ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

横浜ハランベコミュのカテンベ近況報告8・23

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
以下、早川千晶さんの日記より

2006年8月23日  

ピースボートから帰ってきて、怒涛のような1週間が過ぎました。これまでの様々な近況報告をさせていただきたいと思います。
ピースボートではたくさんの方々にご協力いただき、カテンベの募金も行うことができました。心から感謝です。船の中で箱を手に声をからしながら募金を呼びかけてくれたカテンベ応援団のみんな、本当にありがとう! そして、それに応えてくださったたくさんの方々のお気持ちが本当に温かかったです。心からお礼申し上げます。
カテンベには、そういう様子の写真を見せて、詳細に渡って話をしています。カテンベは大きくうなずきながらそれをじっと見ていました。たくさんの人々が応援してくれている、ということが、大きな支えになっています。
私たちがピースボートに出かける前、インド渡航のためのパスポート申請をして、私たちが不在の間にもお父さんが走り回ってビザ取得のための手続きを進めていました。私たちはコーチンでエイムス病院を訪問して、お医者さんや病院の方々にご相談させていただきました。ナイロビに帰ってきてからは、インド渡航のための承認をケニア外務省、保健省、裁判所から取得することに奔走しました。インド大使館からは、インドの病院からのレターと適合性検査のレポート、および、カテンベとお母さんのDNA鑑定のレポートが必要だと言われましたので、当初、8月21日に設定していた出発日には間に合うことができず、9月7日に出発日を再設定して、検査結果を待っていたところでした。
そんな矢先に、カテンベのお母さんの様子がおかしくなりました。ちょっと前からずいぶんと疲労が見えているのが気になっていたし、カテンベが重体に陥ったときにはお母さんは大変なパニックに陥り、気を失ったこともあり、十二指腸潰瘍の具合も含め、心配していたところでした。
お母さんの説明によると、こうです。インド行きの日程が決定してから急に、次から次へと電話がかかってきた。田舎の様々な家族から、泣きながらの電話が入る。「インドに行かないで欲しい」「おじいさんが夢に出てきて、インド行きをやめさせるように言った」というような電話です。それでもお母さんは、息子を助けるために腎臓提供をすることや、インドに渡航することについては意志が固く、絶対にがんばるのだと自分に言い聞かせていたということです。だけど周りからの様々な反応に苦しめられ、そのうち、お母さん自身の体の調子が悪くなりました。体が痛み、血圧が上がり、食べることもできず、胸が苦しく、涙が出て、吐き気がして、どうにもならない。頭もひどく痛むということです。
私と匡哉がナイロビに戻ってきたとき、お母さんの形相はすっかり変わってしまっていました。笑顔がなく、とても苦しそうな顔をしています。そして、しゃべろうとすると何度も吐きそうになり、げっぷが胸を上がってきて、おなかから胸まで焼けるように苦しいと。
これはどうしたことかと心配していた矢先、お父さんもヒステリックになり、2人の様子が大変おかしくなりました。カテンベも両親のそんな様子にとても心配しているようでした。
それから何度も話し合いをして、両親の胸のうちを話してもらいました。お母さんは泣きながら言いました。カテンベのためにがんばりたいと思っていた。インドに行くことも決心していた。それなのに、周りの人々が次々と電話をかけてきて、いろいろなことを言う。それを聞いていたら、胸が苦しくてたまらなくなった。頭の中も混乱して、胸がかき乱されるような気分になる。そうしたら心配で心配でたまらなくなった。良いように考えようとするのだが、涙が出てしまう。気が狂いそうな気分になる。
私と匡哉は、これは村の人々がこの病気について詳しいことを知らないせいではないかと思い、村で説明会を開こうと言いました。病気や、手術についての詳しい説明をして、カテンベにとっては他に生きるための方法がないのだということを理解してもらい、その上で、手術に向けて応援して支えてもらう協力が必要だと思ったのです。だけどこのミーティングを開くことについて、両親は否定的でした。言っても理解してもらえない、と言うのです。そしてとても苦しいと言い、両親ともども、大変混乱した状態にどんどん向かっていってしまいました。
お母さんはほとんど、気を失って倒れてしまいそうな様子でした。目もうつろで、同じことを何度も何度も繰り返して言い、泣きました。腎臓の提供者であるお母さんには、安心してよい状態で手術に向かってもらいたい。だけど今のお母さんの状態では、インドに出発することは不可能だと思えました。お母さんの意志が最も大切です。不安があるなら、その不安を解決しなければなりません。
だけどお母さんは、どうしても息子を助けたいと言い、腎臓を提供することは完全に納得していると言いました。それなのにこんな状態になってしまってどうしたらいいの、と言っては泣くのです。
お父さんとお母さんは、インドではなくナイロビで手術を行うことを考えてくれないか、と申し出ました。インドのように遠く離れてしまうと、家族が不安がるし、カテンベの弟や妹たちはまだ小さく、その子供たちを残してインドに長期間行かねばならないことを考えると自分も不安で不安で仕方がない、と言うのです。
ナイロビで手術をするならば、そういう問題は解決されてみんなが安心できるの?と聞いたところ、そうだと言います。
ケニアとインドの医療技術の差についても話をしました。私たちが知っている限りのすべての情報を何度も話し、私たちはカテンベにとってベストな選択をしたいのだけれど、お父さんとお母さんはどう思うかと聞きました。だけどその返事で2人が何度も言うのは、「インドに行きたくない」ということでした。
これまでに、インドに行くという選択については何度も話し合ってきて、その末にみんなで決定させて、それに向かっての準備をはじめてきたのに、実際に具体的になってはじめてインド行きが現実に迫って、わけのわからぬ恐怖心や不安感にさいなまれるようになったようです。
とにかく今の状況ではとてもインドに行くことは無理だという判断になりました。
9月7日のインド行きをキャンセルし、仕切りなおして再計画しなおすことになりました。
カテンベがナイロビ病院に入院してから今まで、4件の腎臓移植手術が行われ、その患者さんたちをお母さんは見ていたということです。みんな元気に退院していった、だからナイロビで手術することでまったく問題ないではないか、とお母さんは言うのです。
今もカテンベの隣のベッドには、ルワンダ人の女の子が入院しており、お母さんが提供者となり腎臓移植手術を待っているところです。そのお母さんとも話をしているうちに、「ナイロビで手術できるのだ」「それで問題ないのだから、インドには行きたくない」という気持ちが高まっていったようです。
とにかくお母さんの精神状態を落ち着かせなければ、どうすることもできません。お母さんはカウンセリングを受けることになり、村の人々とも何度も電話で話し合いました。
8月24,25日で村に行き、家族全員で話し合うことにしました。
このような状況下でも、カテンベは落ち着いており、周りの人々を気遣っています。「自分は、これが良いと決められたことで何でもがんばる」と言っています。以前、ナイロビでの手術はいやだ、とカテンベが言ったことがあるので、ナイロビで手術することについてはどう?と聞きました。すると、それでもいい、と彼は言いました。お母さんの混乱した様子を見ているのもつらいし、ナイロビ病院に入院してからはナイロビ病院への信頼が生まれたせいでもあると思います。
ちょうど学校も夏休みに入ったので、田舎からカテンベの姉、弟、妹もナイロビに出てきていますが、両親の混乱した様子に、子供たちも影響を受けて、つらそうな表情をみせていました。3歳のメジラも、すっかり笑顔がなくなってしまって、悲しそうな顔をしているのでとても不憫になりました。「大丈夫だよ、大丈夫だよ、何も心配いらないからね」と言っていろいろな話をしたら、子供たちにはやっと笑顔が戻ってきました。
インドに行くことがそんなにつらいなら、ナイロビで手術することで計画をしなおそうか、と言ったら、お母さんはとてもほっとした顔をして、「ああ、よかった。ああ、よかった。それなら大丈夫」だと言い続けました。それからお母さんの様子もだんだんと落ち着いてきました。
これがここ1週間ほどの状況です。あらためて、この腎臓移植手術がもたらす精神的ストレスがいかに大きいかということを思い知らされました。
南アまでサンプルを送っていた適合性検査の結果が出ました。お母さんの腎臓はカテンベに完全にマッチするそうです。お医者さんは最高の結果だと言い、安心するようにと言いました。
ナイロビで手術するしか道がないのだとしたら、それにベストな状態で向かえるよう、私たちも最大のサポートをしたいと思っています。とにかく周辺のすべての人々が心をひとつにして、みんなで祈り、カテンベとお母さんを精神的に支えることが大切だと思います。
ムォンゲラ医師は、家族みんなへのカウンセリングもしようと言ってくれて、私たちが村に行くときに来てくれるということです。うまくいけばこれから準備をはじめて、私と匡哉が日本から帰ってきた直後、10月26日に手術を行うようにもっていこう、とムォンゲラ医師は言っています。
あさって、村の人々との話し合いに行ってきます。お母さんの心と体が健康を取り戻すことを心から祈ってやみません。そして、カテンベは必ず助かる、必ずすべては最も良い方向に向かっていくと私は強く信じています。どうか皆さん、応援してください。どうかよろしくお願いします。
早川千晶

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

横浜ハランベ 更新情報

横浜ハランベのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング