地球を歩く方～ベトナム～コミュの「焼身」

はじめまして。
皆さんは、「焼身」（宮内勝典／集英社　2005年7月10日発行）という小説をご存知でしょうか。

http://www.book-navi.com/book/syoseki/shoushin.html

1963年サイゴンで、南ベトナム政府の仏教弾圧政策に抗議するため焼身自殺を遂げた僧、ティック・クアン・ドゥック師の足跡を追う著者が、ベトナムを旅するノンフィクションです。

この中で、著者はおそらく「地球の歩き方」と思われるガイドブック（違うかもしれませんが）を持って旅しているのですが、ガイドブックの間違いを指摘していました。

わたしが持っている07～08年版の178～179ページ、フエのティエン・ムー寺の説明では、「住職が政府に抗議して焼身自殺したことでも有名で・・・」という記載がありますが、著者が同じ内容のガイドブックを読んでティエン・ムー寺を訪ねたところ、師はティエン・ムー寺を訪れたことはあるが、住職ではなかったことを突き止めています。

また、師がサイゴンまで乗っていった車が中庭に展示されているのですが、ガイドブックでは「フエからサイゴンまで乗っていった」ように受け取れる表現ですが、小説では「サイゴンのお寺から焼身自殺現場まで乗っていった」車のようです。

ティエン・ムー寺に展示されている車に師が「乗った」ことは事実でしょうし、ティエン・ムー寺の「住職」ではなかった（実際にはサイゴンのクアン・テー・アム寺の住職だった）というだけなのですが、この小説が事実にもとづいているなら、「地球の歩き方」の記載は間違いということになりますので、いちおう書き込みさせていただきました。

この小説はベトナムの歴史がよくわかるので、「こんな本を読んでみよう」のページにも載せるといいのではないかと思っています。

写真は、先月ベトナム旅行でティエン・ムー寺に行った時の、師が乗った車です。