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感動の映画ランキングコミュの『ゆれる』(監督・原案・脚本:西川美和)の感想

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『ゆれる』(監督・原案・脚本:西川美和)の感想

 友から薦められて観た映画、『ゆれる』にはいやはや恐れいった。
実はDVDを借りたが直ぐには観ず、5日放置していた。その理由はフラメンコダンサーから借りた映画、『フラメンコ』『カルメン』『LA NOCHE FURAMENNCA』と音楽SD2枚。私の憧れの地であり、約束の地であったので4日間何度も観ては聴き、どっぷりとつかっていた。

 なめていた。軽い気持ちでプレーヤーにその『ゆれる』DVDを入れた。だんだん眼が釘付けになった。最後には泣いていた。それから夕食をとったのだが涙が止まらない。実は私は男3人兄弟の長男であり、次男にはいつも参っていたので」、映画にはとても肩入れがあったのだろう。
 それにしても、この監督・原案・脚本を手がけた西川美和は凄い観察力と思惟をもった人である。生まれが1974年7月8日で、作品が公表されたのが2006年7月8日だから、彼女は32歳でこれを発表しているのである。この若さで、しかも女性(失礼)で、この男兄弟の関係を深く理解しているのは“おそるべき者”と言わざるを得ない。

 私の涙もすこし落ちついたので、シーンを振り返りながらこのように感想を述べる。

【全略】
『ゆれる』様

 この映画は葬式での親子の諍いから始まる。早川稔(兄)を演じる:香川照之と早川猛(弟)を演じる:オダギリジョーと川端智恵子を演じる:真木よう子の絡み。父である早川勇(父)を演じる:伊武雅刀にも兄がいて早川修弁護士(勇の兄)を演じるのは:蟹江敬三であり、これも男兄弟の関係と葛藤を描いている。

 撮影場所のほとんどのシーンは山梨県富士吉田市で撮影されたとのこと。
実はこの川のシーンには驚いた。私が知っている川であったのだ。私はフレイフィシャーマン(毛針釣り師)なのである。

 なぜ【全略】かというと、それはみなさんが観た方が早いし、私はあまりストーリーにこだわらない方であるからだ。前に書いた『ヒトラーの贋札』の感想文はかなり長文であった。何故かと言うと、ちょうど私が考えていた課題であったから、執拗に書かなければならなかったからである。
この『ゆれる』は、【男兄弟の関係と葛藤】にあるので、ストーリーはそのために用意されたものだと思う。

 ネットで多くの人の感想を見たが、正直つまらなかった。男兄弟の葛藤や不安、諦め、兄弟愛、またその逆には全く言及されていない。極めつけは「最後のシーンの兄の笑顔がとても良かった・・・」。私は“どこが?”と思い、また“兄?”と首を傾げた。最後のシーンは笑顔ではなく“死に顔”であり“兄をやめたよろこびあるいはおぼろげな開放感”なのになあって。思った。このような観違いや読み違いはあまり宜しくないと思う。
 
私は『ヒトラーの贋札』の感想文でも言ったが、あれは“人の生き方”を心象的、あるいは映像的に魅せたのであり、普通、抑圧者である「ナチの大佐」を単なるその場面での悪者として観るならば、それは西部劇にすぎない。そうではないのだ。あの「ナチの大佐」もまた、戦争を生きる、戦争を生きる存在として捉えなければならないのである。全く、もう::::!

 これでは作者も浮かばれないと思った。

 つまるところ、書きの切れ切れの感想になるが、これでこと足りる。
★兄はきっと、あの川に行って、あの娘にきっと求愛するんだと思います。
★長い刑務所くらしの中で、とり憑かれていた「兄弟」という関係の呪縛が何となく溶けて、兄という立場、そんな関係はすでに“遠い眼”になったのだと思います。
★バス停の向こうから、弟がいくら叫んでも、それはもはや“おぼろげ”なものでしかなかったのではないかと思います。微笑んでいたって、それはもう兄弟としての絆は壊れているんです。
★その“希薄”が本来の彼を、はじめておぼろげに意識したようなしないような己になっていたんだろうなあって思います。
★そうです。求愛に行ったんです。もう彼には(弟に)とられるものもないのだから。
★だから、あおのシーンでは“おしろい”を塗ったような、妙に白い“虚ろ”をしているではないのでしょうか。きっと、好きでしょうがなかった、あの娘の側に行きかったのでしょう。

〜もうひとつ〜
★弟はなぜ、兄を刑務所に送る“証言”をしたのでしょう。事実はどうでもいいのです。
★弟は、あの娘との前日の性交渉が兄にばれてしまったことに“動揺”し“不安”になり、ばれたことに“不機嫌”になったのでしょう。それで、また次男の悪い特徴である、兄から奪うという行動に出てしまうのだと思います。私の経験もそこに尽きます。とにかく弟は自転車もスケートも母親さへも兄から奪うのです(私毎ですいません)。
★まして、裁判所で、その兄がくるっと振り返って、弟の方に向かって「あの娘の彼氏にもすまないという気持ちです」って言って深々と礼をします。その時は兄なんです。いつも弟に全てを奪われていても兄なんです。
★しかし、面会室での兄は違いました。それは強化ガラスに隔たれているから、対面し話しをしていても次元と空間が異なります。兄は刑務所という空間、弟は現実という空間。それで兄弟の関係に違和が起こる。この場合、兄の心境が変化している。それで弟は驚きますます“不安”になります。いやあ、よく演じていますねえ。
★最後のシーンでの前で、幼き頃のフィルムシーンを観て、オダギリジョーは飛び出します。そしてバス停の向こうで、お兄さんを叫びます。このシーンにみなさんが弟は“気付いてた”と観る人は、きつい言い方をしますが、映画をよく観れない人達です。弟はな〜んにも気付いていないのです。ここがこの映画の“みそ”です。まあ、どのみち、どのように観てもいいのだから、私がとやかく言うことではありませんが。
★男兄弟ってこんなもんなんです。もうひとつ。ほら、男兄弟の関係と葛藤の伏線がありますね。父である早川勇(父)を演じる:伊武雅刀の兄、早川修弁護士を演じるのは:蟹江敬三で諍いします。そのとき父も弟なのです。おもしろいなあ。
★でも誤解なきように言っておきますが、それでも兄弟愛なんです。


 私は:オダギリジョーのファンなんですが、この『ゆれる』の早川猛(弟)はまあ普通です。際だっているのは早川稔(兄)を演じる:香川照之です。すばらしい心的葛藤。拍手を送ります。
 また、丸尾明人検察官を演じる:木村祐一もよかった。更にスタンドのアルバイトを演じる岡島
洋平:新井浩文(かなあ)もいい。いいキャラクターを揃えたものです。

 しかしまあ、この監督・原案・脚本を手がけた西川美和には、ただただ驚きました。私を泣かせたのですから。ますますのご活躍を期待します。
                                  早々

〜まあ、友人はどこまでも私を変える、いや悩ませ、意地悪をするのだろうとつくずく感心しますよ。但し、私の復讐は必ずあると心得よ〜

コメント(1)

西川さんに実際にゆれるを制作した経緯について聴く機会があったので書きます!

あの方は本当にすごい方でした。すごい才能ですよね。

西川さん自身 最後の結末を決めることができなかったからあのような終わりにしたと言っていました。だからどんな結末を選ぶかはその人次第なのではないでしょうか。

西川さんはまず映画をつくる際に伝えたいテーマを決めると言っていました。
そして伝えたいテーマをどのような設定、人物、物語で伝えていくべきかの選択の連続の過程で映画ができていくのだそうです。

とにかく彼女は本当に天才ですね。

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