されて最寄の陸軍基地から助けがくるという仕組み。つまり、ロッソがすべきことはシャフト 530メートルをよじ登り、扉を開くだけ・・・、そのよじ登るのが大変なのですがねえ(笑)。

 残りのメンバーが固唾を呑んで見守る中、ロッソの挑戦が始まります。彼はフック付ロープをガイドレールの支柱に引っ掛けることを繰り返してゆっくりゆっくり登っていくのですが、エレベーターシャフトの壁に穴が開いていました(笑)。シャフトの中は暗いですから、当然ながら吸血こうもりがロッソに襲い掛かろうとします。彼はその穴に手袋を突っ込んで蓋をすると、なんとか、この蓋がもつうちにと登りのスピードを速めるのでした。そしてようやく扉に到着、ハンドルを握って開こうとしたのですが、ついにその時手袋が外れて大量の吸血こうもりがシャフト内に侵入!ロッソに襲い掛かるのです。

 ロッソは顔面をえらいことにされながらもなんとか最後の力を振り絞ってエレベーターの扉を開けることに成功します。しかし力尽きたロッソ、ぐらりと揺れてシャフトの底へまっさかさま。エレベーターボックスの天井に激突します。そして点検口から血まみれの顔がだらーり。「ひいいい、あなたー」嘆き悲しむキャリーの悲痛な姿を見よ!

 いやいやゆっくり見ている暇などありませんよ。直後、シャフトからこうもり群が襲いかかってきたのですから。もう防ぐ手段もなにもありません。ただただ逃げ惑うのみです。そしてこうもり群がようやく引き揚げた後、生き残ったのはカズンズ、メイズ、クレア、少佐、クリスマンの5人だけだったのです。

 救難信号を受けて飛んでくる陸軍のヘリコプター。兵士達が施設に来て、生存者たちを地上へ運びあげます。そんな中、むなしく響くビデオのお姉さんの声。「さあ、選ばれた生存者のみなさん、おはようございます。いよいよ二週間目の始まりです。ではみんなでこの一週間を振り返ってみましょう・・・」

 エンドクレジット。おしまい。

 なんとも酷い映画で、天然の洞窟使ってシェルター使ったら偶然吸血こうもりがいました。テストのプログラムの中に偶然に停電実験がありました。その停電で照明が消えたので吸血こうもりが大喜びで侵入してきましたというのはいくらなんでも偶然を重ねすぎ。いくらこの手の映画だからといっても最低のラインってものがあるんですよ。

 カラー・スクイーズワイド モノラル音声。 画質は今ひとつ。発色に力がなく暗部にざわつきがあります。音質は標準レベル。英語字幕、クローズドキャプションつき。『The Earth Dies Screaming』 (1965)とのカップリング。MGMミッドナイトムービーシリーズのDVD。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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