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SFシネクラシックスコミュの『The Werewolf 』(1956年)

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 『The Werewolf 』(1956年)

一風変わった狼男映画。この映画に登場する狼男は呪いの魔獣などではありません。純然たる科学実験の失敗の産物なのです。どんな科学実験かというと、そんなの決まってまさあ、放射能ですよ、放射能。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

夜の田舎町ふらふらと歩いている男(スティーブン・リッチ)あり。彼は酒場に入るとバーテンのホクシー(ジョージ・チザー)に酒を注文します。心ここにあらずといった様子でそれを飲み干した男、酒場を出ようとしたのですがホクシー、「ちょっとあんたおつり忘れてますがな」それを受け取って改めて酒場を出る男。と、その時カウンターにいた男が何を思ったか彼を追いかけた。そして彼を暗い路地に引きずりこんで「おい、あんた、見たぞ、金持ってただろう。俺は文無しなんだ、だからいっぱい奢れ」さすがに男、首を振ります。「なんだと、やい、やさしくいっているうちに奢れ、いや、いっそ俺に20ドルよこせ!」このなんともセコイ強盗と男、もみ合いとなります。首を絞められて弱々しく抗議する男。「と、げほげほ、く、苦しい、やめてくれ、やめてちょうだい、やめてください」とその声がいきなり「やめろと言ってんだろうが、う、う、ウォーでがんす!」突如豹変した男によって強盗、喉を噛み裂かれてしまいます。

 「こりゃ、大変なことになった」と大騒ぎになる町の人々。保安官が留守であったためにとりあえず保安官助手のベン・クローヴィ(ハリー・ロウター)と町の男二人の三人で男を追跡することになります。雪原に点々と残されている男の足跡を追う三人。ところがその足跡が急に狼を思わせる動物のものに変わってしまったではありませんか。クローヴィーははっと息を飲んで「これは奴が狼に襲われたってことか」「いや、争った後がない、それにこの狼、二本足で歩いていますぜ」この時点で3人とも「これはひょっとしたら狼男か」と思っているのですがそんな馬鹿げたことを言い出したら笑われてしまうので黙っております(笑)。とりあえずこの場所で男を待ち伏せすることにしたクローヴィ。残りの二人は町に戻って保安官を連れてくることになります。

 しかしなんとしたことか、次の場面になると腕を負傷したクロービィと保安官ジャック・ハインズ(ドン・ミーゴワン)が町に戻ってきたところになるという・・・(笑)。どうやらクローヴィは男?狼?に襲われたらしい。彼は医者、ギルクライスト博士(ケン・クリスティ)の病院へ運び込まれます。ここで看護婦をしているのが博士の姪のエミィ(ジョイス・ホールデン)。彼女と保安官は恋人同士で隙あらば婚約しようという仲であります。クローヴィを見て「二人目か」と驚く博士。一人目はもちろん、あのセコ強盗(笑)のジョー。彼はすでに絶命しております。博士は保安官に「一晩で二人もやられるなんて一体全体何が起こっているのかね」

 クローヴィは彼に事情を話すのですが、その口調がどうにも歯切れが悪い。それもそのはず、「いや、それがですねえ、狼のようで狼でない、人のようで人でない、それは何かと申したら狼男でございます」なんて言うのですから。博士はアハハと笑って「狼男ってあれかね、満月みたらウォーでがんすって変身するやつかね、そんな馬鹿なことを言ってはいかんよ」

 さて、その翌日、森の中で目覚める男。雪が積もっており大変に寒そう。おまけに男は裸足です。びっくりした男は「な、何で裸足なのだ」おまけに周囲の地面では狼らしい獣の足跡が!「一体私に何が起こっているというのだ」男半狂乱になって立ち上がり走り始めます。そして昨晩クローヴィが待ち伏せしたあたりにやってくると四つんばいになって地面を探します。そしてついに靴下と靴を見つけるのです。どうやら狼男になったらわざわざ靴を脱ぎ捨てるようで(笑)。

 一方保安官は町の猟師たちを集めて「あー、みなの衆、昨晩の事件のことは聞いているだろう、これが解決するまで森の中へ入ってはいかん」さらに彼は応援を呼んで町へ通ずる道路を封鎖します。

 その間も森をさ迷う男。そうするうちにグルクライスト博士の病院を見つけまして裏庭で薪を運んでいたエミィに「すいませーん、とにかく診てくださーい」と頼み込むのです。病院の中へ案内されてさっそく博士の診察を受けるのですが、ところが男、自分の名前さえ思い出せない。それどころか自分が何をしていたのかさえよく覚えていないというのです。困り果てた博士が「じゃあ、あんたが覚えている中で一番古い記憶はなんじゃね」と尋ねますと「車の事故にあったような気がします。そして二人のドクターに何かされたような・・・」このドクターの身元はまったく分からずまさに雲をつかむような話であります。あまつさえ博士が「じゃあ、とにかく保安官を呼んで今の話を聞いて貰おう」といいますと男は急に怖がり始めて「保安官って銃持っているじゃないですか、その銃で私をズドンとやるんでしょ、そんなのイヤです、たすけてー」と逃げ出してしまったのであります。

 この話を聞いた保安官、「じゃあとりあえずそいつを探しましょう。なるべく生かしたまま捕らえますよ」山狩りが始まりました。

 ぱっと場面が変わりまして映ったのは怪しい実験室。デカイ犬やら狼の実験動物?がおりましてワンワンウーウー五月蝿いといったらない。そしてこの実験室にいるのが二人のドクター。そうです、男の話に出てきた怪しいドクター二人組とはこいつらのことだったのです。こいつらの名前はモーガン・チャンバース博士(ジョージ・リン)、エメリー・フォレスト博士(S・ジョン・ロウナー)といいまして放射能による人類の突然変異を研究しているらしい。チャンバース博士によると「水爆なんてものが開発されてますます放射能が強力になる。一度核戦争が起こったら人類は放射能のミュータントと化し化け物となってしまうのだ」なのだそうで。これを防ぐためにあんなことやこんなことをしているのであります。

 あの男はうっかり近くで交通事故を起こして怪我の治療のために二人のところへ運び込まれてきた。これを「絶好のチャンス到来」と見た二人は傷の手当もそこそこに放射線障害で死んだ狼の血から作った「対放射能ワクチン」を注射してしまったのです。なんでお前らはそんな怪しいものをいきなり使うか(大爆笑)。新聞を読んで狼男の存在に気づいた二人は「あれは対放射能ワクチンの副作用だ、とても危険だし我々の秘密を守るためにも殺さなければならぬ」と決意したのであります。

 とここで一人の女性が尋ねてきました。応対にでたチャンバースにその女性は「私、夫のダンカン・マーシュを探しておりますの。何でも事故にあってここで怪我の治療をしたと警察の人に言われたものですから」チャンバース博士ぎくぎく、ぎくく!(笑)。「い、いや、その人はですな、ハンドルで額を打っただけで、怪我のほうはまったく大したことはなかったので」「それでは宅はどこにいるんでございますの」「それはですな、ほれ、あれですよ、私がちょっと席を外した隙に出て行ってしまったので」なんだか怪しい説明ですが、これでとりあえずマーシュ夫人(エレノア・タニン)は納得しまして一人息子と共に車で帰って行ったのでありました。

 こうしちゃいられない、マーシュ夫人が現れたことであせりまくった二人は車にライフルと弁当を積み込んで山へ向います。

 山狩りを続ける保安官たちとは別に男を捜し求める二人。ついにその姿を発見します。男、ダンカン・マーシュも彼らに気がついて鉱山の入り口の中に逃げ込んだのでした。後を追ったのはエメリーの方。彼をみたダンカン、「あ、あなたはあの時のドクターじゃありませんか、お願いします、助けて下さい」エメリーは何も言わずにライフルを向けるのみ。ダンカン、「するとあんたは助けるどころか私を殺そうというのか、うううう、ゆ、許せない、う、う、ウォーでがんす!」狼男に変身。口からだらだらと涎を流しながらエミリーに飛び掛るのでした。

 「うわあ、ひゃあ」なんとか鉱山から飛び出したエメリーでしたがここで狼男に追いつかれて地面に引き倒されてしまいます。このまま「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と喉を噛み裂かれ一貫の終わりと思いきや、チャンバースのライフルが火を噴いた。弾は外れたものの、驚いた狼男はエメリーから離れて逃げ出します。しかし銃声に驚いたのは狼男だけではありませんでした。近くにいた保安官たちもこの銃声を聞きつけて二人のところへやってきたのです。「おい、余所者が勝手に山に入って何をしているのだ」と詰問する保安官。チャンバースは答えて曰く「あれはうちの患者なんです。もう怒ったりすると狼男になっちゃうんです。私たちも彼の保護に協力させてください」

 保安官は狼男が人間であることがはっきりしたので罠を仕掛けるよう部下に命令します。エミィは「彼はもともと人間なのよ、そんなひどいことしないで」と噛み付くのですが、いや、話題が狼男なだけに噛み付くという洒落なので(笑)。保安官は「町の安全には代えられないさ」ときっぱり断るのでした。これで彼女との仲がおかしくならなければいいのですが。

 さて、保安官に二つの知らせがもたらされます。ひとつはダンカン・マーシュの車が見つかったこと。クローヴィーからこれを聞いた保安官、「なに、ブロックヴィルから20マイル離れた道路だって、そりゃ、あの二人のドクターの住所に近いな」でも保安官、これでピンとこない(笑)。もうひとつは「ええっ、ダンカンの奥さんと息子が来るの?それ、ちょっとやばくね?」

 その頃森の中をさ迷う変身したままのダンカン。岩の上にぽつんと置いてある生肉を見つけて「ウォーでがんす、肉でがんす」と飛びついたのですが、皆さんもお分かりの通りこれが罠だった。ぐわばちーんとトラバサミに足を挟まれてしまったのです。「ウォーでがんす、痛いでがんす」狼男はなんとかその強力を持って罠を外し逃げ出します。しかし当然ながら彼は足首に深い傷を負ってしまったのでした。狼男足を引きずり引きずり歩いた末についにばったり倒れます。そしてその顔がだんだんと変化して、おお、ダンカンに戻ったではありませんか。

 さて、ブロックヴィルの町に到着したダンカンの奥さんへレンと息子クリスはギルクライスト博士の診療所に滞在することになります。しかし夫の安否を誰に尋ねてもはっきりした返事が返ってきません。誰も彼も言葉を逃して「うん、まあ・・・、そのうち分かりますよ、奥さん、ははは心配しないことですな」ついにヘレンは切れて「一体全体どうなっているのよ」と叫ぶのです。この叫びを聞いた保安官、博士やエミィと「いや、やっぱり言えないっての、旦那が人殺しでおまけに狼・・・、あ、奥さん、聞いていたんですか」いつの間にかヘレンが彼らの背後に忍び寄っていたという・・・(笑)。

 事情を察したヘレン、保安官に涙ながらに捜索に自分と息子を同行させてくれるよう頼みます。この時事務所にやってきたのがチェンバースとエミリーの凸凹科学者コンビ。「何でもできることがあったら言ってください。協力しますぞ」という彼らをうろんに思う保安官。しかし、彼はそれ以上の疑いを持とうとはしません。やっぱりピンとこない人だよ、この保安官は。

 山に入ってダンカンを探す保安官、クローヴィー、エミィ、ヘレン、クリスの5人。保安官はメガフォンを使ってダンカンに呼びかけます。「おーい、ダンカン、出てこいよう、お前を助けに来たんだよう、何もしないからよう、看護婦もいるから傷の手当もしてやるよう」前日まで散々ライフルで追い回されしまいには罠にかけられたダンカンですから、こんな甘い言葉に乗るはずがありません。それどころか木の茂みに身を隠してしまう始末です。なおも呼びかける保安官、やっぱり効果はありません。とここでたまらなくなったヘレン、「私に話をさせて」とメガフォンを奪い取り「あなた、ダーリン、ヘレンよ、どうしたの、大丈夫だから出てきて、クリスも一緒よ」保安官の言葉は信じられませんが愛する妻と子供がいるなら否も応もない、ダンカン、茂みから飛び出してきて、ここでついに家族の再会がなされたのであります。

 「あなた、あなた」「お前、お前」「パパ、パパ」ひしとすがりつき合う三人の姿に思わず貰い泣きをしてしまう保安官、クローヴィーとエミィ(笑)。とりあえずダンカンは保安官事務所の留置場へ入れて治療に当たることになりました。ヘレンとクリスは付き添うと主張したのですが、ダンカンは「もう心配ない、私を一人にしておいて大丈夫だ、側にいられると返ってアブナイのだ。頼む、家へ戻ってくれ。私もすぐ戻るから」と二人を帰らせたのです。これで留置場の中に一人となったダンカン。絶望の溜息を洩らしつつベッドに横になっております。

 これで落ち着かないのがチェンバースとエミリーの二人。酒場で保安官事務所にいるダンカンをどうやってやっつけようかと頭を悩ましております。と、カウンターの方でなにやら喚いている酔っ払いが一人。この人は、そうだ、保安官の指示で罠を仕掛けていた人だ。もうこれがぐでんぐでんになって「ウィー、ひっく、お、俺のね、仕掛けた罠でね、狼男が捕まったんだ、ええ、凄いだろ」と事実と違うことを自慢しているという・・・(笑)。これを聞いたチェンバース、ニヤリとして「チャーンス」と呟きます。彼はこの酔っ払いに「え、あんたは偉いね、あんたがいなけりゃ狼男野放しでまた何人かやられてたかも知れないね、ええ、この大統領、憎いよ、この」と言葉巧みに近づいて外へ連れ出します。「狼男は罠をばらばらにしちゃったそうだけど、それ保安官事務所に置いてあるんだよね、もう、俺に見せてくんない」「よしきた、見せてやらあ」と酔っ払いが頷いたところで路地から飛び出してきたエミリーが頭をがんっ。

 失神した酔っ払いを二人で保安官事務所のドアの前に転がします。そしてドアをノックしますとはい、見張りをしていたクローヴィーが顔を出した。彼が倒れている酔っ払いに気がついて介抱しようとしたところを背後からエミリーがクロロフォルムアタック!失神させます。ウウーム、よく考えたら何も酔っ払い使う必要なかったんじゃないか、この作戦(笑)。

酔っ払いとクローヴィーを事務所に引きずり込んだらもう邪魔者はなし。事務所奥の仮眠室で保安官寝ているけどまったく目を覚ます様子もないし(笑)チャンスだからダンカンに麻酔薬打って連れて帰ろうということになります。牢屋の外から見るとダンカンうつ伏せで寝ており顔が見えません。「まあ、大丈夫だろう」とクローヴィーから奪った鍵で牢屋を開けて中へ入るエミリー。ダンカンをひっくり返しますと、わああ、狼男になっている(大爆笑)。飛び起きた狼男「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と二人に飛び掛ってあああ、ずったずたのぎったんたんにしてしまいましたとさ。そのまま逃走する狼男。

 狼男=ダンカンに同情の余地はあれどまた二人殺してしまったからにはもう放ってはおけぬ。町民を組織して追跡にかかる保安官とクローヴィー。足を引きずりながら逃げる狼男をさんざんに追い掛け回し、追い詰めてライフルで一斉射撃。数発の銃弾を受けてついに倒れふす狼男です。そしてその顔がダンカンに戻ったところでエンドマーク。

 な、なんというか身も蓋もありゃしない、惨い結末ですなあ。こういうのはフツー、実験をやっていた科学者が何らかの事故で狼男になっちゃったみたいな設定にするんじゃないですか。ただ事故を起こしただけで得体の知れない薬を打たれ狼男になった挙句情け容赦なく射殺される。私はこのダンカンの境遇に涙を禁じえません。うっうっう・・・。

モノクロ・スクイーズのワイド収録 モノラル音声。ちょっとノイジーですがなかなかの好画質。雪山の表現が素敵です。音声も聞き取りやすくて不満なし。英語字幕付。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。

 エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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