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札幌 BAR PIECE OF DREAMコミュの気まぐれ営業日誌〜とあるギムレットのお話〜

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★ とあるギムレットのお話

大抵は一人でご来店のNさんが今日は珍しくご友人とご来店。 

古くからのご友人で同期といった感じ。 

Nさんは「僕はいつもの」と締めのビールをご注文。

そしてお連れのFさんは「どうしようかなぁ〜、、こういうところはあまりこないからなー」と暫し考え込む。

「それじゃー、久々にギムレットにしてみようかな。」と、オーダー。

Nさんが「懐かしいねぇ―」と一言。

そこからFさんのギムレットストーリーが始まる。

時は昭和30年、戦後10年程たった頃。 当時、まだ大学生だったFさんは弁護士事務所でアルバイトをしていた。

日本で多くの人がカクテルを飲むようになったのはその頃。

当時は酒場といえば、トリスバ―やニッカバ―、サントリーバ―などがあって、そこでウィスキーの水割りやハイボールなどを飲むのが流行っていたそうだ。 

多くの人がカクテルを飲むようになったといっても、まだまだその頃のカクテルバーは学生が気軽に行けるほど敷居が低くなく、幸運にも弁護士事務所で働いていたFさんは、弁護士の先生と一緒にカクテルバーに行く機会があった。

はじめて座ったカクテルバーのカウンターで当然Fさんは何を注文してよいかわからない。

そのとき横に座っていた弁護士先生が「ギムレットを飲んでみなさい。」とFさんに勧めた。

「ギムレット」と言えば、現在でもカクテルにちょっと興味がある人であれば必ずといっていい程知っている人気のスタンダードカクテル。 1890年、イギリスの海軍の軍医であったギムレット卿が、将校たちに配給されたジンを健康維持のためにライムジュースで薄めて飲むことを提唱したのが起源とされている。

レシピはジン45ml、ライムジュース15mlがスタンダードと現在のレシピブックでは書かれているものが多いが、昭和30年頃はフレッシュライムを手に入れるのが困難だったので加糖したライムジュースが使われ、甘いギムレットだったらしい。

Fさんの前に出されたギムレット。 

はじめて口にするカクテルの味。 

緊張してあまり味は覚えていないという。 しかし、そのとき体験した思い出はギムレットをオーダーする度に蘇えってくるとそうだ。

ギムレットが世に知られるきっかけになったのはレイモンド・チャンドラーの小説「長いお別れ」の中での「ギムレットには早すぎる」の名台詞。 

Fさんをバ―に連れて行き、ギムレットをオーダーした弁護士の先生がもしこのことを知っていて学生のFさんにギムレットを勧めたなら、なんとも粋な話である。

それから、五十数年の時が過ぎた今、そんな昔話を恥ずかしそうに語りながらギムレットの入ったグラスを傾けるFさんの姿は、

「ギムレットが似合いすぎる。」

こういうときはちょっとに悔しいんです。

飲み手 > カクテルだから、、。

いつか、こういう人に見劣りしない美味しいカクテルを作りたい。

でも、まだまだ年輪不足。

継続は力なり、頑張らねば…。

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