「遠野物語」をｗｅｂせよ！コミュの加茂神社（早瀬町）

「遠野の安倍貞任伝説」トピでGOさんの貼っていた、寛永以前の河川図を見て思ったことがありましたが、安倍貞任とは関係がないので別にトピを立ててみました
。
もちろん、この河川図でさえある一時期のもので、実際の低地は有史以前から大きく蛇行したり洲を形成したり、かなり多様に移り変わってきたものだろうとは思いますが。

イエローハットの向かいに加茂神社があります。
加茂（賀茂・鴨）といえば下鴨社（賀茂御祖神社）にある井上社（御手洗社）が瀬織津姫1神を祀る神社としてはたぶん全国で一番参拝者が多いわけで、瀬織津姫と加茂社は密接な関係があると思っています。

加茂社は主に河川のほとりや合流地点に建てられる場合が多いのですが、ここはそういう感じではなかったので訪ねたときにはちょっと違和感があったのですが、バイパスが裏を通って境内周辺の木も伐採され往時の面影を予測するのは難しくとも、幹周り4.2mの桜の神木や、拝殿の向きが正しく早池峰～薬師を拝む配置であることから自分なりに納得してはいました。

でももしかしたら創建当時は川がすぐそばを流れていた可能性が高そうですね。

「文治５年（１１８９）遠野早池峯神社の末社として創建された（妙泉寺由緒）という説と、建武年中（１３３４～１３３６）国代南部師行が巡検のときに京都上賀茂神社の分霊を勧請した（遠野小誌）という説がある」

そうですが、これについては末社として創建された後で加茂社の分霊を勧請したと柔軟に考えていいように思います。
阿曽沼氏の頃には境内の広い馬場で賀茂競馬（かもくらべうま）のような馬事も行われていたようですし。

石巻の賀茂小鋭（おとの）神社も同様の経過をたどっているフシがあるので、原型は性神を河川の合流地点に置いて和合と繁栄を願ったものであったのかなと個人的には考えています。
そうしてここに、オシラ信仰の馬と姫の信仰につながる道筋が垣間見れるのではないかなとも思います。

写真は左から、

・寛永以前の河川図（GOさんのトピから流用）
・加茂神社
・京都下鴨の御手洗社