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SFシネクラシックスコミュの『サント・ブルーデーモンの死者の世界』(『Santo y Blue Demon en el Mundo de Los Muertos』 1969年)

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 『サント・ブルーデーモンの死者の世界』(『Santo y Blue Demon en el Mundo de Los Muertos』 1969年)

サント対悪魔教信者の時を越えた戦い。しまいには死の世界まで登場して大騒ぎ。本当の脇役でちょこっとしか出ないブルー・デーモンもいい味出しております。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「いちいち細かいところにまで文句をつけるんじゃないよ、コノヤロー」ということでございますね。

時に1676年 メキシコでは異端審判の嵐が吹き荒れております。異端審判とはなにか、それはサタンを崇める悪魔教の奴らを根絶やしにするための宗教裁判。これで悪魔教信者と分かるとばんばん火あぶりにされてしまうのであります。折りしも4人の悪魔教信者、元がプロレスラーなのでみんながみんな異様にたくましい体躯なのが笑えますが、杭に縛り付けられて火あぶりにされてしまいます。「ぎゃーぎゃー、ひー」じゅうじゅう焦げる信者達。顔に火ぶくれができて、妙なところがリアルであります。

 この様子を丘の上から眺めているのが悪魔教の女性教祖ダミアナ(パイラー・ペリシラー)であります。彼女は踵を返すと待っていた馬車に乗り込み墓地へ急行。そこで待機していた信者達と共に墓地の中にしつらえられた祭壇に向って祈りを捧げます。「仲間がやられております。サタン様、お助けくださいませ」この願いが割りにあっさりと聞き届けられて、いきなりぼかーんと白煙が上がったかと思ったら、出てきたのはブルーデーモン(の祖先)ではありませんか。ブルーデーモン(の祖先)は悪魔教信者達の復讐を助けるためにサタンから派遣されてきたのです。

 このブルーデーモン(の祖先)の胸には分かりやすくサタンのマーク、逆三角形がついております。親切なことです(笑)。

 さて、ブルーデーモン(の祖先)が現れたのですから、ここはサント(の祖先)も出なくちゃァいけません。このサント(の祖先)、何しろ1676年の祖先ですからもちろん覆面レスラーではありません。覆面をつけた剣士なのです。三銃士の覆面版みたいなものです。だからちゃーんとフェンシングの剣を吊るしております(大笑い)。彼は恋人のオーロラ(ベティ・ネルソン)と会って「おいらはおめえに惚れてらあ、いますぐにでも一緒になりてぇぐらいだ。しかし、おいらには敵が多い。一緒になるとおめえまで狙われてしまう」ふむふむ、愛し合っている二人ですが、こんな理由で結婚できないと。

 サント、お姫様みたいなカッコのオーロラと熱烈なキス。

 この後、サントは司教(ギルモア・ビアンキ)と面会。彼らはダミアナこそが悪魔教教祖ではないかと疑っているのですが確とした根拠をつかめないでいるのです。

 この後再び墓場にてブルーデーモン(の祖先)を呼び出すダミアナ。これを墓守が偶然目撃しまして司教へ報告するのでした。司教は「ほれ、見たか、やっぱりあの女が親玉なのじゃ」彼はダミアナの豪邸へ乗り込みやっぱりお姫様みたいなカッコをしている彼女からお茶をゴチになります。その時わざとらしくチラッと十字架を見せて彼女がおののく様を観察するのでした。ここだけ見るとどっちが悪い人なのか分かりません(笑)。さあ、十字架怖がった、間違いなくあの女は悪魔教だということになりまして、今度はサント(の祖先)がやってきます。ダミアナ、今度は露骨に愁派を送って「ねえーん、サント(の祖先)さん、あなたはこの私も、お金も名誉も思いのままよ、ただ、サタンに魂を捧げるだけでいいのよ」しかし、サント(の祖先)がこんなことを受け入れるわけがありません。失敗したと悟ったダミアナ、ナイフを振り上げて刺そうとしたのですが、あっさり見破られて手で止められてしまいます。

 この時サント(の祖先)の手のひらに残ったのがサタンの印、逆三角形の傷だったという・・・。この傷、司教がサント(の祖先)に十字架を握らすと跡形もなく消えてしまいました。

 ここでまたどかーんと白煙が上がってブルーデーモン(の祖先)が登場。彼は馬鹿者、しくじりおってとダミアナを叱り飛ばすと彼女を連れて墓地へ戻ります。そして祈りを捧げて、あの映画冒頭で火あぶりにされた3人をゾンビとして蘇らせたのであります。

 三人の焼け焦げゾンビ、サント(の祖先)を襲います。フェンシングの剣で大チャンバラ。ゾンビですから胸を刺そうが目玉を潰そうがまったく平気。サント、困り果てたのですが壁に掛かっていた十字架を見て、「そうだ、これを使えばいいのだ」もぎとってゾンビ達に突きつけます。するとゾンビ達、ぱっと消えてしまいました。しかしこの直後ぬぬぬ、頼りにならぬ奴らと怒ったブルーデーモン(の祖先)が出現。サント(の祖先)と早送りのスーパーファイトを繰り広げるのです(笑)。もう二人とも大熱演で部屋の中の家具はもうムチャクチャ。

 二人の戦いが続いている間にオーロラを襲うダミアナ。彼女の寝室にふっと現れベッドで寝ていた彼女を刺し殺したのです。

 そんなことが起こっているとは夢にも思わぬサント(の祖先)、今だブルーデーモン(の祖先)と戦っております。いつもより余計に戦っております。しかし、ついにこの死闘に終わりが来た。鶏がコケコッコーと鳴いて夜明けを告げたのです。これでブルーデーモン(の祖先)、アカラサマに動揺(笑)。サント(の祖先)がこの時とばかりに十字架を突きつけたものですからたまりません。ぼかーんと白煙が上がって彼は消えてしまったのです。

 サント(の祖先)はいやな予感を覚えてオーロラの屋敷へ急ぎます。そして彼女が既に刺し殺されていたことを知って「ああ、なんてことだ」と嘆き悲しむのでした。

 サント(の祖先)に捕らえられたダミアナ、冒頭の4人と同じく火あぶりにされてしまいます。八百屋お七のごとく炎に巻かれたダミアナ、「ぐえええ、ぎゃああ、コノウラミハラサデオクベキカ、我が子孫が300年後のそなたたち一族に復讐を遂げるであろう!」と呪詛の言葉を喚きながら息絶えたのであります。なんで300年なのかねえ、子孫が復讐するんだから50年後くらいでも大丈夫じゃないのかね。

 はい、ここから映画は現代編へ。

 悪夢にうなされて飛び起きたのが現代編のヒロイン、アリシアであります。彼女は手っ取り早く言えばダミアナとの一人二役。ようするに彼女の生まれ変わりなのですね。そして彼女のお父さんが1676年に彼女を火あぶりにした異端裁判官という、凝った(あまり考えていない)キャスティング。そしてなんと、このアリシア、サントと婚約しているのでした。婚約披露パーティでサントと仲睦まじく踊るサントとアリシアです。

 このパーティの後、異変が起こります。黒衣の女、ダミアナの霊魂がアリシアの寝室に現れたのです。アリシアはこれに導かれて地下室へ。そして壊れたドレッサーの引き出しからダミアナがサント(の祖先)を傷つけた短剣を見つけるのです。寝室に戻って再び眠りにつくアリシア。彼女の上にダミアナの霊魂が覆いかぶさって、二人は一つになったのでした。ダミアナがアリシアの体に憑依したのです。ここの特撮は安っぽいけれども割合上手くできております。起き上がったダミアナ=アリシア、黒いドレスに着替えると壁を通り抜けて!いずこへと彷徨いでたのでありました。

 はい、サントのプロレスの試合です。

試合前のサント 助手のアルベルト(ラミリオ・オルシク)から入念なマッサージを受けております。この時部屋の空気が揺らいだかと思うとダミアナ出現!わっと驚くアルベルトですが、サントは気付かない。「サ、サントさん、今、ヘンなのが見えませんでしたか」とアルベルトが尋ねるのに「さあ、あっしは何も見なかったなあ」

 ゴングが鳴って試合開始であります。シングルマッチで3本勝負、一本目はサントがスリーパーホールドで絞め落とされて負け、2本目はキャメル・クラッチでサントが取り返す。そして肝心要の3本目、サントは客席にダミアナ(アリシア)がいるのに気付いて仰天します。まあ、こんな時フツーの映画だったらサント、「あ、あれはアリシア、どうしてこんなところにいるのだ」とか言ったりするものですが、これは何せサント映画ですからちゃーんと試合を続けるのです。このダミアナ(アリシア)が妙な目配せ、するとたちまち操られた相手レスラー、セコンドからタオルを受け取るとコレを使ってサントの首をぐいぐいと締め上げるのです。止めに入ったレフェリーもボコボコにしてなおも締め上げます。そしてたまらず失神してリングサイドへ転げ落ちるサント。相手レスラーは勝利の雄たけびを上げるのですがもちろん反則負け。

 えー、一応、これはダミアナが相手レスラーを操ってサントを殺そうとしたのだと思いますが、だったら何で失神したサントをさらに攻撃させなかったかというんですよね。これじゃ単なる悪役レスラーの反則負けですよ(大笑い)。

 サント殺害?に失敗したダミアナ、次の標的をフランシスコ神父に定めます。ナイフを持ってダミアナの資料を調べている彼の部屋に行くのですが机の上に置いてあった十字架を見て「ひーっ」逃げてしまうのです。だいたい、神父様の部屋に十字架があるのは当たり前なのですがねえ(笑)。なんでこの人はそういうところに頭が回りませんかねえ。ちなみにこの時神父はダミアナの襲来に気付いておりません。完全なダミアナの一人芝居だったのです。

 ダミアナの次の標的になったのはサントの助手アルベルトでした。この人を殺してもあんまり意味はないと思うのですが、とにかく彼を襲うダミアナ。アルベルト、ピストルを乱射するのですがまったく効果はありません。彼はピストルを投げ出すと電話に飛びついてサントへ助けを求めたのですが・・・、そのサント、助けに行こうとしたその瞬間、三人のゾンビレスラーが出現したのです。サント、ゾンビレスラーと戦うのですが、途中窓から外に放り出されてしまいます。すると街中にあった筈のサントの家なのに投げ出されてみると、周囲はまるでウェスタンショーのセットのような西部風の町に変わっていたという・・・(笑)。さらにゾンビレスラー達とサントの戦いは続くのですが、ここで鶏がコケコッコーってまたかよ(笑)。朝日を恐れたのか三人のゾンビレスラー、ふっと消えてしまうのでした。

 サントはアルベルトの自室へ急ぐのですが時既に遅し、彼は胸を短剣で刺されて息絶えていたのであります。サントがその短剣をぐいっと引き抜くと、ジュッ、彼の手に三角の傷が出来たのでした。

 サントとフランシスコ神父、どうもアリシアはダミアナに取り付かれているらしいと父親のアルフォンソに話します。彼は半信半疑だったのですが、神父は彼に十字架を押し付けて「アリシアにこれを掛けさせるのじゃ、それくらいならかまわんじゃろ」しぶしぶ彼の言葉に従うアルフォンソ。しかしなんとしたことでしょう、ベッドに寝かせたアリシアを見守るアルフォンソ、そこにダミアナが現れ彼を操って十字架を外してしまったのです。再びアリシアに取り付くダミアナ。彼女はドレッサーの引き出しから短剣を取り出し外に彷徨いでるのでした。

 ダミアナは三人のゾンビレスラーを召喚。短剣を渡して「これできっとサントを葬るのです」

 さて、2回目の試合。今度のサントの相手エンリケ・ロペスはなぜかタオルを被って顔を隠しています。そしてゴングがなって試合が始まった直後にタオルを外したのですが、それをみたセコンドのカルロス・スアレズ、「ああ、あれはうちのエンリケじゃない、一体誰なんだ!」そうこのレスラーはゾンビレスラーの一人だったのです。そして卑怯なことに他の二人のゾンビレスラーも出現。三人がかりでサントを押さえつけダミアナの短剣を彼の胸にぐさーっ!うわあ、サントが本当に胸を刺されちゃった。なんだ、この展開は(大爆笑)。

 サント、救急車で病院へ運ばれて直ちに手術を受けます。この手術場面、どうせ豚の肉にメスで切り込みいれたりしてごまかすんだろうと思いきやトンデモない、実際の心臓手術のフッテージ、それもざくざく胸を切っているところを使っています。ううう、心臓がぴくぴく動いているよう、血がぴゅっぴゅっと出ているよう。いきなりサント映画でこんなものを見せられてはたまりません。おまけに映画本編のお医者さんたちとフッテージで実際に手術をしているお医者さんたちの手術着の色が合っていないのはどういう訳か。

 ともあれ、サントの手術は無事成功。次の場面ではもう退院してフランシスコ神父と話したりしております。さすが、サント、鋼の肉体を持つ男・・・かなあ。

 その後ダミアナは寝ているサントの胸の上にタランチュラを放ったり、またゾンビレスラー達に襲わせたりするのですが、やっぱりサントには敵いません。ついにはサントとフランシスコ神父に墓場へ追い詰められ十字架で失神させられてしまうのです。サント達はダミアナ=アリシアを屋敷へ連れ帰ります。呼ばれたお医者様、彼女を診察したのですが首を振って「ああ、これはもういけませんな、死にかけておりますな」ああと頭を抱えるアルフォンソ。そしてフランシスコ神父も「取りつかれたまま死ぬと、アリシアの魂は永久に失われてしまう」と追い討ち(笑)。

 でもやっぱり最後の頼りはサントなのです。彼は胸をどんと叩くと「ようがす、ひとつあっしが死の世界へ潜入して彼女の魂を連れ戻しましょう」

 神父の祈りで本当に「死の世界」へ突入するサント。そこは真っ赤に染まって大変見づらく(笑)あちこちで溶岩が噴出しているような不気味な世界。アリシアの魂は死の世界と生の世界を繋ぐつり橋を渡ってしまいました。「いけねえ、戻ってくるんだ、アリシア」サントも吊り橋渡って追いかけます。そしてなんとかアリシアの魂を捕まえたのですが、なんとここで地中からゾンビレスラーたちが出現。3対1でしかもアリシアを守りながら戦わなければいけないサント、さすがに劣勢に立たされます。サント大ピーンチ!かと思いきや唐突にブルーデーモンの登場だ。彼はサントを助けてゾンビレスラー達を撃退します。

 サント、がっしり彼と握手して「デーモン、ありがとう、おめえのおかげで助かったぜ!」「礼はいらない、私はようやく300年の時を隔ててサタンの頸木から自由になれたのだ、その罪滅ぼしなのだ」そしてブルーデーモンはこれまた唐突に現れた砂時計を指差して「サント、あの砂が落ち切るまでにあのつり橋を渡って生の世界に戻らなくてはならん。間に合わないと永久に死の世界を彷徨うことになるぞ」

 サント、彼の言葉にしたがってアリシアをつれ元の世界に戻ろうとします。炎に遮られたり溶岩が噴出してきたりで危ういところでしたがなんとか時間内につり橋を渡ることができました。そして現実の世界で意識を取り戻すサントとアリシア。二人はひしと抱き合います。

 ラスト、手を繋いで仲睦まじく教会へ向うサント。そして「これで悪は滅んだのだ」という言わずもがなのナレーションが流れてエンドクレジット。

サントが胸をナイフでぐっさりやられるのにびっくりしました。メキシコでは国民的ヒーローをこんな目に会わせるのもOKなのでしょうか。

カラー・スタンダード スペイン語モノラル音声。サント映画のDVDとしてはピカ一といえる画質。サントのマスクが実にゴージャスに見えます。これで英語字幕がついていたら満点なんだけどなあ。『蝋人形館のサント』(『Santo en el Museo de Cera』1963)とのダブルフィーチャー。Lions GateのDVD。

エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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